1000万円又は1000万円未満の資産運用

1000万円相当を投資信託で一括運用するなら?インデックスファンド以外の選択肢で1億円に到達する方法は?

2022年3月9日

社会人経験を暫く経て「1000万円」が貯まった。そしてある程度、まとまった資産ができたのでそろそろ投資を行おうと考えている。しかし、今まで投資に携わったことないし、何に投資したらいいか分からない。

こんな方はとても多いのではないでしょうか。

 

そして、今まで投資を行ったことはないので、とりあえずプロに任せようと投資信託に資金を入れることを検討する方も多いのではないでしょうか。

本日はそんな方に向けて投資信託に投資する際に考えたいことをお伝えした上で、高いパフォーマンスが期待できる投資先についてお伝えしていきたいと思います。

 

 

 

アクティブ型の投資信託は金融機関の為の金融商品(インデックスを下回る)

まず勘違いしないでいただきたいのですが、一言に投資信託といっても二種類あります。

インデックスに連動する成績を目指す「パッシブ型」と、インデックスに対してプラスのリターンを目指す「アクティブ型」です。

 

両者はまるで異なる性質を持っており、一緒に扱うことは出来ません。アクティブ型の投資信託は指数に対してプラスの成績を出す為に組織で膨大なリサーチが必要です。

プロの知見と経験を使うという名目のもと販売手数料、年間手数料共にパッシブ型の投資信託の費用を大きく上回っています。

 

以下は日米の純資産規模の大きい上位5商品の投資信託の比較となっています。日本は100%がアクティブ型投資信託、米国は4商品がパッシブ型、1商品がアクティブ型です。

 

日本と米国の売れ筋投資信託の比較

 

両者の比較をみると、日本が米国に対して販売手数料・信託手数料共に5倍であることが分かります。つまりアクティブ型の投資信託の手数料がパッシブ型の5倍程度であることが分かりますね。

 

成績が悪かったとしても、投資商品における本質はリターンをどれだけ出すことができるのかという点です。

肝心の成績もパッシブ型が多い米国の投資信託が5.2%のリターンを出しているのに対して、アクティブ型の投資信託中心の日本においては、なんとマイナスの成績に沈み込んでしまいます。

 

1000万円を運用したら1.1万円の損失と信託手数料15万円が毎年減っていくことを意味しています。

更に別のデータを見てみましょう。

以下も金融庁の調査なのですが、全ての分類でアクティブ投信よりもパッシブ投信の方が高いリターンとなっています。

 

日本のインデックス投信とアクティブ投信のリターンの比較

 

上記のようにアクティブ投信よりもパッシブ投信の方が高いリターンであるにも関わらず、日本ではアクティブ投信の方が運用残高が多い状態が継続しています。

以下、アクティブ投信とパッシブ投信の運用残高の推移をご覧ください。アクティブ投信がパッシブ投信の2倍の運用残高を誇っています。

 

日本のアクティブ投信とパッシブ投信の運用残高の推移

 

何故、成績がよいパッシブ投信よりアクティブ投信の方が日本では売れているのでしょうか?

理由は単純明快です。金融機関が儲かるからです。

 

アクティブ型の投資信託を販売すればするほど、投資信託組成会社も投資信託販売会社も儲かる仕組みになっているからです。金融機関はアクティブ型投資信託の販促活動に必死なのです。

 

またアクティブ型投資信託の信託手数料は儲かった分から徴収するのではなく、

顧客から預け入れている資産総額から手数料を算出する為、『いくら利益を挙げる』かよりも『いくら販売するか』に重きが置かれるのです。

 

例えば信託手数料が2%の商品A、Bがあったとします。

商品Aは人気はないが良い成績を出す投資信託、商品Bは人気だが悪い成績を出す投資信託です。

 

あまり売れない商品Aは1000万円を預かる1200万円に増えました。

この場合の信託手数料は24万円となります。

 

一方成績は悪いが良く売れる商品Bは2000万円を預かりましたが運用の結果1600万円に減少しました。

1年後に1600万円に減ってしまったとしても手数料は32万円発生します。

 

良い成績ではなく、いくら販売するかでアクティブ型の投資信託の収益は大きく変わるので、

キャッチーなフレーズを使い顧客を引き付けているのです。

 

更に商品Bのような商品は顧客が解約して新しい投資信託への買い替えを行う際に、また新たに販売手数料が発生します。

更に皆さんの資産を減らしてしまう結果をもたらすのです。

つまり顧客ではなく販売会社と運用会社の立場だけにたった商品がアクティブ型の投資信託といえるでしょう。

 

アクティブ投信は顧客本位ではなく金融機関本位で販売されているのです。

アクティブ型が以下に厳しいかについて筆者が断言できるのは、誰よりもアクティブ投信を過去に分析してきたからです。中でもテーマファンドは投資玄人でない限り、最も資産を増やすには適しません。

 

1000万円投資先おすすめ度(中):パッシブ型(=インデックス型)の投資信託(含む ETF)シミュレーション有り

一方、指数に連動することを目指すパッシブ型の投資信託やETFは投資対象として魅力的です。何故おすすめなのかというとパッシブ型の投資信託がアクティブ型投資信託の成績を大きく上回っているからです。

残念ながら投資信託を運用するサラリーマンファンドマネージャー(パフォーマンスが高くても成果報酬がなく固定給)が頑張っても、株式市場の平均に勝つことは難しいのです。

 

あの伝説のファンドマネージャーと言える藤野英人氏が運用する「ひふみ投信」ですら運用資産額が増えた現在では日経平均を下回る成績となっています。

↗︎↗︎↗︎ 不調にあえぐ「ひふみ投信」「ひふみプラス」の時代は終わった?危ないという評判がたっている理由を分析して評価する!

 

しかし、インデックス投信であればファンドマネージャーの腕は関係ありません。

経済が成長し、全体としての企業の利益が上昇すれば株価は右肩あがりに上昇していきます。基本的には資本主義がうまく機能している国では株価は右肩上がりです。これは過去の歴史が証明しています。

金 債券 株式 株式投資の未来 過去推移

 

残念ながら日本では少子高齢化と企業の硬直性の高い給与体系、高まり続ける国民負担で国内消費が伸びず経済は成長していません。

結果として日本の指数は30年間最高値を超えないという残念な結果になっています。(全体としては沈んでいますが、個別株ベースでは投資妙味が高い銘柄は多いのですが…)

日本株市場はインデックスファンドを握っていれば資産が増えるという環境ではなく、敏腕の投資家のみが勝てる市場となっているのです。

 

一方、資本主義の巨人である米国は人口も移民で増え続け、毎年給与があがるという環境が継続しており経済成長しつづけています。このような国の株価は右肩上がりに上昇していきます。以下S&P500指数の1870年からの長期推移をご覧ください。

S&P500指数の推移

 

年率7%程度でずっと成長してきているのです。資本主義社会が健全な限りにおいて、この傾向は今後も続いていくでしょう。

 

私としてはバンガード社によって組成されているETFシリーズに連動する投資信託が投資対象としておすすめです。理由は指数との乖離率が低く、尚且つ手数料が非常に低く抑えられているからです。

ウォーレン・バフェット氏もバンガード社のETFについては推奨しております。

 

バフェット氏は「何兆ドルもの資産を運用するウォール街の専門家が高額の手数料を課している場合、並外れたもうけを手にするのは顧客ではなく運用担当者だ。大口、小口双方の投資家ともに低コストのインデックスファンドでの運用姿勢を堅持しなければならない」と述べた。

また同氏は、インデックスファンドの普及に尽力したバンガード・グループ創業者のジャック・ボーグル氏を「ヒーロー」とたたえた。

<引用:Reuter>

 

バンガードは米国だけでなく全世界に投資をするETFであるVTも組成しています。しかし、筆者としては以下2点から投資をするのであれば米国に投資をするVTIをおすすめします。

1.全世界には日本と欧州という斜陽国が入っている
2.米国企業は世界の成長の需要を取り込むことができる

 

全世界に投資するVTの中にも米国株は60%程度組み込まれています。しかし30%ほど、欧州と日本という今後成長が見込みにくい国が入っているのは勿体ないところです。

どうせなら成長が見込める米国株だけに集中した方がよいでしょう。

 

また、米国はGAFAMに代表されるように世界中で使用される製品やサービスを生み出している企業が多く存在します。新興国の方が経済成長で豊かになったらiPhoneやマイクロソフトのPCを買いますし、連絡手段はFBのメッセンジャーを使います。

世界全体の成長を米国企業は取り込むことができるのです。つまり、米国企業は米国の成長率を上回る勢いで利益を伸ばすことが可能なのです。

以上のことからインデックス投資でおすすめなのは米国株ということになります。

 

VTIに連動する投資信託として楽天証券やSBI証券が以下のような商品を組成しています。

✔︎ 楽天全米株式インデックスファンド
✔︎ SBI・V・全米株式インデックス・ファンド

ETFの購入はなれていないという方は上記の投資信託で購入するのがよいでしょう。

 

年率を保守的に7%程度と考え毎年100万円追加投資で運用すると、23年で1億円に辿り着きます。

1000 万 円 を 1 億 円 に

 

200万円の追加投資であれば18年です。追加投資をすればするほど短縮していくので、本業で稼ぐ意欲が湧きますよね。

 

ただ、2022年からインデックス投資にだけに傾倒するのは危険です。以下の記事でもお伝えしている通り、直近数年インデックス投資はリターンが出すぎており危険水域に達しています。

↗︎↗︎↗︎ 1億円あったら預け先はどこにすべき?投資信託やヘッジファンドや不動産投資を含めて検討しよう!

 

また、米国企業の利益見通しも今後は暗く、金融政策も引き締め局面という状況に入ってきています。

2022年は実際に米国の株式市場は大きく下落しており、さらに本格的な下落は2022年12月時点ですが「これからだ」と言われています。また、下落がなくとも過去20年のような上昇は少し厳しいという見方もあります。なぜかというと、低金利政策は終わり、それは株式には逆風だからです。

ナスダック総合指数

 

その理由は止まらないインフレ率に加え、FRBの利上げ(これは株式市場に逆風です)がしばらく続きそうだからです。

FRBのパウエル議長も、インフレが沈静化するまで利下げは検討しないとの声明も出しています。

 

2023年中は金利は高止まりする可能性が高いです。これはつまり、景気を殺して株式市場がどうなっても構わないという強行な姿勢なのです。このような相場はとても稀ですが、インデックス投信はいつでも買って良い、という定説をあっという間に覆している状況です。

今、インデックス投資に全力で投資するという選択肢は筆者としては推奨できません。どうしても買いたいなら、一括ではなく、ドルコスト平均法が選択肢になるかと思います。

しかし、しばらく株価が大きく上昇しないのであれば、その期間は機会損失以外の何ものでもないですよね。

 

 

1000万円投資先おすすめ度(高):ヘッジファンド(最低出資額1000万円の壁はあるが)

1000万円という資産が構築できているなら、更に魅力的な選択肢の門戸も開かれています。

それがヘッジファンドです。

【最新版】管理人が考える日本のおすすめヘッジファンドランキング!(投資信託・ETFを含む)個人投資家が投資失敗で大損しないための、富裕層が実践する哲学を理解しよう。

 

先ほどお伝えした通り、インデックス投資は今後厳しい展開が予想されています。インデックスに投資をしてしまうと最悪資産が半分近くまで下落することまで想定しておく必要があります。

せっかく苦労して蓄えた1000万円だからできる限り安全に、かつリターンを積み重ねていきたいと考える方が多いかと思います。

 

このような方におすすめしたいのがヘッジファンドという選択肢です。ヘッジファンドは絶対収益型のファンドと呼ばれており、市場がどのような環境であってもリターンを狙いにいくファンド形態のことを指します。

 

実際、以下の通りヘッジファンドは全体として世界全体の株価指数を上回りつづけています。

世界の株式市場のリターンとヘッジファンドの比較

 

また、特筆すべきなのはショック時の下落耐性の高さです。2000年からのITバブル崩壊は世界的に株価が崩落する中で価格を上昇させています。

またリーマンショックも世界株が50%以上下落するなかヘッジファンドは20%程度の下落に損失を抑制しています。

 

安心しながら、資産形成を行うという観点に立った時にヘッジファンドは非常に魅力的な選択肢となります。実際、安全運用が必須の機関投資家も積極的にヘッジファンドを組み入れています。

ハーバード大学基金もポートフォリオの36%をヘッジファンドにいれてポートフォリオの安定を図っています。

ハーバード大学のポートフォリオ

 

ただし、ヘッジファンドの中でもどこのファンドを選べば良いか、そこでまたパフォーマンスに差がついてきてしまいます。

ヘッジファンドは数多く存在しますが、筆者はその中でもBMキャピタルへの投資を10年スパンで実行しています。そして今後も引き続き運用を任せていきたいと考えています。

 

BMキャピタルは伝統的な「中小型株を中心としたバリュー株投資」を実践しています。

そして、年度ベースで一度もマイナスにすることなく安定したパフォーマンスを叩き出しています。伝統的な「バリュー株投資」はその「企業の株価」が、「企業が保有する現金価値よりも低い」銘柄に厳選して投資を行います。

つまり、負債支払い後で1億円の現金を保有している企業を7000万円で購入しているのです(それ以外にも検討事項は当然、沢山ありますが)。

 

過去のリーマンショック、チャイナショックでも下落せずに安全に運用しています。

(リーマンショックが2008年でその頃から本格運用なので、もう10年以上運用しているベテランファンドマネジャーですね)

幾度も下落局面を無傷で乗り切るBMキャピタル

 

私募ファンド選びで筆者が一つ重視していることが、過去の実績の他にもファンドマネジャーや企業に在籍する社員の経歴です。金融業界は様々な人がいるので、経歴がピカイチなファンドであれば、堅実な運用、そして長年に亘り適切な企業運営をしていってくれるであろうと期待できます。

以下はBMキャピタルのファンドマネジャーの経歴です。

  • 東京大学卒
  • 大学時代に株式投資サークルで継続的な高い利回りを達成(リーマンショック時もプラス運用)
  • 卒業後は一流金融機関・英国バークレイズ証券に入社
  • その後、東大・京大卒(財務省、投資銀行、総合商社出身)のメンバーを集めヘッジファンドを創設

 

東京大学

バークレイズ証券

 

さらに詳しい情報は以下でまとめておりますので参考までに。

BMキャピタル

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まとめ

今回のポイントをまとめると以下となります。

✔︎ アクティブ投信よりインデックス投信の方が高いリターンをだしている
✔︎ インデックス投信なら米国株指数に連動するものを推奨
✔︎ ただ2022年からは厳しい展開が予想される
✔︎ 市況環境によらずリターンが狙えるヘッジファンドという選択肢も検討しよう

 

以下では日本の個人投資家でも投資できるヘッジファンドを紹介しています。筆者も実際に投資しているファンドも並べていますので参考にしてください。

 

結び

金融資産2〜3億円で完全リタイアは可能か?安定した生活を送るための運用法(50歳、60歳など年代別ポートフォリオを検討)

 

長期的に資産を形成し老後の安定資産を築くために必要なことは、ただ一つです。それは、どのような市場環境であっても資産を守り「堅実なリターンを複利で積み上げる」ことです。しかし、多くの人は派手なリターンを謳う運用先に虜になり、資産を増やすどころか失ってしまうのです。しかし、この情勢は変わりません。歴史は繰り返すのです。いつの時代も「無知はコスト」です。

 

depression

 

資産運用の極意は「プラスのリターンを複利で積み重ねること」であり富裕層に到達するにはこの方法しかありません。

 

上記を実現するための投資先(ファンド)を選ぶポイントは、非常にシンプルです。以下は大枠ですが、これを外さなければ大きく失敗することもありません。

  1. 相場環境に左右されない明確で確固たる投資理論・哲学を有する
  2. 過去に成果を出し続けているファンドマネージャーによる運用

 

世の中にはあまりにも間違った情報が溢れていると日々感じていました。
そして今回、筆者の証券アナリストとしての知見や、マーケットに関する仕事に従事した経験を基に様々なファンドを分析してきました。

その結果(堅実運用の思考とおすすめと言える投資先)をまとめました。ぜひ参考にしてくださいませ。

 

 

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