2020年のパンデミックから2021年の後半まで米国株投資が活況となりました。
筆者の出身の田舎の友人ですら、米国株投資を行っているという状況になっていたのが2021年末のことです。
しかし、2022年に入ってからS&P500指数が20%以上下落してベアマーケット入りしてから米国株の投資ブームが一気に冷めました。
では今後はどうなのでしょうか?
本日は米国株に投資を行っているアライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信を題材としてながら紐解いていきたいと思います。
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の特徴とは?
まずはアライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の特徴について見ていきましょう。
投資対象は米国の成長企業
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信が選んでいる銘柄の特徴は以下となります。
高い収益性 | 優秀な経営陣が独自のビジネスモデルで高い参入障壁を築き支配的な市場シェアで高い収益性を持続できる企業 |
財務健全性 | 低い純負債比率(S&P500指数は14%なるも1.4%に抑えている) 純負債比率とは(有利子負債-保有現金)÷(株主資本+有利子負債)で算出される。 |
高い投資効率 | 投下資本に対して、より効率的に利益を創出できる企業 |
投資している銘柄の「1株あたり利益」つまりEPSは以下の通りS&P500指数を上回り続けています。
「Aコース」「Bコース」「Cコース」「Dコース」の違いとは?
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は4つのコースが設定されています。
Aコース | 為替ヘッジを行い年2回決算を実施 |
Bコース | 為替ヘッジを行わず年2回決算を実施 |
Cコース | 為替ヘッジを行い毎月決算を実施 |
Dコース | 為替ヘッジを行わず毎月決算を実施 |
CコースとDコースの分配金の基準は以下となります。
CコースとDコースは配当金を出す頻度が多くなるので、複利を毀損するのでおすすめしません。
配当を出した瞬間に20.315%の税金がかかりますからね。なのでAコースかBコースを選択した方がよいでしょう。
筆者としては今後は為替ヘッジを行うBコースの選択をおすすめします。
現在2022年8月時点でドル円は140円近辺まで続伸しています。
これは米国の中央銀行であるFRBが高進するインフレに対応するために金融引き締めを行ない金利が上昇しているため米ドルの魅力が高まっているためです。
しかし、金利を上げたことで経済の先行きが暗くなってきており長期金利が下落する兆しがあります。
すると、今まで金利差を意識して続伸してきたドル円は逆流を始めます。
そのため、ここからドル円上昇を期待して為替ヘッジなしを選ぶより、為替ヘッジを行うAコースを選ぶ方がオッズが良いと考えるためです。
構成上位銘柄とは?
2022年9末時点での構成上位銘柄は以下となります。組み入れ上位銘柄の比率が50%となっています。
投資信託という観点でみると、かなり上位銘柄に偏重していることになります。そしてマイクロソフト、アルファベット、アマゾンなどの大型ハイテク企業がひしめいていますね。
銘柄名 | セクター | 比率 |
マイクロソフト | 情報技術 | 9.2% |
アルファベット | コミュニケーションサービス | 8.4% |
VISA | 情報技術 | 5.3% |
ユナイテッドヘルス | ヘルスケア | 5.0% |
クラルコム | 情報技術 | 4.4% |
ゾエティス | ヘルスケア | 4.0% |
バーテックス | ヘルスケア | 3.8% |
アマゾンドットコム | 一般消費財・サービス | 3.8% |
コストコ | 生活必需品 | 3.3% |
モンスター・ビバレッジ | 生活必需品 | 2.9% |
購入手数料と信託手数料
購入手数料と信託手数料は以下となります。
購入手数料:3.3% (税込)
信託手数料:年率1.727% (税込)
アクティブファンドの中でも、なかなか高い手数料となっていますね。
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の運用実績(チャート)!S&P500指数と殆ど一緒!?
以下は今まで成績がよく表題にもしているBコースを例にみていきたいと思います。
1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) | |
リターン | 2.01% | 20.87% | 19.03% | 21.87% |
S&P500(円建て) | 14.97% | 20.74% | 17.05% | 19.93% |
上記をご覧いただければわかるとおり、殆どS&P500指数と同様のリターンとなっていますね。
銘柄を選択したとしても結局50銘柄分散すると、ほぼ指数と同じ動きになってしまうのです。
結局、アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の今後の見通しは米国株式市場自体の動きが重要ということになります。
2022年からの今後の米国株式の見通しとは?
重要なのは今後の見通しです。
2020年から2021年は米国株ブームに沸きました。しかし、歴史が証明するとおり皆が熱狂したものというのは、その後悲惨な結果を辿ります。
実は、米国株のブームが発生したのは今回が初めてではありません。
1990年後半のITバブルが発生した時も株価は大きく盛り上がりました。しかし、バブルがはじけてから10年間、株価は停滞して推移しました。
2000年の株価を回復したのは2014年になってからでした。
そして、殆ど同じ状況が2010年代後半から2021年にかけて発生しました。
基本、バブルがはじける前というのはクライマックス的な急激な上昇となります。
しかし、人々が冷静になった時に、現実に引き戻されて株価は下落しています。
しかも、今回は株価が下落するという根拠がしっかりとあります。景気後退とインフレが同時に発生する最悪のスタグフレーションです。
コロナで米国政府とFRBが一体となって資金をばら撒きました。結果的に経済は支えられて株式市場は盛り上がりました。
しかし、本来ばらまく水準を超えて大盤振る舞いしすぎた結果、過熱しすぎてインフレが発生してしまっているのです。
インフレが発生すると国民生活が困窮します。皆さんも最近、生活用品の値上げがあり困っているのではないでしょうか?
日本のインフレ率はまだ2%ですんでいますが、米国は40年ぶりの9%の猛烈なインフレが襲っています。貧困層は怒り心頭なのです。
この状態をさますためには景気自体を冷ます必要があります。インフレは需要が供給を上回ることによって発生するので金利を引き上げて需要を冷ますということですね。
アベノミクスで皆さんご存知だとは思いますが、金融緩和は株式市場にとって追い風です。
2020年かrあ米国株が上昇した理由は、FRBが大規模な金融緩和を実施したためです。
しかし、現在は反対に金融引き締めを行なっているのです。株式市場に逆風が吹き荒れているということですね。
さらに、今まで米国では5%を超えるインフレを抑えるにはインフレ率以上の政策金利が必要でした。
赤:CPI
青:政策金利
そして2022年8月現在、インフレ率は9%であるにも関わらず、政策金利は1.5%-1.75%です。
インフレ率をおさえるためには、まったく引き締めが追いついてないのです。
そして、金利を上げていけば経済活動は失速して景気後退が起こります。つまり深刻なスタグフレーションに陥ります。
金融引き締めと企業収益の下落のダブルパンチで今後もしばらく米国株は厳しい展開が続くでしょう。
更にBコースは為替ヘッジなしです。しかし、既にドル円は150円まで進展しています。
これは日米の金利差によるものなのですが、米国景気は既に失速の兆候がみられており失速が鮮明化すると金利が下落して日米金利差は縮小します。
現時点から為替は下落方向にベットした方がよいのでBコースは特に危険であるといえるでしょう。
掲示板での評判や口コミ
掲示板での口コミや評判は以下となります。長らく不調が続いていることもあり厳しい見解が多いです。
熟慮した結果、スイッチングよりも
ここを一部解約して日本株の元気なのでも
買った方が早いかもしれません。
含み損の中で日々上下されてもね~
せめて買値付近まで戻れば....
値上がり益を見込むなら、他にいくらでも投信はあると思う。
ここは、分配金が出なければ、魅力が薄いなあ…
ちなみにDコースの口コミは以下となります。
円高に振れたと思えば、FRBお偉い方の言葉で一点円安へと
激しい動き、FXやってる方は気を休めるときはあるんだろうか?
さすがに荒波で戦うだけの平常心を持ち合わせてないので(能力なし)
投信でじっくり腰を据えて日々過ごしてます
このままでは日本全体が限界集落になるなんて恐ろしい発言もラジオから
流れてきた火曜日の朝
トータルリターンは悪いですが、配当金で心も身体も癒すひと時が、
得られます。
愛する人へ
分配金利回りが高いのは大事ですが、トータルリターンが悪いのは、さすがに意味がない気がします。
掲示板でもDコースのように配当金を出しても元本が成長しないのであればどうしようもない、というような話がありますね。同感です。
まとめと更に魅力的な選択肢
今回紹介したアライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信のように株式市場に連動する投信は必ず調子が悪い時期が存在します。
筆者はどのような市況環境でもリターンが狙えるヘッジファンドという選択肢を中心に資産運用を実施しています。
ヘッジファンドは市場が下落する局面でもリターンをあげたり損失を抑制して順調に資産を成長させてくれています。
以下で詳しくお伝えしていますので参考にしていただければと思います。
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