「ブロックチェーン」と聞くと2020〜2021年に大ブームだったなという印象です。
様々なテーマに基づいて組成される投資信託の中にもブロックチェーンをテーマとしたファンドは存在しています。
以前、取り上げた「グローバル・フィンテック株式ファンド」もその一つですね。
【2023年速報】グローバル・フィンテック株式ファンドは買い時?今後の見通しや掲示板での評判や口コミを含めて徹底評価!
今回取り上げるのは「インベスコ世界ブロックチェーン株式ファンド(愛称:世カエル)」を取り上げていきたいと思います。
→ テーマファンド集
インベスコ世界ブロックチェーン株式ファンド(愛称:世カエル)の特徴
それではまずは概要から見ていきましょう。
投資対象はグローバル (日本を含む)/ブロックチェーン関連株式
概要は以下です。「コインシェ アーズ・ブロックチェーン・グローバル・エクイティ・インデックス」を連動対象としています。
日本を含む世界各国のブロックチェーン関連株式を実質的な主要投資対象※とし、コインシェ アーズ・ブロックチェーン・グローバル・エクイティ・インデックス(円換算ベース)の動き に連動する投資成果を目指して運用を行います。
コインシェ アーズ・ブロックチェーン・グローバル・エクイティ・インデックスは知らない人の方が多いかと思います。
米国株であればS&P500、ブロックチェーンであれば「COINSHARES BLOCKCHAIN GLOBAL EQUITY INDEX」というレベルで有名なインデックスです。
凄まじい動きをしていますね。金融緩和の賜物です。金融緩和が終わった途端に急降下しておりわかりやすいですね。
ボラティリティが大きく、インデックスといえどレバレッジの効いたナスダック100、という捉え方くらいで良いかと思います。
運用プロセス
運用プロセスとしては、コインシェアーズ社が選定する銘柄に連動するように株を選択するだけです。
インデックスなので非常にシンプルですね。機械的に運用していくだけです。
→ アクティブ型とパッシブ型(=インデックス型)の投資信託の違いとは?どちらのファンドがおすすめか徹底比較。現実を知っていれば大損地獄も回避可能
構成上位銘柄
最新の2023年2末時点のポートフォリオを見ていきましょう。
No. | 銘柄名 | 国名 | 業種 | 純資産⽐ |
1 | コインベース・グローバル | アメリカ | 各種⾦融 | 5.20% |
2 | マネックスグループ | 日本 | 各種⾦融 | 5.10% |
3 | SBIホールディングス | 日本 | 各種⾦融 | 4.60% |
4 | 台湾積体電路製造 | 台湾 | 半導体・半導体製 造装置 | 3.60% |
5 | カカオ | 韓国 | メディア・娯楽 | 3.20% |
6 | CMEグループ | アメリカ | 各種⾦融 | 3.30% |
7 | マイクロストラテジー | アメリカ | ソフトウェア・サービス | 3.60% |
8 | サムスン | 韓国 | テクノロジー・ハードウェア | 3.20% |
9 | インテル | アメリカ | 半導体 | 2.90% |
10 | メタ(旧:FB) | アメリカ | メディア・娯楽 | 2.80% |
ポートフォリオ一位はコインベースですが、これ以外はあり得ないでしょうね。
二位にマネックス、三位にSBIと日本勢が入っています。THEブロックチェーンという会社はコインベースくらいではないでしょうか。
今後上記の金融機関もブロックチェーンに本格的に取り組んでいくであろうということが期待されているのだと思います。
最新の2022年10月末時点からの変遷は以下となります。
2023年2月 | 2022年10月 | |
1 | コインベース・グローバル | コインベース |
2 | マネックスグループ | マネックスグループ |
3 | SBIホールディングス | SBIホールディングス |
4 | 台湾積体電路製造 | マイクロストラテジー |
5 | カカオ | 台湾積体電路製造 |
6 | CMEグループ | スタンダードチャータード |
7 | マイクロストラテジー | CMEグループ |
8 | サムスン | ハイブ・ブロックチェーン |
9 | インテル | カカオ |
10 | メタ(旧:FB) | リミックスポイント |
残念ながら新しいイノベーション銘柄は金融緩和でしか株価上昇はなし得ません。
現在は金融引き締めですので、セオリー通りの大暴落となっています。上場高値という値動きですね。
これは致し方ないですね。テーマファンドとは、タイミングが全てですので株式市場で経験を積んで、知識、ある程度の才覚がないと成功しません。
キャッチーな「ブロックチェーンの投資信託」という響きだけでカモにされた投資家は市場に溢れているものと想像できます。
玄人はとっくに売り抜けてもういません。相場とはそういうものです。
手数料 (購入手数料/信託手数料)
手数料は以下となります。
購入手数料:税込3.30%(税抜3.00%)
信託手数料:年率税込1.573%(税抜1.43%)
初年度は5%程度手数料を払い、それ以上のリターンを目指していくことになります。
信託財産留保額はありません。
運用実績(利回り)基準価額チャートから運用実績を解剖
以下はインベスコ世界ブロックチェーン株式ファンドの運用実績です。
大きく下落していますが、大暴落というほどではありませんでした。
なぜか?と調べてみたら米ドル比率が40%を超えていたので、ある程度の損失を為替で吸収できていました。
組⼊上位5通貨:
通貨名 | 純資産⽐ | |
1 | ⽶ドル | 40.10% |
2 | ⽇本円 | 29.80% |
3 | 韓国ウォン | 6.90% |
4 | 英ポンド | 5.70% |
5 | 台湾ドル | 5.30% |
実際の運用リターンは以下の通りです。直近1年は非常に厳しいですね。
インデックスファンドであるにもかかわらずベンチマークとの乖離もきになるところです。
1カ月 | 3カ月 | 6カ月 | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 設定来 | |
ファンド | 1.00% | 7.09% | -11.22% | -25.09% | 72.21% | -- | -- | 79.55% |
ベンチマーク | 0.39% | 6.84 | -10.58 | -24.47 | 73.39 | 79.80% |
テーマファンドなので、時期を外すとこのようなものです。2020年初頭に投資して、2021年5月頃に売り払うのがベストでしょうね。
米FRBの金融政策にそのまま連動しているので、少し知識がある人であれば十分に成功できたトレードだったでしょう。知識は利益を生みますね。
インベスコ世界ブロックチェーン株式ファンドの掲示板での評判
上昇を念じている人が見受けられましたが、投資は願うものではありません。
まとめと今後の見通し
今後の見通しですが、また上昇のチャンスは来るかもしれませんが近い未来ではないと思います。
ブロックチェーンや暗号通貨など新技術は「投機性」が非常に高い投資になります。堅実な投資の全くの反対です。
証券会社や銀行の窓口で、このようなテーマ投信を積極的に営業するなどの活動が行われていますが、とんでもないことです。
テーマファンドへの投資はトレードであり、玄人向けです。投資初心者が手を出すようなものではありません。
さて、投機性の高い投資先が花開くのは金融緩和時です。米国FRBの動向をしっかりウォッチするようにしてください。不況、低金利下で成長ドライバーとなる投資先であると確定してから乗って行っても遅くはないです。
ただ、世界情勢の正確に追っていくのもかなり精神的に負担が大きいので、筆者としては堅実な、世界経済に振り回されないプラスリターンを目指すファンドでの運用をお勧めしたいです。
以下では筆者の経験からおすすめできるファンドを特集していますので参考にしてみてください。