当サイトでは新興国に投資している投資信託を数多く取り上げています。特に中国の株式市場については今後、最も期待できる株式市場として数多く取り上げてきました。
おすすめの投資信託については下の別記事で解説していますので良ければ参考にしてみて下さい!指数が悪い時もプラスのリターンをだし、年率50%狙える魅力的なファンドも紹介しています。
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【2024年】中国株式に投資するおすすめの投資信託をランキング形式で発表!
筆者は2020年から急騰して割高感が高まっている先進国株式より2023年以降は成長著しく尚且つ割安に放置されている新興国株式に魅力を感じています。 さらに、その中でも独自の経済圏を築き勢いが衰えないに ...
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しかし、中国株にパッケージとして投資できるのは投資信託だけではありません。ETF(上場投資信託)という形でも投資をすることができます。
本日はETFに特化した運用会社として唯一ナスダックに上場しているウィズダムツリーが運用しているCXSEについて詳しく紐解いていきたいと思います。
そもそもETFとは?投資信託とは何が違う?
まずETFと投資信託が何が違うかを簡単に説見えします。
ETFはExchange traded fundの頭文字です。日本語では上場投資信託と呼ばれています。名前の通りETFは上場している投資信託です。普通の投資信託と異なる点は以下です。
ETF | 投資信託 | |
上場・非上場 | 上場 | 非上場 |
販売会社 | 証券会社 | 金融機関全般 |
取引機会 | 証券取引所の取引時間中 | 1日1回 |
取引価格 | 市場実勢価格 (成行、指値等可能) |
1日1回算出される 基準価格 |
購入時手数料 | 売買手数料 | 購入手数料 |
売却時手数料 | 売買手数料 | 信託財産留保額 |
保有期間 | 信託報酬 |
やはり一番大きな違いは市場が開いている時間にいつでも取引が可能かどうかという点です。つまり、普通の株式と同様に取引をすることができるのです。
また、購入手数料は基本的には投資信託よりも低い傾向にあります。投資信託も気軽に投資できる商品ですが、ETFはよりお手軽に取引できる商品となっています。
ウィズダムツリー中国株ニューエコノミーファンド(=CXSE)の運用会社であるウィズダムツリー社とは?
CXSEの正式名称は「ウィズダムツリー中国株ニューエコノミーファンド」です。
名前にもある通り、ウィズダムツリー社によって運営されています。2021年時点でのETF運用額としては野村に次いで世界7位となっています。
ETFプロバイダ | AUM US$bn |
iShares | 1,109.6 |
Vanguard | 509.3 |
State Street | 442.5 |
Invesco Powershares | 102.1 |
db x-tracker | 86.2 |
Nomura Group | 65.2 |
Wisdom Tree | 52.4 |
Lyxor | 51.3 |
ウィズダムツリー社は「株式投資」や「株式投資の未来」で世界的に有名なジェレミー・シーゲル氏がシニア投資戦略アドバイザーとして所属しています。彼の指導のもと組成したETFを数多く上場させています。
ETFといえば基本的にはインデックスに連動する商品が多いのですが、ウィズダムツリーはインデックスに対してプラスのリターンを狙うアクティブ型の投資信託を組成しています。
他にも以下のようなファンドを組成しています。以下はほんの一部です。
Ticker | ファンド名 |
DEW | ウィズダムツリー高配当ファンド |
DHS | ウィズダムツリー米国株高配当ファンド |
DEM | ウィズダムツリー新興国株高配当ファンド |
EPI | ウィズダムツリーインド株収益ファンド |
ETFではアクティブ型は少ないので、能動的にリターンを狙ってみたい人に合っています。
CXSEとは?どのような中国ETFなのか?
では本題に入っていきたいと思います。
国営企業を除いて銘柄を選定
CXSEは中国の政府機関の保有割合が20%を上回る銘柄を投資対象から除く中国本土A株、香港株、米国上場ADRから選定しています。
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中国は共産党政府の中央集権的な政策のもと様々な国有企業が存在しています。しかし、それらの国有企業は効率的な運用が行われていなかったり不正会計が横行しています。
そのため、以下の通り中国国有企業は中国民間企業に大幅にアンダーパフォームしているのです。
青:中国民間企業
黒:中国国営企業
つまりCXSEはこれらの足を引っ張る国有企業を排除することとしています。他の中国に投資をするETFは国有企業に多く投資をしています。
色がついているのが国有企業ですので、他の投資信託の投資先上位のほとんどが国有企業であることが分かりますね。
その点、お荷物企業を排除できるCXSEの方が期待できる投資信託ということができるでしょう。
パフォーマンスの悪い国有企業を除いて投資できるのは、CXSEの大きなメリットです。
ニューエコノミー企業に集中して投資
名前にニューエコノミーとついているだけに、ニューエコノミー企業に投資をしています。ニューエコノミーは米国によって生まれた概念で定義は以下となります。
生産性の上昇によって、米国経済からは、従来の過熱、後退という景気循環が消滅してしまい、インフレなき長期景気拡大が実現したとする考え方。
情報関連の技術革新・発展や、経済のグローバル化による、在庫管理の効率化や、規制緩和による企業間競争、労働市場の柔軟性などが、米国経済の質を変貌させ、理想的な経済構造をもたらしたとされる。
参照:野村證券
つまりテクノロジーの進展によって経済が効率よく停滞なく発展しているという経済状態ということです。では、ニューエコノミーを中国に置き換えると以下となります。マクロ経済とミクロ経済の観点からお伝えします。
☆マクロ経済面
✔︎投資主導の経済から先進国と同じ個人消費主導へ
✔︎国営企業中心から民営企業中心へ
✔︎重厚長大な産業からハイテク産業へ
☆ミクロ経済面
テクノロジーとして注目しているセクターは以下です
✔︎Eコマース
✔︎電子決済
✔︎ビッグデータ
✔︎ドローン
✔︎AI
✔︎電気自動車
CXSEの構成上位銘柄
以下はCXSEの構成上位銘柄です。
順位 | 銘柄 | セクター | 構成比率 |
1 | テンセント | 情報技術 | 12.25% |
2 | アリババ | 情報技術 | 7.08% |
3 | 美団 | 情報技術(口コミサイト) | 5.57% |
4 | 平安保険 | 金融 | 5.09% |
5 | JD.com | 小売(eコマース) | 2.98% |
6 | Wuxi Biologics | ヘルスケア | 2.81% |
7 | バイドゥ | 情報技術 | 2.64% |
8 | NetEASE | 小売(eコマース) | 2.49% |
9 | NIO | 電気自動車 | 2.48% |
10 | 寧徳時代新能源科技 | 電気自動車用電池 | 2.12% |
その他 | 54.48% |
上位10銘柄で約半分を占めているので上位銘柄に偏重していることが読み取れます。テンセント、アリババ、バイドゥといった中国のテックジャイアントが揃い踏みで組み入れられています。
その他にも中国の口コミサイトを運営している美団や中国のアマゾンといわれているJD.comが組み入れられています。
直近、株価が上昇し注目を集めている電気自動車のNIOや電気自動車用バッテリーを製造している寧徳時代新能源科技が組み入れられています。
投資先はまさに中国のハイテクオールスターズといった内容となっています。
低い売買手数料と信託手数料
売買手数料は証券会社によって異なります。楽天証券では税込で0.495%の手数料となっています。
毎日発生する信託手数料は年率0.32%となります。購入する時の手数料や信託手数料は投資信託より低く設定されています。
CXSEのリターンとリスクは?更に魅力的な選択肢とは?
それではCXSEのリターンについて見ていきたいと思います。以下は設定された2012年9月以降のCXSEのチャートとなります。
設定日 2012/9/20 |
過去1年 | 過去3年 (年率) |
過去5年 (年率) |
設定来 (年率) |
リターン | △28.29% | 17.82% | 24.84% | 13.24% |
標準偏差 | 20.20% | 22.97% | 20.21% | 20.82% |
設定来のリターンと標準偏差から考えられる今後1年の確率毎に予想されるリターンは以下の通りとなります。
【68.2%の確率】
▲7.58%(13.24%-20.82%) 〜 34.06%(13.24%+20.82%)
【95%の確率】
▲26.4%(13.24%-20.82%×2) 〜 54.88%(13.24%+20.82%×2)
【99.7%の確率】
▲47.22%(13.24%-20.82%×3) 〜 75.70%(13.24%+20.82%×3)
やはり新興国のETFなので、それなりに標準偏差は高く最大損失は覚悟する必要があります。ハイテク銘柄は特に下落する時は激しく下落するので、危険性は高いといえるでしょう。
2021年末から中国株が大きく下落したこともあり受難しました。更に2022年に入ってからは世界的にインフレ圧力が高まり長期金利の上昇を受けてハイテク企業が下落しました。
[chat face="yoshi.png" name="義就" align="left" border="blue" bg="blue" style=""]しかし、香港ハンセン指数が大きく下落する中でもプラスのリターンを出しているファンドはあります。筆者がこれからくるファンドとして特に注目しているのはオリエントマネジメントというヘッジファンドです。[/chat]
オリエントマネジメントは2021年10月から運用を開始していますが、半年間で上海総合指数が20%近く下落する中において10%のリターンを叩き出しています。つまり半年間で30%のアクティブリターンをだしているのです。(年率69%)
そして、2022年6月にはいり上海のロックダウンも終了して、中国は利下げに走り株価が暴騰する機運が高まっています。実際、過去1ヶ月に以下の通り10%上昇しています。
しかし、今まで下げてきた分を考えると、まだまだ序章です。ここから日本の1980年代のような本格的な株価上昇を迎える水準にきています。
今まで、抑制された分を取り返し、金融政策の追い風を受けて本格的な飛翔元年となる2022年に乗り遅れないために筆者とともに中国株式投資で爆益を目指しましょう!
↓↓筆者が投資しているファンド
全世界ETF「VT」や新興国ETF「VWO」と比較
ではCXSEと全世界株にまとめて投資しているVTと新興国全体に投資しているVWOと比較していきたいと思います。
青:CXSE
赤:VT (全世界株)
黄:VWO (新興国株)
2013年〜 | 年率リターン | 標準偏差 | 最大リターン | 最大損失 |
CXSE | 12.44% | 21.5 | 80.03% | △28.54% |
VT(全世界) | 11.60% | 13.47 | 26.82% | △9.76% |
VWO(新興国) | 5.10% | 16.17 | 31.48% | △15.81% |
CXSEのリターンは全世界よりも高いのですが、価格の値動きの幅である標準偏差が大きいのでシャープレシオは全世界株に劣る結果となっています。
2020年のコロナ禍発生以降、ハイテク企業が世界的に急騰したことを受けて高いリターンとなっていますが2019年まではリターンも全世界に負けていました。
現在は昨年度の急騰によってハイテク株全般的に割高水準となっており、今後も調整が続き下落することも十分想定されます。
中国の投資信託と比較
CXSEと中国の投資信託を比べていきたいと思います。以下はCXSEと中国全体に投資している投資信託との比較です。
橙色:CXSE
青色:三菱UFJチャイナオープン
赤色:HSBCチャイナオープン
緑色:三井住友ニューチャイナファンド
ハイテク企業に絞っていることもあり他の中国全体に投資している投資信託と比べて過去5年で高い成績を残しています。
では、同じくハイテク企業に集中投資している深セン・イノベーション株式ファンドと比べてみましょう。
橙色:CXSE
青色:深セン・イノベーション株式ファンド
殆ど同じ動きとなっていましたが、直近深セン・イノベーション株式ファンドの方が高くなっています。CXSEが高いというよりは世界的なハイテク銘柄の株価急騰の追い風を受けての高いリターンということができます。
ただ、2020年にハイテク銘柄は高騰し続けた結果、現在世界的に割高な水準となっています。今後のリターンが必ずしも高くなるとは限りません。
下の記事では中国に投資して安定的なリターンを出していきたい方に向けて、中国株に投資しているファンドを網羅的に纏めていますので参考にしていただければと思います。
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筆者は2020年から急騰して割高感が高まっている先進国株式より2023年以降は成長著しく尚且つ割安に放置されている新興国株式に魅力を感じています。 さらに、その中でも独自の経済圏を築き勢いが衰えないに ...
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まとめ
CXSEについて紐解いてきました。纏めると以下となります。
✔︎ ETFは株式と同様に市場開場時に取引ができる
✔︎ CXSEは中国の民間企業に投資するETF
✔︎ CXSEはハイテク産業へ集中投資している
✔︎ 上位10銘柄はテックジャイアンと中心で全体の50%を占める
✔︎ 高いリターンを出しているが値動きの幅である標準偏差は大きい
✔︎ 全世界株に勝るリターンをだしているがリスクが高くシャープレシオは低い
✔︎ 中国全体に投資している投資信託より高いリターン
✔︎ ハイテクセクターに投資しているファンドに比べてリターンが高いわけではない
✔︎ 昨年のテック企業の急騰により今は割高で今後見通しがよいわけではない