評判が高い米国リートに投資する「フィデリティUSリートファンドB(為替ヘッジなし) 」を徹底評価!2022年以降の見通しを含めて解説。

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評判が高い米国リートに投資する「フィデリティUSリートファンドB(為替ヘッジなし) 」を徹底評価!2022年以降の見通しを含めて解説。

日本の投信のカテゴリーの中で人気のものの一つに米国リートに投資をするものがあります。

有名なものでいうと、当ブログでも以前紹介したゼウス投信がありますね。

→ 【ゼウス投信】売り時!?配当利回りが高いが大損すると評判の投資信託「新光US-REITオープン」を徹底評価!運用実績(利回り)と今後の見通しを確認しながら紐解く!

 

本日は、そんな人気の米国リート投信の1つであるフィデリティUSリートファンドについて取り上げたいと思います。

 

フィデリティUSリートファンドの特徴とは?

フィデリティUSリートファンドの特徴についてみていきたいと思います。

投資対象は米国リート

投資対象は名前の通りUSリートです。USリートに投資を行う分散投資ファンドとなっています。

USリートファンドとは

 

各リートは様々な物件に分散投資をしています。そのリートを更に分散しているのでファンド・オブ・ファンズ形式といっても差し支えないですね。

 

そもそも米国リートとは?

そもそもリートというのはReal Estate Investment Trustの頭文字で不動産投資信託と呼ばれます。

総収入の75%以上が不動産関連収入を得ている必要があります。以下は米国REITの要件となります。

リートの要件

 

 

上記の資格要件を満たす REIT は、法人所得計算上、配当利益の損金算入が認められる代わりに、各年度のキャピタルゲインを除く課税所得の 95%以上を配当しなければなりません。

つまりリターンの95%以上を配当金として拠出することでREIT法人は米国政府からの課税を免れることができるということですね。

上記の要件からREITは配当利回りが高くなる傾向にあります。

 

A(為替ヘッジあり)とB(為替ヘッジなし)とは?

フィデリティUSリートファンドには為替ヘッジをつけるAコースと、為替ヘッジなしのBコースがあります。

Bコースはドル円が上昇すると円建のリターンが上昇しますが、逆に円高が進むと円建のリターンは毀損します。

 

現在、ドル円は140円近辺まで急上昇しています。

 

ドル円のレートの推移

 

これは日米の金利差拡大によるものです。しかし、ここからは景気後退懸念があるので米国金利は下落方向に傾きつつあります。

すると、ドル円は下落する確度が高くなっているのです。

そのため、筆者としては今後は為替ヘッジを行うAコースをおすすめしたいと思います。

 

構成業種は住宅がトップ

米国の個別リートの名称をあげても恐らく誰もわからないと思いますので構成上位セクターの比率をお伝えします。

2022年6月末時点での構成上位セクターは以下となります。

 

フィデリティUSリートの構成上位セクター

 

住宅 20.8%
物流 13.8%
小売 12.4%
ヘルスケア 12.2%
データセンター 10.9%
特殊 9.0%
倉庫 6.4%
ホテル・リゾート 5.6%
インフラ 5.0%
複合施設 1.5%
オフィス 1.4%

 

最も安定性が高い住宅を最も多く組み入れています。

景気に一番影響を受けるのは、物流や倉庫、ホテルリゾートなどですからね。

 

米国リートが保有する不動産の入居率は過去平均93%という非常に高い水準となっています。

最も景気の悪かったリーマンショックでも90%以上を維持していますから盤石といえるでしょう。

ただ、不況時には家賃が安くなる可能性もあるので必ずしも、値下がりしないというわけではないことは留意しておきましょう。

 

米国リートの入居率

 

ベンチマークはFTSE NAREIT Equity REITs インデックス

フィデリティUSリートファンドはインデックスに対してプラスのリターンを狙うアクティブ型の投資信託です。

→ アクティブ型とパッシブ型(=インデックス型)の投資信託の違いとは?どちらのファンドがおすすめか徹底比較。現実を知っていれば大損地獄も回避可能

 

そのため、比較対象となるインデックスが存在します。

フィデリティUSリートファンドはベンチマークをFTSE NAREIT Equity REITS インデックスと設定しています。

この指数はFTSE社によって算出されている米国の代表的なREIT指数です。米国の株式でいうところのS&P500指数と同じですね。

 

手数料水準(購入手数料と信託手数料)

手数料は以下の通りとなります。

購入手数料:3.85%
信託手数料:年率1.54%

アクティブ投信の中でもかなり高い水準ですね。

 

フィデリティUSリートファンドの運用実績!特別分配金をだしている!?

重要なのは運用実績です。

以下は基準価額と税引前分配金再投資した場合の基準価額(累積投資額)とベンチマークの比較です。

 

フィデリティUSリートファンドの運用実績

 

税引前分配金再投資後の基準価額でさえベンチマークのインデックスを大きく下回っています。

基準価額は3500円と運用開始時の10,000円の約3分の1となっています。つまり、元本を毀損する特別分配金を出しているということになります。

 

特別分配金が出ている投資信託を購入するということは、手数料を払いながら預金を引き出しているという状況になります。

また、仮に利益が出ている分から配当金が出ているとしても、配当金を拠出した瞬間に税金が20.315%かかります。

そして、再投資する場合には高い購入手数料もかかります。つまり、上記の税引前分配金再投資した場合の基準価額は実現しえないものとなっているのです。

 

フィデリティUSリートファンドはインデックスに劣りながら、高すぎる過剰な分配金を出しているという点でゼウス投信と同じ性質のリート投信であるということができます。

→ 【ゼウス投信】売り時!?配当利回りが高いが大損すると評判の投資信託「新光US-REITオープン」を徹底評価!運用実績(利回り)と今後の見通しを確認しながら紐解く!

 

2022年からの今後の見通しとは?

重要なのは今後の見通しです。

まず、以下は商業用不動産と戸建住宅の価格指数の推移です。いずれも非常に堅調な推移となっていますね。

 

商業用不動産と戸建住宅の価格指数の推移

 

しかし、この堅調な米国の住宅市場にも中央銀行であるFRBの金融引き締めが暗い影を落としつつあります。

住宅を購入したことがある方ならわかると思いますが、金利が高くなると住宅購入を控えますよね。

そのため、金利が高くなると住宅価格自体も下落します。住宅価格と金利は切っても切り離せない関係にあるのです。

 

そして、現在米国では40年ぶりのインフレに対応するためにFRBは拙速な金融引き締めを実行しています。

以下をご覧いただければわかる通り、金利を引き上げてしばらくたつと大きく下落します。そして、現在既に下落に転じています。

米国の政策金利と米国リートの価格の推移

 

この政策金利の引き上げに加えて、FRBはQTという市場からの資金の引き上げを実施しています。

このQTでは償還される米国債を再購入しないという処置なので長期金利が上昇する圧力が働きます。

つまり、ここからしばらく逆風が吹き荒れることが想定されているのです。

 

米国リートの利回りは米金利との差によって表されます。

米国リートの利回りが米金利より大きければ投資妙味がましますし、小さければ米国債への投資妙味が増しますからね。

以下ご覧いただければわかる通り、米金利と米国リートの利回りは消失しており、米国リートは既に割高水準となっています。

 

米国リートの利回りと米国債の利回りの差

 

ここから米国リートに投資する妙味は少ないと言わざるをえないでしょう。

 

まとめ

今回のポイントを纏めると以下となります。

 

ポイント

✔︎ 複数の米国リートに投資
✔︎ 住宅が最も投資比率の高いセクター
✔︎ 現在割高で今後の金利上昇を考えると投資妙味は低い

 

結び

金融資産2〜3億円で完全リタイアは可能か?安定した生活を送るための運用法(50歳、60歳など年代別ポートフォリオを検討)

 

長期的に資産を形成し老後の安定資産を築くために必要なことは、ただ一つです。それは、どのような市場環境であっても資産を守り「堅実なリターンを複利で積み上げる」ことです。しかし、多くの人は派手なリターンを謳う運用先に虜になり、資産を増やすどころか失ってしまうのです。しかし、この情勢は変わりません。歴史は繰り返すのです。いつの時代も「無知はコスト」です。

 

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資産運用の極意は「プラスのリターンを複利で積み重ねること」であり富裕層に到達するにはこの方法しかありません。

 

上記を実現するための投資先(ファンド)を選ぶポイントは、非常にシンプルです。以下は大枠ですが、これを外さなければ大きく失敗することもありません。

  1. 相場環境に左右されない明確で確固たる投資理論・哲学を有する
  2. 過去に成果を出し続けているファンドマネージャーによる運用

 

世の中にはあまりにも間違った情報が溢れていると日々感じていました。
そして今回、筆者の証券アナリストとしての知見や、マーケットに関する仕事に従事した経験を基に様々なファンドを分析してきました。

その結果(堅実運用の思考とおすすめと言える投資先)をまとめました。ぜひ参考にしてくださいませ。

 

 

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