2020年の金融相場にてハイリターンを出し評判となった「グローバルAIファンド」を評価!パフォーマンスは維持できているか?為替ヘッジは「有り」と「無し」のどちらがよい?

投資信託

2020年に評判だった「グローバルAIファンド」の下落の理由とは?口コミや今後の見通しを含めて徹底評価!為替ヘッジは「有り」と「無し」のどちらがよい?

2022年4月1日

 

パンデミック以降、世界のハイテク株が急上昇したことで注目を集めました。

日本でも様々なハイテク株に投資する投資信託が組成されました。当サイトでも有名なものを取り上げてきました。

 

 

今回はハイテク系のテーマの中でも最も注目度が高いAI関連銘柄に投資している「グローバルAIファンド」について取り上げます。

「グローバルAIファンド」はコロナショックで株式市場が暴落した2020年3月から2020年末までに基準価格を3倍にした時流に乗った評判の投資信託です。

当サイトでは様々な投資信託を分析してきましたが、グローバルAIファンドの2020年の成績は群を抜いておりますね。

 

本日はこのファンドに対して主に以下の点をお伝えしていきたいと思います。

  • どのような特徴を持った投資信託なのか?
  • AI産業の将来的な可能性
  • 為替ヘッジありと無しだとどちらがよいのか?
  • 現在2022年時点で投資をするのは投資妙味があるのか?

 

➡︎ 投資信託銘柄考察シリーズ

 

グローバルAIファンドの特徴とは?

それではまずグローバルAIファンドの特徴について見ていきましょう。

目論見書

 

投資対象企業は世界のAI関連企業

名前の通り「グローバルAIファンド」は世界のAI関連企業に投資をする投資信託です。

以下のようなAIの進化や応用によって高い成長が期待される企業の株式に投資を行います。

 

  • ロボティクス
  • フィンテック
  • IoT
  • セキュリティ
  • VR
  • 自動運転

 

各分野の技術革新をけん引するAI

 

コラム:拡大するAI関連事業の市場規模

AI関連事業は今後、世界の発展を根底から支えるということもあり市場規模は以下の通り大きく拡大することが予想されています。

 

AI関連事業の市場規模の予測

 

事業 2025年時点の市場気兆円お
IoT 3.9兆〜11.1兆ドル
モバイルインターネット 3.7兆〜10.8兆ドル
知識労働の自動化 5.2兆〜6.7兆ドル
クラウド技術 1.7兆〜6.2兆ドル
先端ロボット 1.7兆〜4.5兆ドル
合計 16.2兆〜39.3兆ドル

 

また、2020年に比べてAI関連企業の売上高は2027年までに12倍になると想定されています。

 

AI 関連企業の売上成長予測

 

運用はアリアンツ・グローバル・インベスターズが担当するため手数料が高い

グローバルAIファンドを売り出しているのは三井住友DSアセットマネジメントです。

しかし、実際に運用するのはアリアンツ・グローバル・インベスターズとなっています。

アリアンツは世界最大級の保険会社でグローバルにう資産運用業務をおこなっています。

 

アリアンツ・グローバル・インベスターズとは?

 

関係者が多くなると手数料が高くなるのは世の常です。グローバルAIファンドの手数料は以下の通りとなっています。

 

購入手数料:3.3%(税込)
信託手数料:年率1.925%(税込)

 

初年度は5%の手数料が発生するということですね。

 

組入上位10銘柄

以下は直近2022年6月末時点の構成上位10銘柄です。

No. 銘柄 業種 組入比率
1 テスラ 米国 一般消費財・サービス 6.30%
2 ブロードコム 米国 情報技術 4.50%
3 オン・セミコンダクター 米国 情報技術 4.40%
4 スームインフォ 米国 コミュニケーションサービス 4.10%
5 マーベル・テクノロジー 米国 情報技術 4.00%
6 メタ(旧FB) 米国 コミュニケーションサービス 3.80%
7 エンフェーズ 米国 情報技術 3.20%
8 ディア 米国 資本財・サービス 2.90%
9 プラグパワー 米国 資本財・サービス 2.80%
10 トレードディスク 米国 情報技術 2.60%

 

テスラはAI技術を活用した自動運転機能を持つ電気自動車の開発・販売を行う会社です。2020年に最も注目を集めた企業です。

ブロードコムやオン・セミコンダクターは米国の半導体メーカーです。

ズームインフォは誤解されがちですがオンライン会議のズームビデオとは別会社です。営業マーケティング、顧客開拓に必要な支援ツールを提供する企業です。

【テスラ】

テスラの株価推移

 

【ブロードコム】

 

ブロードコムの株価

 

直近、大きく水準を落としています。ハイテク株は全体的に同様の動きとなっています。

因みに2022年2月末時点で組入上位銘柄は以下です。

構成上位は上位は殆ど入れ替わっていませんね。ただ、アマゾンやNVIDIAが株価下落もあり上位から剥落しています。

 

No. 銘柄 業種 組入比率
1 テスラ 米国 一般消費財・サービス 5.50%
2 ズームインフォ・テクノロジーズ 米国 コミュニケーション・サービス 4.50%
3 オン・セミコンダクター 米国 情報技術 4.10%
4 ブロードコム 米国 情報技術 3.70%
5 マーベル・テクノロジー 米国 情報技術 3.60%
6 アマゾン・ドット・コム 米国 一般消費財・サービス 3.20%
7 ディア 米国 資本財・サービス 3.10%
8 シュルンベルジェ 米国 エネルギー 2.90%
9 フリーポート・マクモラン 米国 素材 2.90%
10 エヌビディア 米国 情報技術 2.80%

 

更に遡って2021年中間時点では以下のようなポートフォリオでした。

1年で大きく構成銘柄が入れ替わっていますね。

 

銘柄 組入比率 簡単な説明
ロク
(米国)
7.4% TVストリーミング・プラットフォームを運営。
テスラ
(米国)
5.2% 世界最大の電気自動車メーカー。昨年株価は大躍進。自動車からの画像処理データを処理しニューラルネットワークのトレー二ングを超高速に行うように設計。
アマゾン
(米国)
3.7% オンライン小売世界最大手企業。近年はクラウド企業としても躍進。
アップル
(米国)
3.7% iPhoneやMacを販売。
スナップ
(米国)
3.6% SNS会社。写真や動画などを送受信できるモバイルカメラアプリ等を販売・開発。
GE
(米国)
3.3% グローバルに展開する技術・メディア・金融サービス会社。
FB
(米国)
3.1% 世界最大のSNSを運営。視覚障害者向けに共有された写真の説明文を自動成績するシステムの大幅なアップデートを発表。
ウォルト
ディズニー
(米国)
3.0% エンタメ会社。事業全体にわたりAIに多額投資。
ブロードコム
(米国)
2.7% ネットワーク用半導体製品を提供する大手企業。世界初の最新世代WiFi 6E対応スマートをサムスンより発売。
マーベルテクノロジー
(米国)
2.6% 米国の半導体メーカー。様々な機器に組み込まれる生業装置用の半導体製品を開発。
10社合計 38.3%

 

筆頭銘柄だったロクやスナップは今酷いことになっていますね・・・。

<ROKU>

ROKUチャート

<SNAPチャット>

SNAPチャート

 

 

グローバルAIファンドの業種別構成比率

以下は業種別構成比率です。

米国のハイテク企業を中心に組み入れているということがわかりますね。国別構成比率でも約90%が米国企業となっています。

 

No. 銘柄 組入比率
1 情報技術 56.20%
2 コミュニュケーションサービス 14.30%
3 一般消費財・サービス 11.50%
4 ヘルスケア 6.10%
5 資本財・サービス 5.80%
6 金融 1.60%
7 エネルギー 0.60%
8 素材 0.30%
9 不動産 0.10%

 

そして、この業種別構成比率が後でお伝えしますが、今後の見通しに影響してきます。

 

為替ヘッジありを選択するべきか?

グローバルAIファンドは為替ヘッジ有りか為替ヘッジなしを選択することが可能です。

為替ヘッジなしであればドル円レートが上昇するとリターンが増大し、反対に下落するとリターンが悪化します。

 

2022年7月現在、ドル円は136円までドル高円安に進展しています。

ドル円レート

 

これは日米金利差に注目が集まっているためです。日本は日銀がずっとゼロ金利政策を敷いています。

しかし、米国は高騰するインフレに対応するために中央銀行であるFRBは金融引き締めを実施しています。

結果的に以下の通り米10年債は上昇してきました。結果的に日米金利差が拡大してドル高円安の主要因となっています。

 

米10年債金利の推移

 

一方、直近でみると金利は下落に転じ始めています。

これは金利が上昇することで経済活動が抑制されて景気後退が発生する可能性を織り込んできているためです。

ここからは金利差縮小による円高の方がオッズが良いと考えています。つまり為替ヘッジはつけたほうがよいと筆者は考えています。

 

グローバルAIファンドの運用成績を紐解く

それでは肝心なグローバルAIファンドの成績について見ていきたいと思います。以下はヘッジ無しの成績でみていきます。

 

グローバルAIファンドは2017年の運用開始後から堅調に推移していきました。

しかし、コロナショック後から明らかに角度を変えて急騰してきています。金融緩和時はストーリー株に投資するファンドが強いです。

ROKU、SNAPなどは代表例ですね。そして金融引き締めが囁かれ出した2021年末からグローバルAIファンドも失速です。もっと深く掘っていくものと筆者は考えています。

 

グローバルAIファンドの基準価額の推移

 

コロナを機にテクノロジー銘柄のサービスに対する需要が高まり利益が続伸し株価もうなぎのぼりに上げていきました。

以下は米国の代表的な指数であるS&P500指数との比較ですが、2020年のコロナショック後から青色のグローバルAIファンドが圧倒していました。

 

グローバルAIファンドとS&P500指数の長期比較

 

しかし現在は失速し、2021年以降はS&P500指数を下回っています。

2021年以降のグローバルAIファンドとS&P500指数の推移の比較

 

特に2022年からの下落は20%を超えています。

S&P500指数というよりナスダックと同様のリターンとなっています。

 

2022年以降のグローバルAIファンドとS&P500指数とナスダック総合指数の推移

 

歴史でも類を見ない金融相場であった2020年がなければ万年インデックス投資に負けているアクティブファンドなのではないでしょうか?

今後はハイバリュエーション銘柄を多数抱えるグローバルAIファンドのようなアクティブファンドは地獄を見ると思います。

 

グローバルAIファンドの直近の下落の理由とは?今後の見通しは?

では直近の下落理由と今後の見通しについてみていきたいと思います。

基準価額の下落の原因は金利の上昇

グローバルAIファンドの下落の理由は、ナスダック総合指数の下落の理由と同じです。

ナスダックやグローバルAIファンドが組み入れている銘柄はグロース企業です。

グロース企業は将来利益が成長していく銘柄です。そしてグロース企業は金利の上昇によって株価が下落します。

 

理由は企業の利益というのは将来生み出されるキャッシュフローを現在価値に割り引いて算出します。

グロース企業の将来の利益を割り引いて足し合わせることで算出されます。そして金利が上昇することで割引率がおおきくなり現在価値が小さくなります。

利益が成長しない企業においては影響は少ないですが、将来の利益が大きい企業においては割引率が高くなると企業価値が大きく減少しています。

ディスカウントキャッシュフロー法

 

先ほど為替ヘッジの欄でお伝えした通り、米国の長期金利はインフレを抑え込むためのFRBの金融引き締めによって急騰していきました。

結果的にグロース株の価値が急激に縮小して株価の下落を招いていきました。

 

米10年債金利の推移

 

今後はEPSの下落で株価は軟調に推移することが予想される

今までは金利の上昇によって株価が下落していきました。

しかし、これから急激に金利を上昇してきたことにより米国経済は地盤沈下しかかっています。

 

金利が上昇することで企業が借り入れに億劫になり、事業を拡大することができなくなります。

更にインフレによって個人の購買力も減少しています。

 

今後は企業収益が下落することによりEPSの下落を伴って株価が下落していく可能性が高くなってきています。

しばらくは米国株からは離れたほうが賢明だと筆者は考えています。

以下はどのような環境でも利益を狙うことができるファンドについてまとめています。ご覧いただければと思います。

 

【2022年】管理人が考えるおすすめヘッジファンドランキング!(投資信託・ETFを含む)個人投資家が投資失敗で大損しないための、富裕層が実践する哲学を理解しよう。

 

グローバルAIファンドの口コミ

グローバルAIファンドの口コミをみてきましょう。過去の栄光もあるのでポジティブな意見もあります。

米国のAI株ファンドの基準価格が、5年で4倍になりました 「グローバルAIファンド」という商品です。 私は早い時期からAI株ファンドへ集中投資したので、かなりの利益が出ています。 AI株が伸びることは、誰にでも予測できたことですよね? あとは人より少しでも早く動き、先行投資することが大事

-@sekihara_d

 

これは2021年9月2日時点のイケイケの時の感想ですね。

直近は元本から配当金を出す特別分配金となっていることを指摘されています。

うーん、グローバルAIファンドは特別分配金になってもうたから一旦バイバイ

-@ponponpandachan

 

まとめ

グローバルAIファンドについて纏めると以下となります。

  • AI関連企業に投資
  • 運用はアリアンツグループが担当
  • 手数料は非常に高い
  • 米国テクノロジー企業が9割AI企業の
  • 売上は年率50%近い上昇が見込まれている
  • コロナショックで業績と株価が躍進した
  • しかし現在はバリュエーションが高い
  • 米長期金利の上昇が警戒水準
  • 今投資するのは非常に勇気がいるタイミング

 

もっと良い投資先はいくらでもあるので、考え直しましょう。

 

➡︎ 投資信託銘柄考察シリーズ

 

結び

金融資産2〜3億円で完全リタイアは可能か?安定した生活を送るための運用法(50歳、60歳など年代別ポートフォリオを検討)

 

長期的に資産を形成し老後の安定資産を築くために必要なことは、ただ一つです。それは、どのような市場環境であっても資産を守り「堅実なリターンを複利で積み上げる」ことです。しかし、多くの人は派手なリターンを謳う運用先に虜になり、資産を増やすどころか失ってしまうのです。しかし、この情勢は変わりません。歴史は繰り返すのです。いつの時代も「無知はコスト」です。

 

depression

 

資産運用の極意は「プラスのリターンを複利で積み重ねること」であり富裕層に到達するにはこの方法しかありません。

 

上記を実現するための投資先(ファンド)を選ぶポイントは、非常にシンプルです。以下は大枠ですが、これを外さなければ大きく失敗することもありません。

  1. 相場環境に左右されない明確で確固たる投資理論・哲学を有する
  2. 過去に成果を出し続けているファンドマネージャーによる運用

 

世の中にはあまりにも間違った情報が溢れていると日々感じていました。
そして今回、筆者の証券アナリストとしての知見や、マーケットに関する仕事に従事した経験を基に様々なファンドを分析してきました。

その結果(堅実運用の思考とおすすめと言える投資先)をまとめました。ぜひ参考にしてくださいませ。

 

 

-投資信託

© 2022 株式投資ブログ〜Art of Investment〜 Powered by AFFINGER5