日興証券が運用する投信「グローバル・ロボティクス株式ファンド」を徹底評価!利回りは高いが投資妙味の高い投資信託なのか?

投資信託

日興証券が運用する投信「グローバル・ロボティクス株式ファンド」を徹底評価!利回りは高いが投資妙味の高い投資信託なのか?

近年注目が集まっている産業としてロボティクス分野があります。

一言にロボティクスといっても人工知能(AI)やセンサーなど分野は多岐にわたります。また、残念ながら日本は他の先進国に対して遅れをとっています。

 

今後、ますます注目が集まる分野であるものの、どの企業に投資をすればといのかわからないという方も多いのではないでしょうか?

そのような方に向けて、日興アセットマネジメントが「グローバル・ロボティクス株式ファンド」という投資信託を組成しています。

本日はそんなグローバル・ロボティクス株式ファンドについて詳しく紐解いていきたいと思います。

 

投資信託銘柄考察シリーズ

 

 

グローバル・ロボティクス株式ファンドはどんなファンド?

ではまずグローバル・ロボティクス株式ファンドはどのような投資信託なのかを紐解いていきましょう。

 

投資対象はロボティクス関連企業

グローバル・ロボティクス株式ファンドが投資対象とするのはロボティクス関連銘柄です。(以下が目論見書の記述です)

 

  • 今後の成長が期待されるロボティクス関連企業の株式を中心に投資を行なうこと により、中長期的な信託財産の成長をめざします。
  • 産業用やサービス用などのロボットを製作する企業のみならず、ロボット関連技術 であるA(I人工知能)やセンサーなどの開発に携わる企業も投資対象とします。
  • 外貨建資産への投資にあたっては、原則として為替ヘッジを行ないません。

参照:目論見書

 

一言にロボティクス関連といってもロボット産業、IoT、AIに大別されます。ロボット業界は以下の通り先進各国の少子高齢化の影響もあり需要が今後急激に増加していくことが見込まれています。

 

ロボット業界は、少子高齢化や労働コストの増大などを背景とした需要面と、部品価格の下落や技術の進歩 を背景とした供給面からの後押しを受けて、新たな市場を切り開く成長産業として注目が集まっています。

足元では、各国でロボット普及支援の政策が打ち出されているほか、大手IT企業によるロボティクス関連 企業のM&Aが相次ぎ、業界への人材・資金の流入が加速しているなど、ロボット業界の注目は日増しに 高まっています。

参照:目論見書

 

その他にもロボティクスファンドは「あらゆるモノをインターネットに接続」するIoTと、人間と同じように学び考えるAI分野の銘柄も投資対象としています。

 

グローバル・ロボティクス株式ファンドの投資対象

 

 

運用を担当するラザード社とは?

グローバル・ロボティクス株式ファンドは日興アセットマネジメントがラザード社に運用を委託しています。

ラザード社は1970年からの歴史があり、機関投資家や公的年金などからの資産を預かって運用しています。

ラザード社のご紹介

 

 

 

ロボティクスファンドの最新の構成上位銘柄とは?

2022年2月時点で60銘柄に投資しています。以下は構成上位10銘柄で29.7%を占めています。

 

銘柄 業種 比率
ABB 資本財・サービス スイス 4.30%
キーエンス 情報技術 日本 4.10%
シュナイダー 資本財・サービス フランス 3.70%
アルファベット コミュニケーション・サービス アメリカ 3.20%
NVIDIA 情報技術 アメリカ 3.20%
ロックウェル 資本財 アメリカ 3.10%
東京エレクトロン 情報技術 日本 3.00%
サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック ヘルスケア アメリカ 2.60%
ヘキサゴン 情報技術 スウェーデン 2.50%

参照:月次報告書

 

第2位のキーエンスは世界的なFAセンサ・制御機器メーカーです。

 

生産現場の生産性向上・品質向上・工程改善・自動化のための各種センサ、自動制御機器、計測機器、画像処理機器、顕微鏡、電子応用機器、安全機器の製造販売。主力の産業用センサや測定器、センサのネットワーク化によるスマートファクトリーは世界のFA産業界を牽引。超優良企業(平均成長率10%超:20年、営業利益率40%超)として有名。「企画開発力」と「コンサルティングセールス」を売り物に46カ国230拠点で直販体制のグローバル展開。

 

以下はキーエンスの業績推移です。

キーエンス通期業績推移

 

業績に従って株価も右肩上がりで上昇していますが、少し陰りが見えてきています。

6861 キーエンス

 

やはり株価も見通しを織り込み下げていますね。過剰な金融緩和も終わり、金融引き締めの時期を迎え、業績見通しの陰りもありで下落するしかないといった状況です。(株価は基本的に1-2年先の未来を織り込みます)

 

 

 

国別構成比率は米国と日本で75%を占める

国別の構成比率は日米で75%を占めています。

 

比率
米国 44.3%
日本 25.30%
フランス 5.90%
スイス 5.10%
ドイツ 4.50%
アイルランド 3.30%
台湾 2.90%
スウェーデン 2.50%
オランダ 2.20%
ケイマン諸島 1.70%

 

ハイテク先進国である米国の比率が多いのは当然ですが、次回の金融緩和時に米国の比率を高めた方が良いように思えます。

現在、世界のハイテク産業はGAFAMといわれる巨大IT企業が牛耳っており、この構図はしばらく変わらないと見込まれるためです(テクノロジー企業規制法案が進捗すればまた話は変わってきますが)。

 

2022年に関しては、金融引き締めが実施されます。米国株比率が高い場合、しばらく株価下落続く可能性は高く、覚悟が必要です。

 

 

比較的高い手数料水準

ロボティクスファンドはアクティブファンドであり、かつラザード社に委託していくこともあり、以下の通り比較的高い手数料水準となっています。

 

  • 購入手数料:3.85%(税込)
  • 信託手数料:1.936%(税込)

 

 

グローバル・ロボティクス株式ファンドの成績とは?気になるリターンを分析する

では肝心のグローバル・ロボティクス株式ファンドの成績についてみていきましょう。

 

成績は単体でみると優秀に見える

以下は運用開始した2015年8月からのリターンです。基準価格は10,000→26000と約2.6倍になっています。

 

基準価額推移

 

一見すると非常に優秀な成績ですが、コロナショックの時は大幅に下落しています。また、上昇のほとんどは2020年の金融相場でした。

ひと時代終わったという感じですね。他のハイテク株ETFなどと比べるといまいちではあります(後続)。

 

 

VGTやQQQと比べると大幅に成績は劣後

投資対象がハイテクなので、他のハイテク指数などと比較分析する必要があります。以下はVGTとQQQの比較です。

VGTは米国の情報技術セクターだけを集めたETFで、QQQはナスダックを代表する100銘柄の時価総額加重平均指数です。

 

グローバル・ロボティクス株式ファンド
VGT(米国情報セクターETF)
QQQ(ナスダックの上位100銘柄)

 

グローバル・ロボティクス株式ファンドとVGT(米国情報セクターETF)と QQQ(ナスダックの上位100銘柄)のリターンの比較

 

ハイテクセクターに投資しているという前提に立てば、相対的に低いリターンと言わざるを得ませんね。

では問題は今後もこのハイテクのブームが続くのかということです。コロナショック後、既に以上なレベルまでハイテク株は上昇してきています。

 

PERが100倍を超えている銘柄や、PSRベースでも50倍を超えている銘柄が多く存在しており明らかにバブルの状態が続いていました。

今まで勢いがあったからといって、今後もハイテクに投資をするのが良いとは言い切れないのです。場合によっては2000年のITバブルの崩壊のような暴落に見舞われることもあったのです。

 

実際に2022年初頭から株価は大きく下落しました。2022年3月末現在は少しリバウンドしていますが、米FRBによる金融引き締め、QT(バランスシート縮小)はこれからが本番です。

インフレ率を見れば明らかなように、もうFRBは2018年の時のように金融引き締めを諦めることはできません。マストです。

インフレが止まらないからです。ハイテク銘柄は真っ先に大ダメージを受けるセクターですので、グローバルロボティクスファンドは非常に危険な投資になると思われます。

 

 

まとめ

グローバル・ロボティクス株式ファンドはロボティクス関連の銘柄に投資をしている投資信託です。運用を委託していることもあり、手数料体系は高くなっています。

運用成績は一見するとよいのですが、ハイテクブームに乗っているはずなのに、ハイテク関連の指数に比べて大幅にアンダーパフォームしています。

 

今までは急激に上昇してきたハイテク銘柄でしたが、金融引き締めが本番を迎える今、完全に赤信号です。

いつの時代も安定して資産を増やすことができるファンドを含めて以下で詳しくお伝えしていますので参考にしていただければと思います。

 

 

結び

金融資産2〜3億円で完全リタイアは可能か?安定した生活を送るための運用法(50歳、60歳など年代別ポートフォリオを検討)

 

長期的に資産を形成し老後の安定資産を築くために必要なことは、ただ一つです。それは、どのような市場環境であっても資産を守り「堅実なリターンを複利で積み上げる」ことです。しかし、多くの人は派手なリターンを謳う運用先に虜になり、資産を増やすどころか失ってしまうのです。しかし、この情勢は変わりません。歴史は繰り返すのです。いつの時代も「無知はコスト」です。

 

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資産運用の極意は「プラスのリターンを複利で積み重ねること」であり富裕層に到達するにはこの方法しかありません。

 

上記を実現するための投資先(ファンド)を選ぶポイントは、非常にシンプルです。以下は大枠ですが、これを外さなければ大きく失敗することもありません。

  1. 相場環境に左右されない明確で確固たる投資理論・哲学を有する
  2. 過去に成果を出し続けているファンドマネージャーによる運用

 

世の中にはあまりにも間違った情報が溢れていると日々感じていました。
そして今回、筆者の証券アナリストとしての知見や、マーケットに関する仕事に従事した経験を基に様々なファンドを分析してきました。

その結果(堅実運用の思考とおすすめと言える投資先)をまとめました。ぜひ参考にしてくださいませ。

 

 

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