日本には独立系投資信託が数多く存在しています。
当ブログでも「ひふみ投信」や「セゾン投信」をはじめとして有名どころの独立系投資信託については取り上げました。
しかし、日本にもメジャーなものだけでなく様々な独立系の投資信託が存在しています。
本日はその中の一つである株式会社ポートフォリオアが運用する「みのりの投信」についてお伝えしていきたいと思います。
➡︎ 投資信託銘柄考察シリーズ
みのりの投信とは?
ではまず「みのりの投信」がどのようなファンドなのかを紐解いていきましょう。
ファンドマネージャーは立田博司氏
投資信託において最も重要なのは誰が運用しているかということです。
「みのりの投信」は創業者の立田博司氏がファンドマネージャーとして運用を行なっています。
2001年に米経済誌『Forbes』における「20 of the world’s Best Fund Managers」のひとりに選ばれ、2007年には米投信情報サービス会社Lipperから日本中小型株部門で10年間のBest Fundを受賞するなど、国内外の債券・株式運用に長年携わった経験が国際的に高く評価されている。
参照:みのりの投信
債券と株式の運用に20年以上の経験があるということが分かりますね。経歴としては申し分なさそうです。
元々、ブラックロックジャパンで「ブラックロック日本小型株オープン」の運用経験があります。
また、更に平成20年10月から平成21年9月のわずかな期間ですが、ひふみ投信に在籍した経歴も持っています。
ひふみ投信を卒業した1年後に「みのりの投信」を立ち上げています。
経歴から考えると日本株の小型株投資の経験が豊富とみることができますね。
みのりの投信の特徴
みのりの投信が対象とするのは日本の小型株ファンドです。
時価総額の大きい銘柄だけではなく皆さんが聞いたことある銘柄だけではなく小型株もふんだんに取り入れています。
また相場が不透明感を増している時は先物の売建などを用いてヘッジする戦略をとる方針としています。
以下は最新の2022年2末時点でのポートフォリオです。
日本株を81.3%保有していますが、その内の10.1%を先物で売り建ててヘッジしています。
実質的にポートフォリオの約70%しか相場を張っていないということになります。
みのりの投信の構成銘柄
みのりの投信の構成上位銘柄は以下の通りとなります。
銘柄 | 組入比率 |
パルグループ | 5.7% |
IDOM | 5.3% |
アダストリア | 5.2% |
スタジオアリス | 4.5% |
フジシールインターナショナル | 4.4% |
スルガ銀行 | 4.2% |
アネスト岩田 | 4.2% |
クミアイ化学工業 | 3.9% |
ツムラ | 3.8% |
投資している銘柄を俯瞰すると成長企業が並んでいるわけではありません。
構成1位のパルグループや、スルガ銀行のように苦境に陥っている銘柄を狙い撃ちにしているものも多く含まれています。
非常に高い手数料水準
みのりの投信の手数料水準は非常に高いものとなっています。
購入手数料:4.4%(税込)
信託手数料:年率1.925%(税込)
アクティブ型の投資信託の中でも非常に高水準の手数料体系ということがいえそうですね。
手数料が高かったとしても成績が高ければ問題ないので、重要な成績についてこれから紐解いていきましょう。
みのりの投信は直販だけではない
「みのりの投信」は直販型の独立系投資信託ですが、通常の証券会社でも購入することができます。
以下の証券会社で取り扱いされています。
取り扱い証券会社 |
楽天証券 |
SBI証券 |
北國銀行 |
いちよし証券 |
「みのりの投信」の運用成績は?
では重要な「みのりの投信」の運用成績について紐解いていきましょう。
直近3年間不調に喘いでいる
以下は「みのりの投信」の基準価格の推移です。
運用開始した2013年から2017年まではアベノミクスの影響もあり基準価格は約2倍となりました。
しかし、その後現在まで基準価格を40%落として推移しています。
今回のコロナショックでも35%ほど暴落しており市場平均よりも停滞打撃を被っています。
日経平均やTOPIXの成績にも劣後
「みのりの投信」は日本株の投資信託ですので、TOPIXと日経平均との比較が重要となってきます。
青:みのりの投信
赤:日経平均
緑:TOPIX
「みのりの投信」は両者ともに劣後した成績となってしまっています。
また更に過去5年でみると悲惨な結果になっています。
日経平均が+50%、TOPIXで+30%のなか、「みのりの投信」は▲15%以上の損失となってしまっているのです。
他の独立系投資信託と比較
それでは他の日本株に投資している独立系の投資信託とも比較していきましょう。
青:みのりの投信
赤:ひふみ投信
緑:さわかみ投信
黄:鎌倉投信
紫:コモンズ30
数ある独立系投資信託の中でもパフォーマンスは下位にになっています。正直、運用成績は物足りないと断じざるを得ないでしょう。
当ブログでは以下独立系投資信託についてまとめていますので参考にしていただければと思います。
【2022年】個人投資家がアクセス可能な日本国内のおすすめヘッジファンドをランキング。個人投資家が投資失敗で大損しないための、富裕層が実践する哲学を理解しよう。
まとめ
「みのりの投信:はどちらかというとマイナーな独立系投資信託です。
2013年から運用していますが7年間運用を行い30%しか資産が増えていないというのは投資家が期待するリターンを満たしているとは到底いえない水準となっているでしょう。
他にも日本には投資信託という形態にこだわらず、一流のファンドマネージャーが運用するヘッジファンドという特別な選択肢もあります。
今回紹介した独立系投資信託を更に超える選択肢について、証券アナリストの筆者の目線から紹介しているので以下参考にしていただければと思います。