当ブログでは様々な投資信託を分析しています。
本日分析するのは「GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ」です。愛称はネクストウィンの名称で親しまれています。
名前にGSと記載されているとおり、ゴールドマンサックスアセットマネジメントが運用を行っています。
本日はネクストウィンについて詳しく分析していきたいと思います。
ネクストウィン(=nextWIN)の特徴とは?
では、まずネクストウィンの特徴についてみていきたいと思います。
投資対象は世界の株式!兄弟ファンドのネットウィンとの違いとは?
ネクストウィンが投資をする銘柄は世界の株式です。
主としてテクノロジーの活用または発展によって恩恵を受けて将来のリーターになると期待される企業の株式へ投資を実行するとしています。
ちなみに非常に名前が似ているネットウィンは米国の成長株に投資する投信です。
→ 【2023年】ネットウィン(netWIN GSテクノロジー株式ファンド)はどこまで上がる?今後の見通しに加え掲示板での評判や口コミを含めてチェック!
ネクストウィンには似た名前の兄弟ファンドであるネットウィンがあります。
ネットウィンは米国のテクノロジー企業を対象に投資を行います。
ネクストウィンは世界の株式なのでテーマは同じですが投資対象が異なります。
Aコース(限定為替ヘッジ)とBコース(為替ヘッジ)とは?
ネクストウィンには2つのコースが存在します。
Aコースは基準価額の米ドル相当分についての為替ヘッジを行います。他の通貨持に関しては米株と当該通貨間の為替リスクを負うことになります。
以下の通り60%程度は米株です。つまり米株と台湾ドル、香港ドル、ユーロとの為替リスクを負うことになります。
Bコースは為替ヘッジをしないパターンです。
円安が進めばリターンは向上しますし、円高が進めばリターンが下落するということになります。
現在、1ドル140円近辺まで円安が進んでいます。
今後は米国の景気後退が進むにつれて米金利の下落を伴って円高に進みリスクの方が高くなっています。
筆者としては限定ヘッジバージョンの方をおすすめしたいと思います。
ネクストウィンの構成上位銘柄
最新の2022年12月末時点の構成上位銘柄は以下となります。
2022年12月末 | 2022年9月末 | 2022年6月末 | |
1 | キンディーインターナショナル | パロアルネットワークス | パロアルネットワークス |
2 | KLAコーポレーション | ケイデンス | キンディーインターナショナル |
3 | モトローラ・ソリューションズ | オンセミコンダクター | ケイデンス |
4 | ケイデンス・デザイン・システムズ | モトローラ・ソリューションズ | オンセミコンダクター |
5 | ハブスポット | KLAコーポレーション | SBAコミュニケーション |
6 | ユナイテッドマイクロエレクトロニクス | SBAコミュニケーション | KLAコーポレーション |
7 | メルカドリブレ | ビアビソリューションズ | フィデリティ・ナショナル・インフォメーション |
8 | ダイナトレース | ハブスポット | マーベル・テクノロジー |
9 | ヴィーナステックグループ | マーベル・テクノロジー | シラジー |
10 | インフォ二オンテクノロジーズ | アトラシアン | モトローラ・ソリューションズ |
ある程度同じ銘柄となっているということから長期投資をしていることが分かりますね。
それぞれの銘柄の詳細は以下となります。中国と米国のテクノロジー企業がほとんどをしめていますね。
銘柄名 | 国 | 比率 | 事業内容 |
キンディー・インターナショナル | 中国 | 3.4% | ソフトウェアメーカー。子会社を通じて企業の統合管理ソフトウェア、電子取引アプリケーション、ミドルウェアの開発、販売を手がける。 |
KLAコーポレーション | 米国 | 2.5% | 半導体製造装置メーカー。主な製品は、表面プロファイラー、ナノ機械試験機。 |
モトローラ・ソリューションズ | 米国 | 2.3% | 総合電子通信機器メーカー。データのキャプチャー、無線、インフラストラクチャ、バーコード・スキャン、双方向ラジオ、無線ブロードバンドネットワークを開発する。 |
ケイデンス | 米国 | 3.2% | ソフトウェアメーカー。ソフトウェア関連の技術、設計・コンサルティングサービスおよびその他技術の提供に従事している。 |
ハブスポット | 米国 | 2.5% | クラウドベースの顧客管理プラットフォームを提供。 |
ユナイテッドマイクロエレクトロニクス | 台湾 | 2.5% | ICおよび関連戦士製品の受託製造会社 |
メルカドリブレ | ブラジル | 2.2% | オンライン取引会社。南米市場向けオンライン取引ウェブサイトを運営。 |
ダイナトレース | 米国 | 2.2% | 持ち株会社。子会社を通じて、エンタープラズクラウド向けのソフトウェア・インテリジェンス・プラットフォームを開発する。 |
ヴィーナステックグループ | 中国 | 2.2% | 情報セキュリティ製品メーカー。各種情報セキュリティ・サービスおよびソリューションを提供 |
インフォ二オンテクノロジーズ | ドイツ | 2.1% | 半導体メーカー。半導体の設計、製造、販売に従事。 |
手数料
手数料体系は以下となります。
購入手数料:3.3%
信託手数料:年率1.7875%
ネクストウィンの運用実績(=リターン)
では肝心の運用実績についてみていきたいと思います。
1-3月期 | 4-6月期 | 7-9月期 | 10-12月期 | 1-12月期 | |
---|---|---|---|---|---|
2022年 | -16.88% | -26.61% | -11.13% | -2.63% | -47.22% |
2021年 | -1.34% | 12.80% | 0.85% | 1.20% | 13.59% |
2020年 | -- | 39.99% | 13.06% | 22.55% | -- |
ネットウィンと同様、2021年後半から下落に転じていますね。
では、様々な指数と比較して高いリターンを実現しているかを確認していきたいと思います。
ネクストウィンは各指数に対してアクティブリターンを取れている?
ネクストウィンはインデックスに対してプラスのリターンを狙うアクティブファンドです。
→ アクティブ型とパッシブ型(=インデックス型)の投資信託の違いとは?どちらのファンドがおすすめか徹底比較。現実を知っていれば大損地獄も回避可能
そのため、重要なのはネクストウィンがインデックスに対してプラスのリターンをだせているかどうかという点になります。
今回はネクストウィンと、全世界株式インデックスとハイテク株中心のナスダックと米国の平均指数であるS&P500指数と比べていきたいと思います。
青:ネクストウィン
赤:S&P500指数 (円建)
緑:全世界株式 (円建)
残念ながら米国にも全世界株式のインデックスに対して劣後した成績となっています。
特に全世界の平均である全世界株式インデックスに対しても負けているのはアクティブファンドとしては厳しいですね。
掲示板での口コミや評判は?
では口コミや評判について見ていきましょう。
成績が悪いからなのか、なかなか口コミも出てこなかったのですが少ないながら以下を掲載しておきます。
Yahoo掲示板
アクティブファウンドばっかりで草 GSフューチャーとか管理費用2%ぞ。高すぎだろ。 米金融引き締めに警戒感:日本経済新聞
Yahoo掲示板
見切り付けてよかった。
金融引き締めとリセッションで今後の見通しも厳しい
重要なのは今後の見通しかと思います。
ネクストウィンが沈んでいる原因はマクロ要因によるものです。
現在、パンデミック対策で世界中でお金をばらまいた結果強めのインフレが発生しています。
特に米国では40年ぶりのインフレが発生して国民生活を苦しめています。欧州でも7%のインフレが発生しています。
中央銀行の至上命題は雇用の最大化とインフレを適温の2%におさえることなので、積極的な金融引き締めを行っています。
2023年になってもインフレは依然として猛威を振るっています。
一時期よりは下落していますが中国のリオープンやウクライナ戦線の膠着により再度上昇の兆しをみせています。
金融引き締めは長い道のりとなることが確定的な状況となっています。
アベノミクスを思い返していただければ分かりますが、金融緩和は株価によってプラスですが金融引き締めは全く逆です。
2020年から2021年は金融緩和と社会変革によるデジタル化の加速でハイテク株の株価は上昇していきました。
しかし、現在は金融緩和で成長率も減速しているので巻き戻しが発生しているのです。
今まで当ブログで紹介してる以下のファンドと同じですね。
必要なモノ
このようにテーマ型の投信は伸びる時は勢いよく伸びますが、一度逆風が吹くと株価は暴落していきます。
どのような環境でもリターンを積み上げていけるファンドを筆者としてはおすすめしたいです。
どのような環境でもリターンをあげることができるファンドを以下でまとめていますので参考にしていただければと思います。
【最新版】管理人が考える日本のおすすめヘッジファンドランキング!(投資信託・ETFを含む)個人投資家が投資失敗で大損しないための、富裕層が実践する哲学を理解しよう。
まとめ
今回のポイントを纏めると以下となります。
ポイント
- 世界のハイテク企業に投資
- 2021年以降の株価は下落基調
- 為替ヘッジは今後はした方がよい
- 今後も見通しは明るいわけではない