危険?個人向け社債で評判の楽天ドル建債と楽天カードマン債の実態とは?おすすめできるのかを利率などから総合的に評価

債券投資

危険?評判の楽天モバイル債と楽天カードマン債はリスクが高く買うべきか?倒産のリスク等のデメリットを含めて徹底評価!

2022年11月29日

最近、ソフトバンクや楽天の社債が非常に話題となっており、筆者自身も興味深く拝見させていただいています。

【ブログ更新】毎回売り切れで評判のソフトバンクグループの社債(劣後債)は危険!?投資して大丈夫?個人向け社債の知られざるリスクについてわかりやすく解説!

 

潰れるはずがないであろう大企業にお金を貸し付けることで高い利回りが得られるのであれば、魅力的ですよね。

しかし、本当にその企業は「返済可能」なのでしょうか?本当に倒産しないのでしょうか?

 

煽るつもりはないのですが、リーマン・ブラザーズが倒産するなんて誰にも想像できませんでした。

日本航空、そごう、ライフ、日本リース、日本振興銀行、協栄生命保険、山一證券など、まさに国民が倒産するとは想像できなかった倒産劇でした。

 

社会は凄まじいスピードで進んでおり、歪みが生じ、時代に取り残されてしまう企業は山ほどいます。

どのような企業であれば信じられるのかというと、やはり利益を大きくあげている企業ですよね。

 

楽天は社債を昨年から今年にかけて頻繁に発行していますが事業は好調なのでしょうか?

倒産する可能性はないのでしょうか?

楽天が発行している社債の詳細とともに論じていきたいと思います。

 

楽天が発行している社債は3つ

2種類あります。楽天グループが発行している楽天ドル建て債、そして楽天カード株式会社が発行している楽天カードマン債です。

それぞれしっかり見ていきたいと思います。

 

楽天ドル建て債とは?

日経新聞でも報じられていましたが、12%の高利回りです。

 

楽天Gは5億ドル(約700億円)の2年物無担保優先債のマーケティングを進めている。

楽天Gがドル建て2年債発行へ、約700億円-モバイル部門てこ入れ

楽天グループが30日に発行するドル建て社債の利回りは10%超と、2019年に起債したドル建て債(3%台)を大きく上回る。携帯事業の基地局整備などに投じた費用は総額1兆円を超え、今後も投資が必要ななか、資金の調達先を多様化する狙いなどがあるようだ。利払いを増やしてでも必要資金を確保する姿勢には「携帯市場の民主化」完遂に挑む楽天Gの覚悟がにじむ。

楽天G、覚悟の「12%」 ドル建て債高利回り

 

S&Pは2022年12月16日にBB+からBに格付けが引き下げられています。これは投機的な水準でかなりリスクが高い状況です。

いわゆるジャンク債です。

 

投資適格 AAA
AA
A
BBB
BBB-
投機的水準 BB+(今回の楽天Gの社債)
BB
B
CCC
CC
C

 

投機的水準とはどのようなことかというと、金融機関では以下のような定義になっています。

信用リスクが高く、機関投資家の投資基準を満たしていない格付けのこと。一般的には、格付け会社から付与されるダブルB格(S&P、フィッチ、JCR、R&IならBB、ムーディーズならBa)以下の格付けを指します。「投資不適格」と呼ぶ場合もあります。このような格付けが付与された債券を、「ジャンク債」「ジャンクボンド」「ハイ・イールド・ボンド」「ハイイールド債」「高利回り債」などといいます。

投機的格付け(とうきてきかくづけ)

 

「ジャンク債」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。

機関投資家の投資基準を満たしていない格付けということで、楽天グループは機関からお金を借りたいが借りれないので、個人投資家にリスクを背負わせて調達がしたいということですよね。

 

確かに利回りが10%以上の社債でしたら、精査せずに飛びつく投資家はいくらでもいるかもしれないです。

筆者であれば、見向きもしない社債です。あり得ないです。

 

2023年1月発表!日本の個人投資家に向けた楽天モバイル債(年率3.3%)

モバイル事業の資金繰りが厳しいのか2022年6月につづいて2回目の楽天モバイル債の発行が2023年1月6日に発表されました。

2022年6月に1500億円、2022年11月の500億ドルの米ドル建債につづいて3度目の発行となります。

 

楽天グループが個人投資家向けに2500億円の社債を発行する準備をしていることが6日、わかった。楽天Gの個人向け社債の一度の発行額としては最大となる。27日に条件決定する予定で、2年債で利率は2~4%の範囲内としている。

同日、関東財務局に訂正発行登録書を提出した。申込期間は1月30日~2月9日、払込期日は2月10日。償還期限は2025年2月10日までの2年債となる。日本格付研究所(JCR)からシングルAの格付けを27日に取得する予定だ。

愛称は「楽天モバイル債」となる。調達した資金について同社は「携帯電話事業の運転資金などに充てる」としている。

 

発表された時は利率は未定でしたが2023年1月27日に年率3.3%(税引前)と発表されました。

 

楽天モバイル債の利率

 

ドル建債は世界的な格付け会社であるS&Pグローバルによってジャンク債と判定されているので高利回りを謳うしか海外投資家からの資金は集まりませんでした。

 

しかし、日本では日本格付研究所(JCR)という世界的にはマイナーな日本ローカルの格付会社からシングルAの格付けを受ける見込みです。

日本格付研究所の格付けの序列は以下です。

日本格付研究所の格付けの序列

 

日本格付研究所によると債務履行の確実性は高いとなっています。しかし、S&Pグローバルと日本格付研究所も両方とも評価しているのは同一法人の楽天グループです。

どちらの方が信頼できる評価かといえば間違いなく世界的な格付け会社であるS&Pグローバルです。実際、筆者も追って財務諸表を確認していますがS&Pグローバルが正しいと思います。

かなり自転車創業的な状況となっておりA格付けを与えるのは色々と勘ぐってしまいます。

 

海外では10%以上の利息を付与しないと資金が集まらないので、日本で高い格付けを見せかけだけでも取得して低い利息で社債を発行して資金調達をするという下心がみてとれますね。

デフォルトした場合は元本が全額毀損するリスクを負いながら僅か2%-4%の利息しか期待できないのは正直割に合いませんよね。

以下は安全性が高く10%程度のリターンを狙う投資先について紹介していますのでご覧いただければと思います。

 

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楽天カードマン債

楽天カードマン債利回り

 

楽天カード株式会社が楽天カードマン債を発行しています。

募集要項は以下となっています。

 

正式名称 楽天カード株式会社 第9回無担保社債(社債間限定同順位特約付)
愛称 楽天カードマン債
期間 5年
格付け A-(R&I)、A(JCR)
当社販売期間 2022年12月5日(月)0:00~2022年12月15日(木)14:30
利率(年率) 12月2日(金)条件決定予定
利払日 毎年6月16日および12月16日(年2回)【初回利払日:2023年6月16日】
発行日(受渡日) 2022年12月16日(金)
償還日 2027年12月16日(木)
発行価格 額面100円につき100円
買付単位 10万円以上、10万円単位

 

如何に楽天グループのドル建て社債利回りが異常であるかがわかります。

無担保債とはどんなものかは以下の通りです。

 

無担保債とは、元利金の支払いや償還のための担保を付けていない債券のことです。国債、地方債、金融債がこれに該当します。CB、一般事業債については、発行基準を満たす会社について、無担保債の発行がなされます。

無担保債

 

単純に担保なしということですね。金を貸して返ってこなかった場合、代わりに差し出されるものもないということです。

先ほどと被りますが格付投資情報センター(R&I)と日本格付研究所(JCR)の楽天カードマン債に対する評価はそれぞれ長期でAー、Aとなっています。

R&I

AAA 信用力は最も高く、多くの優れた要素がある。
AA 信用力は極めて高く、優れた要素がある。
A 信用力は高く、部分的に優れた要素がある。
BBB 信用力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。
BB 信用力は当面問題ないが、将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある。
B 信用力に問題があり、絶えず注意すべき要素がある。
CCC 債務不履行に陥っているか、またはその懸念が強い。債務不履行に陥った債権は回収が十分には見込めない可能性がある。
CC 債務不履行に陥っているか、またはその懸念が極めて強い。債務不履行に陥った債権は回収がある程度しか見込めない。
C 債務不履行に陥っており、債権の回収もほとんど見込めない。

JCR

AAA 債務履行の確実性が最も高い。
AA 債務履行の確実性は非常に高い。
A 債務履行の確実性は高い。
BBB 債務履行の確実性は認められるが、上位等級に比べて、将来債務履行の確実性が低下する可能性 がある。
BB 債務履行に当面問題はないが、将来まで確実であるとは言えない。
B 債務履行の確実性に乏しく、懸念される要素がある。
CCC 現在においても不安な要素があり、債務不履行に陥る危険性がある。
CC 債務不履行に陥る危険性が高い。
C 債務不履行に陥る危険性が極めて高い。
D 債務不履行に陥っていると JCR が判断している。

 

格付投資情報センター(R&I)と日本格付研究所(JCR)の評価はそれぞれ短期でa-1、J-1となっています。

 

R&I

a-1 短期債務履行の確実性は高い。
a-2 短期債務履行の確実性は高いが、上位の格付に比べると、注意すべき要素がある。
a-3 短期債務履行の確実性は当面問題ないが、環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。
b 短期債務履行の確実性はa格と同等ではなく、注意すべき要素がある。
c 最低位の格付で、債務不履行に陥っているか、またはその懸念が極めて強い。

JCR

J-1 短期債務履行の確実性が最も高い。「J-1」の中でも特に短期債務履行の確実性の高いものについ ては「J-1+」で表す。
 J-2 短期債務履行の確実性は高いが、J-1 より若干劣る。
 J-3 短期債務履行の確実性は認められるが、環境の悪化による影響を被りやすい。
 NJ 上位等級より、短期債務履行の確実性が劣る。
 D 債務不履行に陥っていると JCR が判断している。

 

利率は低いですが、楽天カードマン債の信用リスクは非常に低いですね。利回りはまだ確定ではありませんが1.20%〜1.80%となっています。

 

楽天カードマン債利回り

 

昨年の決算ではありますが、楽天カード株式会社は黒字経営となっています。

非上場なので情報は限られていますが、格付け機関が決算書に基づきA評価をつけているので、信憑性は高いと言えるでしょう。

損 益 計 算 書

 

楽天グループの社債は買うに値する?決算から紐解く

楽天グループの社債の格付けはBと酷いことになっておりジャンク債となっていますが、実際に楽天Gの財務諸表について見ていきたいと思います。

大赤字を垂れ流しているPL(損益計算書)

直近の業績は以下です。楽天モバイルの赤字が垂れ流され続けており、2022年12月末決算では3000億円の巨額赤字が形状される見通しとなってます。

 

楽天グループの業績

売上高 営業利益 純利益
2007/12 213,938 2,376 36,898
2008/12 249,883 44,531 -54,977
2009/12 298,252 54,890 53,564
2010/12 346,144 62,301 34,956
2011/12 379,900 68,822 -1,139
2012/12 I 400,444 49,106 20,489
2013/12 I 518,568 88,610 42,900
2014/12 I 598,565 104,245 70,614
2015/12 I 713,555 91,987 44,436
2016/12 I 781,916 73,923 37,995
2017/12 I 944,474 138,082 110,585
2018/12 I 1,101,480 165,423 142,282
2019/12 I 1,263,932 -44,558 -31,888
2020/12 I 1,455,538 -151,016 -114,199
2021/12 I 1,681,757 -212,630 -133,828
2022/12 予想 1,892,272 -350,162 -307,969

 

業績がわるいのはわかりましたが、重要なのはバランスシートとキャッシュフロー計算書です。

これについても見ていきましょう。

 

キャッシュ・フロー計算書から巨額の営業CF流出があるのが読み取れる

直近の楽天グループの営業CFは以下となっています。

最新の決算は2022年1月から9月末までの3四半期分となります。

 

営業CF 🔺4,474億円
投資CF 🔺8,333億円
財務CF 1兆4178億円

 

つまり、営業活動で9ヶ月間で4500億円のキャッシュの流出がありながら、投資を8300億円も行なっていることになります。

この巨額のキャッシュアウトを銀行からの借り入れや社債で賄っているという自転車操業状態であることがわかりますね。

全く健全ではないことがわかります。では現在のバランスシートはどうなっているのでしょうか?

 

バランスシートは負債比率が高い状態で現況が継続すると厳しい

楽天が決算補足資料でまとめた現在のバランスシートの概要は以下となります。

楽天グループのバランスシート

 

上記の図をまとめると以下となります。

総資産 19兆7450億円(うち現金4517億円)
総負債 18兆7340億円(うち銀行預金7兆9560億円)
純資産 1兆110億円

楽天銀行の預金は見合いで現金ならびに有価証券が存在しますので、この分を相殺すると以下となります。

総資産 11兆7890億円(うち現金4517億円)
総負債 10兆 7780億円
純資産 1兆110億円

現在保有する現金も1年分の営業CFの赤字を賄う分しかありません。

また、純資産が総資産のわずか8.5%しかなく非常に不健全な状態です。新たな資金調達がないと2年程度で債務超過に陥ります。

あらたに借り入れや社債調達を行うと利息が発生するので当然収益を圧迫していきます。

 

更に事業再建の見通しが難しいとなると銀行が貸し剝がしをしてきます。

今まで貸してきたお金の回収に動く局面となったら楽天グループは倒産してしまうので銀行に見放されないかが鍵という状況ですね。

 

まとめ

楽天カードマン債は信用できますが、楽天グループドル建て社債や楽天モバイル債はどうかと思います。

楽天グループの業績は悪化の一途をたどっており、このままいくと倒産するリスクがないとはいえない状況になってきています。

実際、格付け機関も投機的な水準として位置付けています。

 

楽天モバイル債に関しては元本毀損のリスクがあるのに僅か2%-4%のリターンしか見込めずわりに合わないですよね。

もっと安全性がたかく高い投資先を選ぶのが賢明といえるでしょう。

結び

金融資産2〜3億円で完全リタイアは可能か?安定した生活を送るための運用法(50歳、60歳など年代別ポートフォリオを検討)

 

長期的に資産を形成し老後の安定資産を築くために必要なことは、ただ一つです。それは、どのような市場環境であっても資産を守り「堅実なリターンを複利で積み上げる」ことです。しかし、多くの人は派手なリターンを謳う運用先に虜になり、資産を増やすどころか失ってしまうのです。しかし、この情勢は変わりません。歴史は繰り返すのです。いつの時代も「無知はコスト」です。

 

depression

 

資産運用の極意は「プラスのリターンを複利で積み重ねること」であり富裕層に到達するにはこの方法しかありません。

 

上記を実現するための投資先(ファンド)を選ぶポイントは、非常にシンプルです。以下は大枠ですが、これを外さなければ大きく失敗することもありません。

  1. 相場環境に左右されない明確で確固たる投資理論・哲学を有する
  2. 過去に成果を出し続けているファンドマネージャーによる運用

 

世の中にはあまりにも間違った情報が溢れていると日々感じていました。
そして今回、筆者の証券アナリストとしての知見や、マーケットに関する仕事に従事した経験を基に様々なファンドを分析してきました。

その結果(堅実運用の思考とおすすめと言える投資先)をまとめました。ぜひ参考にしてくださいませ。

 

 

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