セゾン投信は「ひふみ投信」と並んで有名な独立系の投資信託です。
やめたほうがいい?やばい?不調にあえぐ「ひふみ投信」「ひふみプラス」の時代は終わった?まだ上がる?運用実績がひどくて今後の見通しも危ないという評判がたっている理由を分析して評価する!
セゾン投信は「セゾン資産形成の達人ファンド」と「セゾンバンガードグローバルバランスファンド」の2つのファンドを運用しています。
今回は旗艦ファンドともいえる運用歴も長い「セゾン資産形成の達人ファンド」について以下の点を踏まえて紐解いていきたいと思います。
✔︎ セゾン資産形成の達人ファンドの特徴
✔︎ 今までの運用実績
✔︎ 重要な今後の見通し
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長期で資産を大きく成長させるために必要なこと、それは「毎年プラスの運用リターンを出す」ことです。 言い方を変えると「毎年絶対に運用でマイナスを出さない」ということです。欧米のプロ投資家が口を揃えていう ...
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セゾン資産形成の達人ファンドの特徴とは?
まずセゾン資産形成の達人ファンドの特徴をみていきたいと思います。
世界の株式に国際分散投資!
セゾン資産形成の達人ファンドが投資をするのは株式です。
また地域としては新興国を含めた全世界を投資対象としています。
最新の2023年5末時点でのポートフォリオ構成を全世界の時価総額に応じて投資するインデックスMSCI All Country world Indexと比較したものが以下となります。
全世界の平均に対して米国の比率を小さくして、日本、インド、欧州の比率を上昇させています。中国の比率も高めていますね。
All country | 達人ファンド | |||
2023年5月末時点 | 2022年12月末時点 | 2022年10月末時点 | ||
アメリカ | 61.60% | 41.50% | 42.80% | 44.00% |
日本 | 5.30% | 12.80% | 13.10% | 12.70% |
フランス | 2.90% | 6.10% | 5.90% | 6.10% |
中国 | 3.30% | 5.10% | 4.80% | 3.70% |
オランダ | 1.10% | 4.20% | 3.50% | 3.90% |
インド | 1.60% | 4.00% | 4.50% | 5.20% |
スイス | 2.50% | 3.80% | 3.60% | 3.60% |
デンマーク | 0.70% | 3.20% | 3.00% | 2.00% |
アイルランド | 0.10% | 2.80% | 2.90% | 3.60% |
イギリス | 3.80% | 2.70% | 2.90% | 2.90% |
韓国 | 1.30% | 1.70% | 1.40% | 2.30% |
ドイツ | 2.00% | 1.60% | 0.90% | 1.30% |
台湾 | 1.60% | 1.50% | 1.50% | 1.40% |
スペイン | 0.60% | 1.40% | 1.20% | 1.40% |
インドネシア | 0.20% | 1.40% | 1.10% | 0.90% |
イタリア | - | 1.00% | - | - |
シンガポール | - | 0.90% | - | - |
その他 | 11.40% | - | 6.90% | 6.50% |
地域別にみると北米が4x3%と小さく、その代わりに日本と欧州といった他の先進国を多く組み入れているという構成になっています。
米国も比率が小さいとはいえ、半分近くは米国という点に覇権国の偉大さを感じますね。
構成比率 | |||
2023年5月末時点 | 2022年12月末時点 | 2022年10月末時点 | |
北米 | 41.70% | 42.90% | 44.50% |
欧州 | 27.90% | 26.20% | 24.40% |
日本 | 12.90% | 13.20% | 13.00% |
太平洋 | 2.20% | 2.50% | 2.40% |
新興国 | 15.30% | 15.20% | 15.70% |
追って見通しの欄でお伝えしますが、米国と欧州の株式市場は今後厳しい局面が期待されます。
妥当な投資構成であるといえるでしょう。
アクティブファンドに分散投資をするファンド・オブ・ファンズ形式で運用
では、どのようにセゾン資産形成の達人ファンドは世界の株式に分散投資しているのでしょうか?
普通に考えれば世界の株式に分散投資ということになりますが、それでは何千銘柄も購入しなければいけません。
そこで、セゾン資産形成の達人ファンドは「ファンド・オブ・ファンズ」という形式で投資をおこなっています。
名前の通り投資信託に分散投資をする投資信託ということです。
そして、投資をするのはインデックスに連動するファンドではなく、アクティブリターンを狙うファンドということになります。
セゾン資産形成の達人ファンドは以下の通り、9個のアクティブファンドに分散投資を行っています。
ファンド名称 | 比率 |
コムジェスト・ヨーロッパ・ファンド80 | 27.0% |
コムジェスト・エマージングマーケッツ・ファンド90 | 4.5% |
スパークス・集中投資・日本株ファンドS | 3.0% |
スパークス・長期厳選・日本株ファンド | 4.5% |
コムジェスト日本株式ファンド | 4.3% |
バンガード米国オポチュニティファンド | 21.5% |
アライアンス・バーンスタインSICAW USエクイティポートフォリオ |
9.5% |
BBHルクセンブルグ | 9.8% |
FSSAアジア・フォーカス・ファンド | 10.7% |
ファントベル・ファンド・エマージングマーケット | 3.6% |
短期金融資産等 | 1.6% |
黄色のファンドは機関投資家しか投資することができないファンドとなっています。
そのため、個人投資家には組成することができないポートフォリオということになります。
手数料形態
手数料は購入手数料はゼロですが、信託手数料は1.34%±0.2%程度と曖昧な表記になっています。
これはセゾン資産形成の達人ファンドの信託手数料だけでなく、投資しているファンドに発生する手数料が存在するからです。
これが、ファンドオブファンズの弱点ですね。二重で手数料がかかってきてしまうのです。
以下は投資をしているファンドに発生する信託手数料です。
セゾン資産形成の達人ファンドの運用実績
では肝心の運用成績に移っていきましょう。以下はセゾン資産形成の達人ファンドの設定来の成績です。
全世界の平均であるMSCI All Country world Indexに連動するeMAXIS全世界株式インデックスとの比較は以下となります。
青:セゾン資産形成の達人ファンド
赤:eMAXIS全世界株式インデックス
最近まで全世界株式と同じリターンでしたが、直近の下落は大きく全世界株式に劣後したものとなっています。
動き方としては殆ど同じですね。全世界の株式が上昇するときには基準価格が上昇し、反対に下落するときには基準価格が下落しています。
今後の見通しは危ない!?セゾン投信をやめた方がよい理由とは?
投資をする上で重要なのは今までではなくこれからです。
今後の見通しが重要となってきます。先ほどお伝えした通り、セゾン資産形成の達人ファンドは全世界株式と殆ど同じ動きをしています。
つまり、世界の今後の株式の見通しが重要になってきます。
まず、2023年6月時点の認識として以下が挙げられます。
ポイント
- 米国の紙幣バラマキとサプライチェーン問題で世界的にインフレが起こり粘着している
- 米国や欧州での金融引き締めはいつまで、どの程度行われるか不透明
- 更にウクライナ問題が長期化する恐れがあり穀物や原油の上昇圧力が高まっている
- さらにリオープンした中国によるインフレ率の再燃が懸念されている
- 2023年6月時点の雇用統計結果も異次元の強さを見せインフレも収まらない
インフレが発生し、更に金融引き締めとなる局面では世界の株式市場は軟調に推移することが見込まれます。現在はAIブームで一時的にハイテク大型株の上昇により指数が上昇していますが、一時的なものであると考えられます。理由は一部銘柄の上昇しかしておらず、本腰の株式市場の上昇になっていないからです。
このような時は非常に相場環境のリスクは高いのです。
更にセゾン資産形成の達人ファンドは直近、全世界株よりも脆い値動きとなっています。
株式市場が下向きで脆弱な局面でのセゾン資産形成の達人ファンドへの投資は危険度が高いと筆者は考えています。
2023年6月現在、まだまだインフレ率は4.9%以上となっており目標とする2%まで距離があります。インフレは粘着を始めており長期的な傾向となる様相を呈しています。
FRBの議長であるパウエル氏はインフレを撲滅するまで金融引き締めの手を緩める気はないという決意を表明しています。今後も相当長い期間、株価指数は厳しい推移をたどることが想定されています。
因みに現在と同じインフレが発生していた1970年代の株価の動きは以下となっています。
殆ど横ばいですし、場合によっては半値になるという事態もありました。

1970年代のSP500
指数と同様の動きをするセゾン投信も機会損失なので正直いっておすすめしません。
市場環境に影響を受けずに資産運用を行おう!
やはり長期的に資産を形成していくにあたって、短期的に値動きを忘れるのが良いと言われても気になってしまうのが人間の性です。
というか、暴落して確実に戻る保証もありません。狼少年のように本当に世界恐慌の時のように長年株価が戻らない時もあります。
そこで筆者は株価指数の影響を極力うけずにできる限り右肩上がりが望めるヘッジファンドという資産に投資を行っています。
ヘッジファンドは如何なる環境であってもリターンを狙うことを至上目的としているファンドです。
そのため、ポートフォリオの安定性の強化につながるので保険機関や大学の基金などの運用に積極的に用いられています。
以下はハーバード大学のポートフォリオですが、ヘッジファンドが最大のポジションとなっています。
ヘッジファンドは以下の成績をご覧いただければわかるとおり、
全世界株が下落する局面で上昇したり損失を抑制しながら順調に右肩あがりに資産を増やしています。
また、リターン自体も全世界株よりも年率で2倍以上と高いリターンをだしています。
日本から投資できるヘッジファンドについては筆者が実際投資しているファンドを含めて以下で纏めていますのでご覧ください。
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掲示板やTwitterや5chでの評判や口コミ
それでは実際のセゾン資産形成の達人ファンドの評判について取り上げていきたいと思います。
リターンの不満と結局インデックスでいいじゃないかという口コミが見られます。
Yahoo financeの掲示板①
資産形成の初心者の頃、郵便局でこれを勧められた。
アクティブとインデックスの違いすらわからなかったけど、販売する側は売りたかったんだろう
手数料も安いし確実に貯まりますよって言われた。
面倒だからしなかったが、これくらいのリターンならしないで正解だった
Yahoo financeの掲示板②
10年単位で見てもインデックスに勝てるかどうかだから、あれこれ考えずに素直にインデックスにしておいた方が無難
Yahoo financeの掲示板③
名前や顔を出してるだけで良心的と言えますね。
そうなんですけどアクティブファンドに求めるところは、リターンよりも保全ですね。
米株インデックスよりもリターンは少なくとも下落は抑えてほしい。
そうなれば利用価値はあるのですが・・・
現状このファンドはNISAで投資してますが、新NISAでも選択するかと言うと自分的には微妙です。
【記事更新】 セゾン資産形成の達人ファンドは14年間生き残れたアクティブファンドですが、近年のパフォーマンスは楽天全世界株式、オール・カントリーと互角です。 アクティブファンドがインデックスに勝ち続けるのは難しいです。
5ch
そう、人まかせ投信ともいいます。セゾンが株式を選んで買っているわけじゃないのね。
ファンドと個人をつなぐ仲介業者ですかね。
5ch
2年達人積み立ててきたけど年内でストップ
こういうのをボッタクリ投信っていうんだろな
まとめ
今回のポイントをまとめると以下となります。
✔︎ 達人ファンドは全世界の株式に分散投資
✔︎ 米国株の比率は全世界インデックスより少なく日本やインドが多くなっている
✔︎ ファンド・オブ・ファンズ形式で運用
✔︎ リターンは全世界株式と同様
✔︎ 全世界の株式は2022年以降、2023年も軟調な推移が想定される
✔︎ 世界株式に連動せず高いリターンをだすヘッジファンドという選択肢も検討してみよう!
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