筆者は現在は会社を辞めて独立していますが、10年近くはサラリーマンを行なっていました。
当時は独身であり、なおかつ駐在も経験したということもあり、3000万円以上の資産を形成することが出来ました。
せっかく資産が増えたならということで自分で投資を行った経験もあるのですが、500万円ほどの大金を失う結果となり非常に悔しい思いをしました。
また、毎日資産の変動が気になりすぎて仕事にも支障が生じていました。完全に負の連鎖ですね。
今となってはよい勉強代と思えるようになりましたが、失敗はしないにこしたことはありません。
今回は筆者や周りの同僚の経験を元にサラリーマンが投資をする際に気をつけるべきことを纏めていきたいと思います。
サラリーマンが失敗しがちな投資とは?
まず代表的な失敗しがちな投資についてお伝えしていきたいと思います。中には投資というものではなく、投機というレベルのものも存在しています。
FXを甘くみてはいけない
まず、誰もが聞いたことのある手法としてFXがあるかと思います。
FXは自分の選んだ為替ペアが上昇するか下落するかを予想してポジションを取るゲームです。
あえてゲームという表現をしました。なぜなら、勝者と同数の敗者が存在するゼロサムゲームだからです。
つまり、ブラックジャックやポーカーと本質的には同レベルのものであり投資といえる代物ではないからです。
FXは仕組みが簡単なことから日本人に非常に人気があります。
手軽にできる投資であると安易に考えて手を出した結果、多くの資産を失った同僚や友人を数多く見てきました。
FXで勝っている人の割合はわずか23.6%しかいないという調査結果がでています
為替レートというのは様々な要因で動きます、インフレ率、金利、株価、経常収支など様々な要因によって決定されます。
プロでもないサラリーマンが予測してポジションをとってもカモになるだけなのです。
特に資金にレバレッジをかけて運用できるので簡単に資産を失う結果を招いてしまいます。
しっかりとチャートの分析をして損切りなどを設定して資金管理を行いながら堅実に運用を行っていく必要があるのです。
軽い気持ちでFXに挑むのは危険であると肝に命じておきましょう。
ワンルームマンション投資は不動産会社にカモにされている
業務を行なっている時に電話がかかってきてワンルームマンションの営業をされた経験はないでしょうか?
筆者も何度も電話がくるので検討するために話を聞きにいったことがあります。
すると衝撃的な内容でした。なんと新築のワンルームマンション投資だとキャッシュフローがマイナスだというのです。
ただ、減価償却費を給与から引くことができるので節税ができるという理論で営業をしてきたのです。
しかし、冷静に考えてください。キャッシュフローがマイナスということは単純に投資として成立していません。
しかも殆どの方は面倒な確定申告をしないと思います。確定申告を税理士に委託をすれば、そこでも費用が発生してしまいます。
全く旨味があるとはいえないでしょう。
中古のワンルームマンション投資であればかろうじてキャッシュフローはでますが表面利回りで4%-5%程度です。
そこから、管理費、修繕積立金、管理代行手数料などの諸々の経費を差し引くと殆ど利回りはでません。更に空室リスクや滞納リスクも存在します。
正直いって多大なリスクをとって、敢えて中古ワンルーム投資をするのはおすすめできません。
個別株投資も勉強が必要
古今東西、最も魅力的な投資先は株式です。株式は長期的に他のアセットを上回りリターンを出し続けています。
株式に投資をするというのは非常に筋がいいのですが、全員が儲かるわけではありません。
勉強せずに安易に投資を行うと大きく資産を失う可能性があります。株式は大型株であっても簡単に2倍にもなりますし、半分にもなります。
例えば、JALとして知られる日本航空の株価はコロナを機に半額となっています。
しっかりと経済状況や決算を見極めた上で利益の確定や損切りを行わないと甚大な資産の低下を招くことになるのです。
最初は少額で行い、勉強の末に確信が持てたら徐々に投資額を増やしていくという慎重な姿勢を堅持する必要があります。
サラリーマンにおすすめの投資先2選
自分で投資する自信と経験と知識があれば個別株投資を行うのもよいでしょう。
しかし、本業が忙しく投資に割ける時間もすくなく、株価の変動に右往左往されたくないという方も多くいらっしゃると思います。
ということで、以下では本題でもある投資初心者のサラリーマンにもオススメできる投資先をお伝えしていきたいと思います。
全世界または全米の株式を対象としたインデックスへの投資
2020年からの相場で堅調な推移を見せたことで、日本人の中でもインデックス投資の人気が強まっています。
→ アクティブ型とパッシブ型(=インデックス型)の投資信託の違いとは?どちらのファンドがおすすめか徹底比較!
インデックス投資とはS&P500指数や全世界株式に連動する投資信託やETFに投資をする投資手法のことを指します。
インデックス投資を長期的に行えば全世界株で5%程度、米国株で7%-10%程度の平均リターンを獲得することができます。
しかし、毎年淡々と資産が増えていくわけれはありません。
皆さんが想像しているインデックス投資というのは下の図の上段かと思います。
しかし、実際はインデックスは山あり谷ありで大きく下落することが多々あります。記憶に新しいリーマンショックでは株価指数は半分程度になりましたね。
リーマンショックまでとはいかずとも20%程度の下落は頻繁に訪れているのです。
結果としてインデックス投資というのは実際のところは上図の下段のような波乱万丈の投資となるのです。
30年気にせずに証券会社の口座の存在を忘れて積み立て投資を行っていく覚悟がある方にとっておすすめの運用手法となります。
少しでも気にしてしまうと大きな下落に耐えられずに現金化して結局諦めてしまうという結果に陥ってしまいます。
とはいえ、全世界や米国の経済は拡大していくという方向で間違いではないので、自身の資産の一定程度の比率をインデックス投資することは合理的であるといえます。
オルタナティブ投資としてのヘッジファンドという選択肢も検討しよう
正直な話、初心者が投資をする上で望ましいのは先ほどの図の上段のように安定して資産を積み重ねていく投資手法ではないでしょうか?
このような投資を行いながら安定して高いリターンを求めるのであれば、株式投資やリターンの低い債券投資では不可能です。
そこで注目されているのが伝統的な投資手法とは違うオルタナティブ投資です。
オルタナティブ投資の代表格とされているのがヘッジファンドです。言葉だけなら聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?
ヘッジファンドは2000年以降、金融の世界の表舞台で活躍している主要プレーヤーとなっています。
どのような相場環境でもリターン獲得を狙う投資手法であるため、以下の通り全世界株が下落する局面でも安定して収益を出しています。
リーマンショックは流石に無傷とはいきませんでしたが全世界株式の半分以下の下落で乗り切っています。
長期の年平均利回りは全世界株式の2倍以上あるにも関わらず、値動きの激しさを表すリスクは3分の2程度に抑えています。
つまり、全世界株式よりローリスクハイリターンの投資先ということですね。
ヘッジファンドといっても、なかなか普通に生活していると出会うことはないかと思います。
というのも、そもそもヘッジファンドというのは私募ファンドの形式で募集しているので、投資信託のように気軽に証券会社から買うことはできないからです。
筆者は東大の先輩がヘッジファンドを立ち上げたという幸運にも恵まれ投資することができています。
以下では筆者が投資しているファンドを含めて、日本から投資できるヘッジファンドについておすすめのものをランキング形式でお伝えしていますのでご覧いただければと思います。
【2022年】個人投資家がアクセス可能な日本国内のおすすめヘッジファンドをランキング。個人投資家が投資失敗で大損しないための、富裕層が実践する哲学を理解しよう。
まとめ
投資初心者のサラリーマンの方は、安易な選択肢に投資をしてしまうと逆に大きく資産を失う可能性が高いです。
本業で忙しいサラリーマンの方は無理に自分で運用しようとする必要はありません。金融市場はプロが身を削って戦っているので軽い気持ちで参入すると大怪我する結果となるのです。
世界経済や米国経済の拡大にかけるインデックス投資や、安定したリターンを目指すヘッジファンドなどの選択肢を検討した方が賢明です。