多くの投信がインデックスファンドのようなポートフォリオを組成していますが、少し毛色の違うものを見ていきたいと思います。
今回は三井住友DSアセットマネジメント株式会社が運用するテトラ・ネクストを取り上げていきたいと思います。
テトラ・ネクストとはどのようなファンドか?
運用は三井住友DSアセットマネジメント
三井住友DSアセットマネジメントが運用しています。
社名 | 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 |
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英文社名 | Sumitomo Mitsui DS Asset Management Company, Limited |
所在地 | 〒105-6426 東京都港区虎ノ門一丁目17番1号 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー26階 Tel. 03-6205-0200(代表) |
資本金 | 20億円 |
事業内容 | (1)投資運用業に係る業務 (2)投資助言・代理業に係る業務 (3)第二種金融商品取引業に係る業務 |
財閥系グループの傘下にあるアセットマネジメント会社ですね。独立系ではありません。
投資信託残高は9.9兆円となっており、テトラネクスト以外にも様々なファンドを抱えています。
グローバルAIファンドも三井住友アセットマネジメントが販売しているファンドです。
投資対象は北米
投資信託証券への投資を通じて、実質的に米国の新興企業向け株式市場を代表する株価 指数先物取引を機動的に活用することにより、信託財産の中長期的な成長を目指します。
米国の新興企業向け株式市場を代表する株価指数先物取引を活用するとあります。
スワップ取引を行うとのことで、買い、売り双方から入れるトレードで、レバレッジもかけていくことがわかります。
株式市場の大枠を捉えたマクロトレーディングを行うということですね。為替ヘッジはなしです。
ファンドの戦略
株価指数先物で投資をしていくといっても、何か特殊な戦略があるのでしょうか?
挙げられているのは以下の4つの戦略です。
- 日中トレンド戦略
- 月初トレンド戦略
- 月中トレンド戦略
- 月末トレンド戦略
日中トレンド戦略
ナスダックの終値に対してトレンドラインの設定をし、ルールに沿って買い建、売り建を行うということですね。
かなりメジャーな戦略とも言えるでしょう。
月初トレンド戦略
月初4営業日のナスダック100先物を買い建てる戦略です。
相場の状況によってはポジションを建てないとも言及されていますが、基本的に月初は米国の401kなど積立投資が大きく入るなど、歴史的に上昇しやすいことからポジションを建てるものと思います。
月末トレンド戦略
前月末の価格を起点に買い建て、売り建てを実行していく戦略です。
上記4つの戦略ですがこれが全てではなく、様々な戦略があるかと思います。一部を例として紹介しているだけですね。
ファンドに投資すべき投資家が注目すべきは投資手法ではなく、あくまでもパフォーマンスです。
手数料(売買・信託報酬
購⼊時⼿数料はに2.20%(税抜き2.00%)を上限として、販売会社毎に定める⼿数料率を乗じた額となります。
信託財産留保額はなしです(売却時手数料)
運⽤管理費⽤(信託報酬)は純資産総額に年0.759%(税抜き0.69%)の率を乗じた額です。
初年度は3%程度、というイメージですね。
テトラ・ネクストの運用利回り、成績を基準価格チャートなどからチェック
テトラネクストの運用実績は以下となります。基準価額が9053円となっており、つまりは設定来10%ほどのマイナスリターンとなっています。
2021年2月に10,000円から運用開始しているのでマイナス運用となっていますね。
1-3月期 | 4-6月期 | 7-9月期 | 10-12月期 | |
---|---|---|---|---|
2023年 | 0.87% | 0.28% | -- | -- |
2022年 | -2.91% | -0.13% | 14.91% | -8.21% |
2021年 | -- | 0.94% | -5.50% | -2.94% |
2021年はナスダック100は上昇したはずですが、2021年末からファンドの基準価額が暴落し、2023年にはいってから現在少し盛り返している状況ですね。
2022年の米国株式市場の暴落がありましたので、テトラ・ネクストは微マイナスで済んでおり優秀なファンドかもしれないと思いたいところです。
しかし、実際は円安が35%ほど進んだので、為替に助けられたの一言ではないでしょうか。円安が進まなければ、成績はもっとひどいものになっていたと想像します。
テトラネクストとS&P500の比較
テトラネクストは基本的にナスダック100をトレードしリターンの獲得をい狙う投資であることがよくわかったと思います。
では一般的な代表インデックスであるS&P500には勝てているのでしょうか?
- テトラ・ネクスト
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
ボロ負けですね。 テトラ・ネクストは指数をロングとショートでトレードしていく「上昇・下落どちらも”収益機会”に」を謳っている手法なので、正直もう少しリターンを稼いでほしいと個人的には思います。
指数に負けないでほしいですね、切実に。
テトラ・ネクストの掲示板での口コミ評判
上昇・下落どちらも”収益機会”に。追加型株式投資信託「テトラ・ネクスト」が新規設定 https://t.co/sRBhDyKZR4
— igawasin5 (@igawasin5) February 9, 2021
こちらは投資対象をS&P500先物からナスダック100先物に替えたテトラ・ネクスト。
基準価額がここまで沈んでいたとは… pic.twitter.com/tXk4B2Xknb— アセマネ男子 (@AsemaneDanshi) January 22, 2022
教えて、ミドすけ。
株価が上がっても下がっても値下がりし続けるテトラ・ネクストは、何がどうなったら値上がりしますか?
どの場面でも利益を追求!とSMBCに強く紹介されたのですが…?🤔#テトラ・ネクスト #失敗 https://t.co/aCqnYGmv31— あつジイ@薬剤師と製薬会社員Zっと (@MadPharmacistZ) November 26, 2021
Yahoo!ファイナンスの掲示板ではかなりお怒りの声が多いようでした・・・。それもそうですよね。
このファンドを解約してだいぶ経つけど、先日、
平然と「担当者が変わった。いまはキャンペーン中である。」
などと新しい投信の売り付け勧誘と思われる電話があった。
これだけ損をさせておいて、なめているのか。なんでこんなファンドを買ってしまったのか…
後悔してます。どうしたら上がるの?
ゴミゴミクソファンド
私は広島銀行
投資は自己責任と言うが、このファンドを勧めた銀行担当者つまりプロに責任はないのか?と不思議に思う。
どんなに下がっても、顧客に対して何のフォローも情報共有もないところをみると、プロに責任はないということか。
三井住友銀行とはもう付き合わないことにした。銀行から御守りファンドとして設定時に購入して、一度も購入価格を上回ることなく、先週捨てました。10%の損失、数十万が消えました。
これでアホみたいに下がることに一喜一憂しなくて済むのが救い。とんだ御守りでした。今が捨て時と先週金曜日売った。解約日から2営業日後の価格で契約解除となり、今日300円も下げよってまた数十万消えた。ゴミグズファンド!
まとめ
テトラネクストについて分析してきました。基本的にロングとショートでいつでも収益を出せるファンドという触れ込みであるにも関わらず、今年は円安が進まなければ大きくマイナス運用になっていたことで、非常に厳しいと言わざるを得ません。
まだ2年足らずのファンドですが、この1年の体たらくを吹き飛ばすような運用結果が2023年後半以降は求められると思います。
今の段階では、投資することはまずあり得ないファンドです。下落相場でも安心してリターンを狙うという観点では他の選択肢を考えるべきでしょう。
以下でお伝えしています。