(考察シリーズ)新光US-REIT オープン:ゼウス投信の評判と現実に乖離はある?運用実績(利回り)と概要確認

投資信託

【ゼウス投信】配当利回りが高いと評判の新光US-REITオープンを徹底評価!運用実績(利回り)と概要を確認しながら紐解く!

今回は少し違う毛色の投信を取り上げたいと思います。

筆者自身は現物の不動産投資は個人法人で粛々と実行していますが、リートに関しては手を出したことがありません。

景気ローテーションによってはリートは魅力的なタイミングがありますし、最悪なタイミングがあります。

 

それも含め、今回は「新光US-REIT オープン:ゼウス投信」を分析していきたいと思います。

 

投資信託銘柄考察シリーズ

 

新光US-REIT オープン:ゼウス投信とはどのような投資信託なのか

商品名が長いのでゼウスと呼びます。

ゼウスの投資対象は米国に上場されている不動産投資信託です。US-REIT銘柄を購入します。

日本の不動産ではなく米国の不動産に投資するような感覚です。

 

そもそもリートとは何を指すのでしょうか?

REIT(リート)とは、投資者から集めた資金で不動産への投資を行い、そこから得られる賃貸料収入や不動産の売買益を原資として投資者に配当する商品で、一般的に「不動産投資信託」とよばれています。投資者は、REITを通じて間接的に様々な不動産のオーナーになり、不動産のプロによる運用の成果を享受することができます。

REIT(リート)とは

 

投資信託は投資家から集めたお金で株や債券などを買うイメージが強いですが、不動産も買うということです。

オフィスや賃貸住宅、商業施設など不動産を買って賃貸収入、売買でキャピタルゲインを獲得し、投資家に還元していきます。

 

リートとは

 

繰り返しにはなりますが、ゼウスはアメリカのリートを複数分散で買い、リターンを獲得する投信ということです。

 

ゼウスの運用会社はアセットマネジメントOneが実施します。

アセットマネジメントOneはたわらノーロードなど有名なインデックスファンドを展開しているところですね。

アセットマネジメントONEの前身はDIAMアセットマネジメントです。DIAMはよく新興国投信で聞く名前ですね。

 

よくおすすめされる「たわらノーロード」とは?具体的な評判と結局運用にはどれがいいのかを実績から考察。 先進国株式/先進国債券/先進国リート/新興国株式/日経225/バランス8資産

 

USリートを運用するにあたり、運用助言をおこなっているのはインベスコ・アドバイザー・インクです。

同社は1.5兆ドルの運用資産を有する世界的な独立運用会社の一つであるインベスコ・リミテッドの一員となっています。不動産部門は米国テキサス州ダラスに本拠を置いているとのことです。

 

 

分配方針と組入銘柄

リートといえば、99.9%の投資家が配当を期待して投資をすると思います。

分配は原則として毎月5日の決算時に行うとのこと。毎月お小遣いが貰えるわけですね。

 

分配方針

 

分配金は以下に基づき実行されます。

 

分配金額と基準価額の関係

 

組入銘柄は以下の通りです。

 

No. 銘柄 国・地域 比率
1 EQUINIX INC アメリカ 8.07%
2 PROLOGIS INC アメリカ 7.40%
3 AMERICAN TOWER CORP アメリカ 7.09%
4 WELLTOWER INC アメリカ 5.63%
5 INVITATION HOMES INC アメリカ 5.48%
6 UDR INC アメリカ 5.03%
7 AVALONBAY COMMUNITIES INC アメリカ 4.68%
8 VENTAS INC アメリカ 3.78%
9 MID AMERICA アメリカ 3.63%
10 SIMON PROPERTY GROUP アメリカ 3.40%

 

ゼウス投信の運用実績、利回り

実績を見ていきましょう。

まず基準価額ですが、純資産額がコロナショック後から回復していないことがわかります。

分配再投資基準価額は上昇しています。

 

基準価額

運用実績は以下です。

 

1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-12月期
2021年 18.38% 11.26% 2.68% 15.77% 56.57%
2020年 -21.95% 7.74% -0.75% 0.90% -15.79%
2019年 17.34% -2.00% 7.24% 0.84% 24.34%
2018年 -11.51% 10.50% 1.54% -8.00% -8.66%
2017年 -2.06% 1.32% 0.68% 2.65% 2.55%

 

冒頭でリートは投資するにふさわしい時期と最悪な時期があるとお伝えしましたが、上記リターンはまさにそれを表しています。

2020年の後半から2021年末まで、不動産は投資するのにとても良い時期でしたし、もしそれまでに不動産を保有していたのであれば、大きく収益を伸ばせる時期でした。

 

米国にロケットカンパニーズという住宅ローン融資会社があります。この会社の株価はリートの買い場を見つけるにはもってこいの銘柄です。2021年の前半に天井をつけ、わかりやすく下落に転じています。株は約1-1.5年先を織り込む習性がありますので、ここからリートの未来を占うことができます。

 

ロケットカンパニーズ株価

 

ロケット・カンパニーズは米国の住宅ローン融資会社。主力事業の「ロケットモーゲージ」はGSEに準拠した住宅ローン商品を扱う。全米50州においてインターネットや国営テレビ、その他のマーケティングチャネルを通じて販売する。また、不動産サービスや個人向け融資、自動車販売も手掛ける。本社所在地はミシガン州デトロイト。

ロケット・カンパニーズ

 

まず、2020年ですが、これはコロナショックによるオフィスビルなどの賃貸収入が減少したことが想像できます。

しかし、異次元金融緩和による超低金利政策が誕生しました。超低金利で資金を調達し人々は不動産を買います。

 

つまりは、不動産価格は上昇していったということです。米国はインフレが続いていますよね。

2020年から2021年まで、リートの成績が良いのも頷けます。

しかし、時は経ち、2022年よりこの異次元金融緩和の巻き戻しが起きます。

 

どういうことかというと、FRBが利上げを実施するということです。

 

米連邦準備理事会(FRB)高官は、インフレ率の急上昇を抑えるため、一段と大幅な利上げを求めている。ただ、引き締めサイクルが景気と労働市場を弱めるのではないかという懸念を払拭するには至っていない。

セントルイス地区連銀のブラード総裁は22日、「インフレ抑制に向け積極的に行動する必要がある」と述べ、政策金利を今年3%に引き上げるべきという考えを強調。ブルームバーグテレビに対し「より早い方が良い」と語った。

ロイター:FRB高官、相次ぎ大幅利上げ要求 景気・労働市場巡る懸念残る

 

FRBはここまでインフレを止めずにここまでやってきてしまいました。

株が下がろうと、不動産価格が下がろうと、戦争が起きて不況になろうと、インフレが止まらない限りは利上げを実施しなければなりません。

利上げを実施するということは、資金の調達が難しくなり(コストが上がる)、不動産価格は下がります。

 

不動産会社が最も儲けが出るのは不動産物件売買による「キャピタルゲイン」です。

賃貸収入も大きいですが、キャピタルゲインに比べると相対的に収益力は落ちます。

今後も、賃貸収入は残りますが、不動産価格が次に上昇する時期まで大きなリターンは見込めません。

 

例えば、2018年のゼウスのリターンを見て欲しいのですが、-8.66%となっています。

これはFRB議長パウエル氏が利上げを実行し、株価は大きく下落、不動産市場も荒れました。結果的にゼウス投信もその煽りを受けてマイナスの運用成績となっています。

しかし、2019年にパウエル議長が利上げをストップし、市場はリバウンドしました。

 

2022年は利上げストップはあるのでしょうか?

2018年は今のようなインフレが起きていませんでした。利上げを止める手立てはありました。

しかし今回ばかりは不可能です。どうやっても、何が起きても利上げが必要です。

 

現在のインフレが続き、不況になりもはや利上げは必要がなくなるという観測も一部ありましたが、数字はインフレは止まらないと言っています。

2022年内で8回も利上げを予定しており、不動産に投資をするリートにとっては最悪な時期ともいえます。

次のFRBの高金利から低金利に移行するタイミングで、リートは検討しましょう。今は低金利から高金利、そしてバランスシートの縮小まで実行する予定ですので、リートは長い冬を迎えるでしょう。

 

まとめ

本当は配当利回りなども細かく見たいと思っていましたが、景気サイクル的にリートは今はだめです。

もっと良い投資先があるので、そちらで手を打ちましょう。

結び

金融資産2〜3億円で完全リタイアは可能か?安定した生活を送るための運用法(50歳、60歳など年代別ポートフォリオを検討)

 

長期的に資産を形成し老後の安定資産を築くために必要なことは、ただ一つです。それは、どのような市場環境であっても資産を守り「堅実なリターンを複利で積み上げる」ことです。しかし、多くの人は派手なリターンを謳う運用先に虜になり、資産を増やすどころか失ってしまうのです。しかし、この情勢は変わりません。歴史は繰り返すのです。いつの時代も「無知はコスト」です。

 

depression

 

資産運用の極意は「プラスのリターンを複利で積み重ねること」であり富裕層に到達するにはこの方法しかありません。

 

上記を実現するための投資先(ファンド)を選ぶポイントは、非常にシンプルです。以下は大枠ですが、これを外さなければ大きく失敗することもありません。

  1. 相場環境に左右されない明確で確固たる投資理論・哲学を有する
  2. 過去に成果を出し続けているファンドマネージャーによる運用

 

世の中にはあまりにも間違った情報が溢れていると日々感じていました。
そして今回、筆者の証券アナリストとしての知見や、マーケットに関する仕事に従事した経験を基に様々なファンドを分析してきました。

その結果(堅実運用の思考とおすすめと言える投資先)をまとめました。ぜひ参考にしてくださいませ。

 

 

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