(考察シリーズ)新光US-REIT オープン:ゼウス投信の評判と現実に乖離はある?運用実績(利回り)と概要確認

投資信託

【ゼウス投信】売り時!?配当利回りが高いが大損すると評判の投資信託「新光US-REITオープン」を今後の見通しや口コミを含めて評価!USリートはどこまで下げるのか?

2022年3月23日

今回は少し違う毛色の投信を取り上げたいと思います。取り上げるのは高利回りで評判を博した「新光US-REITオープン」です。

ギリシャ神話の最高神であるゼウスの愛称でしたしまれています。

名前にもある通り米国のリートに投資をしている投信です。

 

筆者自身は現物の不動産投資は個人法人で粛々と実行していますが、リートに関しては手を出したことがありません。

景気ローテーションによってはリートは魅力的なタイミングがありますし最悪なタイミングがあります。

それも含め、今回は「新光US-REIT オープン:ゼウス投信」を分析していきたいと思います。

 

 

新光US-REIT オープン:ゼウス投信とはどのような投資信託なのか

商品名が長いのでゼウスと呼びます。

ゼウスの投資対象は米国に上場されている不動産投資信託です。US-REIT銘柄を購入します。

 

日本の不動産ではなく米国の不動産に投資するような感覚です。

そもそもリートとは何を指すのでしょうか?

 

REIT(リート)とは、投資者から集めた資金で不動産への投資を行い、そこから得られる賃貸料収入や不動産の売買益を原資として投資者に配当する商品で、一般的に「不動産投資信託」とよばれています。投資者は、REITを通じて間接的に様々な不動産のオーナーになり、不動産のプロによる運用の成果を享受することができます。

REIT(リート)とは

 

投資信託は投資家から集めたお金で株や債券などを買うイメージが強いですが、不動産も買うということです。

オフィスや賃貸住宅、商業施設など不動産を買って賃貸収入、売買でキャピタルゲインを獲得し、投資家に還元していきます。

 

リートとは

 

繰り返しにはなりますが、ゼウスはアメリカのリートを複数分散で買い、リターンを獲得する投信ということです。

以下は1987年から米国株と米国REITの値動きの比較です。

一時的に株式が高騰する局面もありますが、基本的には同様の動きとなっています。

 

米国株と米国REITの値動きの比較

 

ただ、上記は配当金を税金を差し引かれる前の状態で投資した場合のリターンとなります。

REITはほとんどを配当にだしてしまうので、差し引かれる税金が非常に大きく複利の毀損も著しくなります。

超長期でみると株の圧勝ということになるでしょう。

 

ゼウスの運用会社はアセットマネジメントOneが実施します。

アセットマネジメントOneはたわらノーロードなど有名なインデックスファンドを展開しているところですね。

アセットマネジメントONEの前身はDIAMアセットマネジメントです。DIAMはよく新興国投信で聞く名前ですね。

 

よくおすすめされる「たわらノーロード」とは?具体的な評判と結局運用にはどれがいいのかを実績から考察。 先進国株式/先進国債券/先進国リート/新興国株式/日経225/バランス8資産

 

USリートを運用するにあたり、運用助言をおこなっているのはインベスコ・アドバイザー・インクです。

同社は1.5兆ドルの運用資産を有する世界的な独立運用会社の一つであるインベスコ・リミテッドの一員となっています。

不動産部門は米国テキサス州ダラスに本拠を置いているとのことです。

 

分配方針と組入銘柄

リートといえば、99.9%の投資家が配当を期待して投資をすると思います。

分配は原則として毎月5日の決算時に行うとのこと。毎月お小遣いが貰えるわけですね。

 

分配方針

 

分配金は以下に基づき実行されます。

 

分配金額と基準価額の関係

 

直近2022年7月の組入銘柄は以下の通りです。

 

No. 銘柄 形態 比率
1 AMERICAN TOWER CORP インフラ 9.60%
2 PROLOGIS INC 産業施設 7.90%
3 SBA COMMUNICATIONS インフラ 5.60%
4 INVITATION HOMES INC 住居 5.48%
5 WELLTOWER 医療施設 5.50%
6 AVALONBAY COMMUNITIES INC 住居 5.40%
7 VICI PROPERTIES 特殊施設 5.20%
8 EQUINIX INC データセンター 4.70%
9 UDR INC 住居 4.30%
10 CROWN CASTLE インフラ 3.90%

 

一銘柄あたりの比率が大きくなっていますね。上位10銘柄で約60%となっています。

各セクターの構成比率は以下の通りバランス型となっています。

ゼウスの業種別構成比率

 

ちなみに半年前の構成上位銘柄は以下となります。多くの銘柄が被っているのである程度長期投資していることが伺えます。

 

No. 銘柄 国・地域 比率
1 EQUINIX INC アメリカ 8.07%
2 PROLOGIS INC アメリカ 7.40%
3 AMERICAN TOWER CORP アメリカ 7.09%
4 WELLTOWER INC アメリカ 5.63%
5 INVITATION HOMES INC アメリカ 5.48%
6 UDR INC アメリカ 5.03%
7 AVALONBAY COMMUNITIES INC アメリカ 4.68%
8 VENTAS INC アメリカ 3.78%
9 MID AMERICA アメリカ 3.63%
10 SIMON PROPERTY GROUP アメリカ 3.40%

 

ゼウス投信の運用実績

実績を見ていきましょう。

まず基準価額ですが、純資産額がコロナショック後から回復していないことがわかります。

分配再投資基準価額は上昇しています。

 

ゼウス投信の基準価額の推移

 

ただ、上記は気をつけなければいけない点があります。

それは青色の分配金再投資基準価額は実現不可能だということです。

 

分配金を出した瞬間に20.315%の税金が差し引かれますし、再投資する場合は更に購入手数料も新たに追加で徴収されるからです。

特にゼウス投信のように配当金の比率が大きい投信については大きくリターンが毀損します。

運用実績は以下です。(これも配当金の税前での再投資前提です)

 

1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-12月期
2022年 1.52%  ▲4.08%
2021年 18.38% 11.26% 2.68% 15.77% 56.57%
2020年 -21.95% 7.74% -0.75% 0.90% -15.79%
2019年 17.34% -2.00% 7.24% 0.84% 24.34%
2018年 -11.51% 10.50% 1.54% -8.00% -8.66%
2017年 -2.06% 1.32% 0.68% 2.65% 2.55%

 

 

配当金が下がっている?高配当利回りの裏に隠れた特別分配金のリスクに気をつけよう!

ゼウス投信に投資をした方の主な理由は配当利回りの高さではないでしょうか?

最初は100円近い配当金がありましたが、現在は毎月25円の配当金となっています。

確かに絶対値としては減少していますが配当利回りは変わらず10%以上を維持しています。

つまり、基準価額が下落しているのです。

 

先ほどの図をご覧ください。

ゼウス投信の基準価額は一貫して下落をつづけており現在では約2200円となっています。

配当金を月額25円つまり年間300円の配当金を考えると配当利回りは13%という高水準となります。

ゼウス投信の基準価額の推移

 

しかし、最初は10,000円だった基準価額が約5分の1まで下がっているのは全く健全ではありません。

通常は得られた運用リターンの中から配当金を出します。このような状態では基準価額は10,000円を下回ることはありません。

 

しかし、10,000円を下回り下落し続けるということは運用リターン以上の配当を出していることになります。

つまり、元本から配当を出す特別分配金を拠出しているということになります。

 

特別分配金とは

 

特別分配金を出しているということは投資家からとっては好ましくありません。

購入手数料3.3%と信託手数料年率1.683%を支払って、元本が引き出されているということになります。

つまり、手数料が発生する普通預金をしているという状態になっているのです。

配当金が出されるので満足していたら、解約したら元本が5分の1になっているという悲惨な事態になるのです。

ゼウス投信のように高すぎる配当利回りを謳っている投信は避けた方がよいでしょう。

 

今後のUSリートの見通しとは?

ゼウス投信は米国リートに投資をしているので米国リートの今後の見通しが重要になってきます。

冒頭でリートは投資するにふさわしい時期と最悪な時期があるとお伝えしましたが、上記リターンはまさにそれを表しています。

2020年の後半から2021年末まで、不動産は投資するのにとても良い時期でしたし、

もしそれまでに不動産を保有していたのであれば、大きく収益を伸ばせる時期でした。

 

米国にロケットカンパニーズという住宅ローン融資会社があります。この会社の株価はリートの買い場を見つけるにはもってこいの銘柄です。

2021年の前半に天井をつけ、わかりやすく下落に転じています

。株は約1-1.5年先を織り込む習性がありますので、ここからリートの未来を占うことができます。

 

ロケットカンパニーズ株価

 

ロケット・カンパニーズは米国の住宅ローン融資会社。主力事業の「ロケットモーゲージ」はGSEに準拠した住宅ローン商品を扱う。全米50州においてインターネットや国営テレビ、その他のマーケティングチャネルを通じて販売する。また、不動産サービスや個人向け融資、自動車販売も手掛ける。本社所在地はミシガン州デトロイト。

ロケット・カンパニーズ

 

まず、2020年ですが、これはコロナショックによるオフィスビルなどの賃貸収入が減少したことが想像できます。

しかし、異次元金融緩和による超低金利政策が誕生しました。超低金利で資金を調達し人々は不動産を買います。

 

つまりは、不動産価格は上昇していったということです。米国はインフレが続いていますよね。

2020年から2021年までリートの成績が良いのも頷けます。

しかし、時は経ち、2022年よりこの異次元金融緩和の巻き戻しが起こっています。

どういうことかというと、FRBが利上げを実施しています。

 

結果として政策金利は現在2.25%-2.50%まで急激に上昇しています。

 

FFレート

 

 

FRBはここまでインフレを止めずにここまでやってきてしまいました。

しかし、急激に政策金利を引き上げているにも関わらずインフレ率は年率9%を超えて40年ぶりの高さとなり粘着しています。

株が下がろうと、不動産価格が下がろうと、戦争が起きて不況になろうと、インフレが止まらない限りは利上げを実施しなければなりません。

 

利上げを実施すると支払いローンが大きくなるので購入する人が少なくなり不動産の価格は下がっていきます。

住宅ローン金利が5%となれば、不動産を購入できる人が少なくなってきますからね。今、日本の不動産が上昇しているのは金利が殆どゼロだからです。

実際以下の通り米国の住宅価格の伸びは減少しリートの価格も天井を打った動きを見せています。しかし、これは序の口でここから急減していきます。

 

USリートの推移

参照:2020年からのUSリートのチャート

 

 

不動産会社が最も儲けが出るのは不動産物件売買による「キャピタルゲイン」です。

賃貸収入も大きいですが、キャピタルゲインに比べると相対的に収益力は落ちます。

今後も、賃貸収入は残りますが、不動産価格が次に上昇する金融緩和が実施される時期まで大きなリターンは見込めません。

 

例えば、2018年のゼウスのリターンを見て欲しいのですが▲8.66%となっています。

これはFRB議長パウエル氏が利上げを実行し、株価は大きく下落、不動産市場も荒れました。

結果的にゼウス投信もその煽りを受けてマイナスの運用成績となっています。

しかし、2019年にパウエル議長が利上げをストップし市場はリバウンドしました。

 

2022年8月に実施されたジャクソンホール会議でインフレが目標である2%まで落ちるまでは金融引き締めを緩めるつもりはないと宣言しました。

重ねて申し上げますが、現在2022年8月時点のインフレ率は年率9%と目標の2%までは距離があります。

しばらく金利を引き下げることは見込めないと考えた方が自然でしょう。

 

2018年は今のようなインフレが起きていませんでした。利上げを止める手立てはありました。

しかし今回ばかりは不可能です。どうやっても、何が起きても利上げが必要です。

 

2022年内でも更なる利上げが予定されており、不動産に投資をするリートにとっては最悪な時期ともいえます。

次のFRBの高金利から低金利に移行するタイミングでリートは検討しましょう。

今は低金利から高金利、そしてバランスシートの縮小まで実行する予定ですのでリートは長い冬を迎えるでしょう。

 

まとめ

本当は配当利回りなども細かく見たいと思っていましたが、景気サイクル的にリートは今はだめです。

もっと良い投資先があるので、そちらで手を打ちましょう。以下でどのような環境でもリターンを狙えるファンドについては以下でお伝えしています。

結び

金融資産2〜3億円で完全リタイアは可能か?安定した生活を送るための運用法(50歳、60歳など年代別ポートフォリオを検討)

 

長期的に資産を形成し老後の安定資産を築くために必要なことは、ただ一つです。それは、どのような市場環境であっても資産を守り「堅実なリターンを複利で積み上げる」ことです。しかし、多くの人は派手なリターンを謳う運用先に虜になり、資産を増やすどころか失ってしまうのです。しかし、この情勢は変わりません。歴史は繰り返すのです。いつの時代も「無知はコスト」です。

 

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資産運用の極意は「プラスのリターンを複利で積み重ねること」であり富裕層に到達するにはこの方法しかありません。

 

上記を実現するための投資先(ファンド)を選ぶポイントは、非常にシンプルです。以下は大枠ですが、これを外さなければ大きく失敗することもありません。

  1. 相場環境に左右されない明確で確固たる投資理論・哲学を有する
  2. 過去に成果を出し続けているファンドマネージャーによる運用

 

世の中にはあまりにも間違った情報が溢れていると日々感じていました。
そして今回、筆者の証券アナリストとしての知見や、マーケットに関する仕事に従事した経験を基に様々なファンドを分析してきました。

その結果(堅実運用の思考とおすすめと言える投資先)をまとめました。ぜひ参考にしてくださいませ。

 

 

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