(考察シリーズ)世界のFintech企業に投資可能と評判のグローバル・フィンテック株式ファンドを評価。

投資信託

世界のFintech企業に投資可能と評判のグローバル・フィンテック株式ファンドを評価。

グローバルAIファンド、グローバル・ロボティクスと大層な名前のファンド(投資信託)が本当に多いですよね。

トレンドに沿った名前のファンドは綺麗なプレゼン資料と未来へのストーリーを明るくするだけでポンポンと売れていきそうです。

 

今回紹介するのは「グローバル・フィンテック」ですが、その内容と実績、評価、見通しを見ていきたいと思います。

 

投資信託銘柄考察シリーズ

 

グローバル・フィンテック株式ファンドとは?

一言でいえば世界中の有望なフィンテック企業に投資をしてリターンの獲得を目指すファンドです。儲かりそうですね。

筆者が個人的に思いつくのは米国のペイパル、スクエア、アファーム、中国のアリペイなどですかね。

 

証券アプリなどもフィンテックに入ると思うので今話題のロビンフッドや中国のFUTUなどもフィンテックになりますでしょうか。

 

フィンテックとは

■フィンテック(FinTech)とは金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、最新の情報技術を活用した「新たな金融サービス」のことを言います。

■フィンテックはスマートフォンのアプリなどを通じた金融サービスを中心に急成長しており、その利便性の高さから「私たちの生活を一変させるイノベーション」として注目されています。

 

 

急増するフィンテック関連分野への投資

 

日本ですと、マネーフォワードなどの家計簿アプリ、他にはPAYPAY、LINE PAY(PAYPAYに統合されるみたいです)などなどですかね。あとPAYPAY証券ですかね。孫正義に日本のフィンテックは支配されてますよねこれ。

あとはロボアドバイザーとかもフィンテックですね。運用をロボットに任せるのか!と興奮したものの手数料高すぎて萎えましたが。

 

米国に比べると日本のフィンテックの盛り上がりは寂しいものを感じますが、米国で流行したものはしばらく時間を置いて日本で流行るので、日本企業のフィンテックブームはこれからなのかもしれません。(最近ゴールドマンサックスもひどい商品出してましたね、。笑かしてもらいました)

 

その意味で、グローバルフィンテック株式ファンドは2020年中にどれくらいフィンテックブームを織り込んでしまったのかどうかがこれからの購入判断を決めそうですね。

 

 

ファンドの概要

目論見書を抜粋します。

 

<商品分類>

  • 単位型・追加型:追加型
  • 投資対象地域:内外
  • 投資対象資産(収益の源泉):株式

<属性区分>

  • 投資対象資産:その他資産(投資信託証券(株式 一般))
  • 決算頻度:年1回
  • 投資対象地域:グローバル(含む日本)
  • 投資形態:ファミリーファンド
  • 為替ヘッジ:なし

 

ファンドの目的

主として、日本を含む世界の金融商品取引所に上場されているフィンテック関連企業の株式に投資を行ない、中長期的な信託財産の成長をめざして運用を行ないます。

世界の株式の中から主にフィンテック関連企業の株式などに投資します。

●今後の成長が期待されるフィンテック関連企業の株式(預託証券を含みます。)を中心に投資を行なうことにより、中長期的な信託財産の成長をめざします。

●外貨建資産の投資にあたっては、原則として、為替ヘッジは行ないません。

 

<運用プロセス>

運用プロセス

 

 

「ARK社の助言を受けます」ということは完全にスクエアとペイパルを買いましょうというファンドだと思うのですが、ポートフォリオはあとで見ましょう。

ちなみに、ARKは金融緩和時の運用リターンは文句なしなのですが、引き締め時は地獄を見るポートフォリオで運用しています。

 

今は以下のようなチャートとなり、2020年に金融緩和で稼いだ利益をどんどん吐き出しています。ここがグローバルフィンテックの投資助言者となります。

 

ARKKのチャート

 

 

ハイテク系が多くを占める、正気とは思えないポートフォリオ

No. 銘柄 国・地域 業種 比率
1 COINBASE GLOBAL INC -CLASS A アメリカ 各種金融 8.40%
2 SHOPIFY INC - CLASS A アメリカ ソフトウェア・サービス 7.60%
3 BLOCK INC アメリカ ソフトウェア・サービス 7.20%
4 TWILIO INC - A アメリカ ソフトウェア・サービス 6.40%
5 ADYEN NV アメリカ ソフトウェア・サービス 4.80%
6 UIPATH INC - CLASS A アメリカ ソフトウェア・サービス 4.80%
7 SEA LTD-ADR シンガポール メディア・娯楽 3.90%
8 MERCADOLIBRE INC アメリカ 小売 3.50%
9 TELADOC HEALTH INC アメリカ ヘルスケア機器・サービス 3.30%
10 ETSY INC アメリカ 小売 3.10%

 

想像通りスクエア(BLOCK)とがポートフォリオに入っています。MERCADOLIBRE INCはデパート、ECではないのか?意外でした。

調べましたが、MERCADOLIBREのプラットフォームは、オンラインとオフラインの両方で商取引を促進するためのサービスをユーザーに提供していました。フィンテックですね。

 

コインベースは仮想通貨取引所です。ショッピファイはカナダのECプラットフォーム企業ですね。

このポートフォリオですと、2022年初頭から大暴落している銘柄ばかりですし、今後も金融引き締めでさらに暴落する可能性を秘めている銘柄群なので、正気とは思えません。

 

<コインベース>

 

コインベースの株価

 

<ブロック/スクエア>

ブロック/スクエアの株価

 

<ショッピファイ>

ショッピファイの株価

 

3月になり少し回復が見えますが昨年末の水準の半分も戻しておらず、さらにここから金融引き締めがきます。

溶けてなくなってしまうような株価になるような気がしてなりません。

 

 

グローバル・フィンテック株式ファンドの特徴

ARK社の調査の下、という点を推しに推していますが、アーク社とはどのような会社なのでしょうか?米国では2020年のコロナバブルにおけるスーパーヒーロー的ファンドでした。

ETFなのに+170%などというリターンを叩き出したりと大暴れしたファンドです。

 

ARKKの2020年株価チャート

●アーク・インベストメント・マネジメント・エルエルシー(アーク社)では、破壊的イノベーションを発掘するには、従来の伝統的なリサーチ手法だけでは不十分と考え、ユニークなプロセスで調査を行なっています。

●テーマ選択や調査対象企業群の特定は主にトップダウンで行ない、企業の分析・銘柄選択などは、主にボトムアップで行なっています。

ARKの銘柄選定

 

ARK Investの代表はキャシー・ウッド氏。

 

キャシーウッド氏

 

 

ARKのお墨付きということで、人気のあるファンドなのかもしれませんね。(ARKを買った方が早いのではないかというところですが)

ARKファンドは筆者も2020年の活躍ぶりを見て魅力を感じましたが、この金融引き締めの場面でキャシーウッド氏が年率+40%も可能との発言を公にしており、ビジネスとはいえあまりにも現実とかけ離れているため、危険を感じました。

 

アクティブ運用の上場投資信託(ETF)の旗手、キャシー・ウッド氏は17日に自身のウェブサイトで、旗艦ファンドのアーク・イノベーションETFが「向こう5年に年間40%のリターンを上げ得る」とコメントした。アーク・インベストメント・マネジメント設立以降で最悪の成績となった2021年末としては大胆な発言だ。

キャシー・ウッド氏、旗艦ファンドの年40%リターン可能とコメント

 

利上げ、QTが迫っているにも関わらずこのコメントは厳しいですし、向こう5年ですからどこかでリセッションになり、複数年で+100%以上のリターンを叩き出すということであれば可能かもしれません。しかし、もう少し投資家に寄り添った相場観を示してほしかったです。

 

<ARK ETFの直近チャート>

ARKKのチャート

 

 

実際の成績

実際の成績を見ていきましょう。基準価額は2020年に大きく跳ね上がり、今となってはほぼ全て吐き出してしまった形です。

金融引き締めがこれから本番のタイミングですから、まだまだ吐き出し足りないくらいだと思います。

グローバルフィンテック基準価額推移

 

まだ若いファンドですが、1年リターンが-47.61%、3年リターン+7.11%となっており、まず投資をすることはないでしょう。

同じカテゴリーの他投信に対しても-50%以上とアンダーパフォームしています。

 

1年 3年(年率)
トータルリターン -47.61% 7.11%
カテゴリー 2.87% 9.65%
+/- カテゴリー -50.48% -2.54%
順位 67位 34位
%ランク 100% 59%
ファンド数 67本 58本
標準偏差 36.98 32.47
カテゴリー 14.17 17.88
+/- カテゴリー 22.81 14.59
順位 67位 57位
%ランク 100% 99%
ファンド数 67本 58本
シャープレシオ -1.29 0.22
カテゴリー 0.59 0.53
+/- カテゴリー -1.88 -0.31
順位 65位 54位
%ランク 98% 94%
ファンド数 67本 58本

参照元:https://portal.morningstarjp.com/FundData/SnapShot.do?fnc=2017091504

 

2020年3月のコロナショックから、リモートワーク銘柄を中心にフィンテック企業の株価も大きく上昇しました。

しかし、株価が上昇したのは過去に例のない大規模な金融緩和と「ストーリー株(利益がなくても夢物語で買われる)」という特性をフィンテック企業が持っていたからです。

 

 

グローバルフィンテック株式ファンドの評価と見通し

グローバル株式ファンドは上記で見た通り、リターンが目も当てられないレベルの酷さです。

金融緩和の時期に投資するのであれば良いでしょうが今は引き締めです。どうしても買いたくても数年は待つ必要があるでしょう。

ボーナスタイムは終わりです。次の不況時、金融緩和を待ちましょう。

 

「フィンテック」は明確にストーリー株です。金融相場が終わればそのセクターは確実にやられます。

個人投資家としても少し舵取りが難しい銘柄です。テーマ株は短期間、光を放ちますが、長期で安定したリターンを生むことはありません。

 

成功する投資家が最も好む投資先は「安定して毎年リターンを出せるファンド」です。

テーマ株にとらわれず、毎年着実にリターンを叩き出せるファンド探しをすることをお勧めします。

結び

金融資産2〜3億円で完全リタイアは可能か?安定した生活を送るための運用法(50歳、60歳など年代別ポートフォリオを検討)

 

長期的に資産を形成し老後の安定資産を築くために必要なことは、ただ一つです。それは、どのような市場環境であっても資産を守り「堅実なリターンを複利で積み上げる」ことです。しかし、多くの人は派手なリターンを謳う運用先に虜になり、資産を増やすどころか失ってしまうのです。しかし、この情勢は変わりません。歴史は繰り返すのです。いつの時代も「無知はコスト」です。

 

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資産運用の極意は「プラスのリターンを複利で積み重ねること」であり富裕層に到達するにはこの方法しかありません。

 

上記を実現するための投資先(ファンド)を選ぶポイントは、非常にシンプルです。以下は大枠ですが、これを外さなければ大きく失敗することもありません。

  1. 相場環境に左右されない明確で確固たる投資理論・哲学を有する
  2. 過去に成果を出し続けているファンドマネージャーによる運用

 

世の中にはあまりにも間違った情報が溢れていると日々感じていました。
そして今回、筆者の証券アナリストとしての知見や、マーケットに関する仕事に従事した経験を基に様々なファンドを分析してきました。

その結果(堅実運用の思考とおすすめと言える投資先)をまとめました。ぜひ参考にしてくださいませ。

 

 

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