まるごとひふみ100/15/50を徹底解剖!ひふみ投信は終わったと評判だが組入銘柄とその株価、基準価額チャートなどから実態を紐解く

投資信託

まるごとひふみ100/15/50を徹底解剖!評判のひふみ投信シリーズを口コミや運用実績を含めて徹底評価。

2022年12月16日

まるごとひふみは下記の3つのファンドの総称です。

  • まるごとひふみ15
  • まるごとひふみ50
  • まるごとひふみ100

ひふみと言えばひふみ投信が人気です。日本で最も買われているアクティブ投信ではないでしょうか。

しかし、近年はリターンがインデックスを下回るようになりテレビに取り上げられていた時期の輝きは失われているように見えます。

 

 

今回はそんなひふみ投信が展開する「まるごとひふみ」とはどのような投資信託なのかを紐解いていきたいと思います。

 

「まるごとひふみ100/50/15」の特徴とは?

それでは概要を見ていきましょう。まるごとシリーズは「まるごとひふみ15」「まるごとひふみ50」「まるごとひふみ100」の三種類のファンドが存在します。

以下が概要ですが、ひふみ100は為替ヘッジがなく日本株や海外株で運用しています。

ひふみ15/50は株式、債券がメインの運用となり為替ヘッジはする安定運用であることがわかります。

 

商品分類 属性区分
ファンド名 単位型・
追加型
投資対象
地域
投資対象資産
(収益の源泉)
投資対象
資産
決算頻度 投資対象
地域
投資形態 為替ヘッジ
ひふみ15 追加型 内外 資産複合 その他資産
(投資信託証券(資産複合(株式、債券)
年1回 グローバル
(日本を含む)
ファンド・
オブ・
ファンズ
あり
(部分ヘッジ)
ひふみ50
ひふみ100 株式 その他資産
(投資信託証券(株式 一般))
なし

 

まるごとひふみ保有比率

 

運用プロセス

以下の3つのファンドで運用していきます。保有比率は上記の通りです。

 

  1. ひふみ投信マザーファンド・・・国内外の上場株式、割安銘柄への投資
  2. ひふみワールド ファンド・・・世界株式を投資対象、成長性が高い銘柄への投資
  3. ひふみグローバル債券 マザーファンド・・・国内外の投資適格債への投資、安定運用

 

ひふみ投信マザーファンドは既に過去に分析したファンドです。

ひふみワールドで世界インデックスのリターンを取り込み、ひふみグローバル債券マザーファンドでリスクコントロールしていくイメージですね。

まるごとひふみ100は債券が組み入れられていないので、それだけリスクは高く、そしてパフォーマンスも高くなる確率が高くなります。

 

まるごとひふみ保有比率

 

組み入れ上位銘柄(マザーファンド、ワールドファンド)

ひふみ投信マザーファンドの2023年2月時点の組み入れ銘柄を見ていきます。

銘柄名 業種 組入比率
アドバンテスト 電気機器 2.80%
三菱UFJフィナンシャル・グループ 銀行業 2.32%
東京海上ホールディングス 保険業 1.99%
ソニーグループ 電気機器 1.92%
三井住友フィナンシャル・グループ 銀行業 1.79%
日本電信電話 情報通信業 1.79%
第一生命ホールディングス 保険業 1.75%
インターネットイニシアティブ 情報・通信業 1.70%
ディスコ 機械 1.69%
GMOペイメントゲートウェイ 情報・通信業 1.64%

 

以下は2022年11月30日時点からの推移は以下となります。

この間に「藤野氏」にファンドマネージャーが代わり大幅に構成銘柄がかわっているのが読み取れます。

 

2023年2月 2022年11月末
1 アドバンテスト 東京海上ホールディングス
2 三菱UFJフィナンシャル・グループ GMOペイメントゲートウェイ
3 東京海上ホールディングス 日本電信電話
4 ソニーグループ 三菱UFJフィナンシャル・グループ
5 三井住友フィナンシャル・グループ 味の素
6 日本電信電話 インターネットイニシアティブ
7 第一生命ホールディングス 伊藤忠商事
8 インターネットイニシアティブ アドバンテスト
9 ディスコ ディスコ
10 GMOペイメントゲートウェイ MICROSOFT CORPORATION

 

構成銘柄はプライム市場の銘柄がほとんどとなっています。旧東証一部の中でも時価総額が大きい銘柄が蠢いているのがプライム市場です。

市場別比率
プライム市場 81.26%
スタンダード市場 2.35%
グロース市場 0.46%
その他海外株 4.93%
現金等 11.00%
合計 100.00%

得意とする超小型株投資を実施できていないのでリターンは低下しています。

→ やめたほうがいい?不調にあえぐ「ひふみ投信」「ひふみプラス」の時代は終わった?まだ上がる?運用実績がひどくて今後の見通しも危ないという評判がたっている理由を分析して評価する!

 

続いて、ひふみワールドファンドの組み入れ銘柄は以下です。

No. 銘柄名 通貨 業種 組入比率
1 COMPAGNIE FINANCIERE スイス フラン 耐久消費財 2.65%
2 Palo Alto NETWORKS アメリカ 米ドル ソフトウェアサービス 2.55%
3 MOTOROLA SOLUTIONS アメリカ 米ドル テクノロジーハードウェア 2.53%
4 FERRARI NV アメリカ 米ドル 自動車・自動車部品 2.46%
5 TETRA TECH, INC アメリカ 米ドル 商業・専門サービス 2.34%
6 INTUIT INC アメリカ 米ドル ソフトウェアサービス 2.11%
7 DR. ING. H.C. F. PORSCHE AG ドイツ ユーロ 自動車・自動車部品 2.03%
8 ORACLE CORPORATION アメリカ 米ドル ソフトウェアサービス 2.01%
9 MICROSOFT アメリカ 米ドル ソフトウェアサービス 1.99%
10 ACCENTURE アイルランド 米ドル ソフトウェアサービス 1.86%

 

COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT SAは、高級時計、ジュエリー、革製品、ファッション製品、アクセサリーなどのラグジュアリーブランドの製造・販売を行っているスイスの企業です。

主要なブランドには以下のようにジュエリーで有名なカルティエやスーツで有名なダンヒルが含まれています。

  • Cartier
  • Van Cleef & Arpels
  • Montblanc
  • Vacheron Constantin
  • IWC Schaffhausen
  • Panerai
  • Dunhill
  • Chloé

ハイブランド関連の銘柄はいち早く2022年の相場から復活して新高値付近となっています。

COMPAGNIE FINANCIEREのチャート推移

 

比較的ボラティリティの低い銘柄が組み入れられていますね。

直近、ナスダックが反発しているのを捉えてソフトウェアサービスを一番高い構成比率としています。

3ヶ月前とは全く違う構成となっており驚きました。

2023年2月末 2022年11月末
ソフトウェアサービス 19.57% 13.12%
資本財 11.16% 18.16%
半導体・半導体製造装置 9.93% 6.48%
自動車・自動車部品 9.48% 6.12%
食品・飲料・タバコ 7.55% 6.89%
小売 4.87% 8.33%
耐久消費財・アパレル 4.79% 4.81%
メディア・娯楽 4.74% -
消費者サービス 4.49% -
テクノロジー・ハードウェア 3.91% -
各種金融 - 6.58%
商業専門サービス - 4.15%
ヘルスケア - 3.78%

 

構成銘柄も2022年11月末と比べて大きな変化を見せています。

 

2023年2月末 2022年11月末
1 COMPAGNIE FINANCIERE TETRA TECH, INC
2 Palo Alto NETWORKS DEERE & CO
3 MOTOROLA SOLUTIONS TJX COMPANIES INC
4 FERRARI NV FERRARI NV
5 TETRA TECH, INC LVMH MOET HENNESSY-LOUIS VUITTON SE
6 INTUIT INC THE HERSHEY CO
7 DR. ING. H.C. F. PORSCHE AG MTU AERO ENGINES AG
8 ORACLE CORPORATION WORKDAY, INC
9 MICROSOFT DR. ING. H.C. F. PORSCHE AG
10 ACCENTURE CADENCE DESIGN SYSTEMS, INC

 

手数料 (購入手数料/信託手数料)

手数料は以下となります。

購入手数料、税込3.30%(税抜3.00%)、信託財産留保額はありません。

3種類のまるごとひふみのそれぞれの信託報酬は以下の通りです。一番ファンドマネジャーの才覚が試される100が最も高いですね。

まるごとひふみ15 まるごとひふみ50 まるごとひふみ100
信託報酬率 年率0.660%
(税抜年率0.600%)
年率0.935%
(税抜年率0.850%)
年率1.320%
(税抜年率1.200%)

 

 

<速報ベース>運用実績(利回り)基準価額チャートより解剖

本番の運用実績です。

まるごとひふみ100運用実績

まるごとひふみ100の運用実績

  • 基準価額:9,595円
  • 純資産総額:425.77億円
  • ひふみ投信マザーファンド:59.98%、ひふみワールドファンド:39.51%、現金等:0.50%

 

21年3月末に運用開始となっていますが、基準価額は9595円ですから、マイナスのパフォーマンスとなっています。

2022年のベアマーケットでダメージを被っている印象が強いです。

1ヵ月 3ヵ月 6ヵ月 1年 3年 設定来
まるごとひふみ100 2.23% 1.13% 1.91% 3.75% - -4.05%

 

まるごとひふみ50運用実績

まるごとひふみ50の運用実績

  • 基準価額:9,261円
  • 純資産総額:306.88億円
  • ひふみグローバル債券マザーファンド:49.70%、ひふみ投信マザーファンド:30.11%、ひふみワールドファンド:19.69%、現金等:0.50%

 

基準価額は9,304円ですから、こちらもマイナスのパフォーマンスとなっています。

まるごとひふみ100より安定運用しているはずなのに、まるごとひふみ50の方が酷い結果となっています。

今年は安定資産である債券が大きく売られたので散々なパフォーマンスとなりました。

1ヵ月 3ヵ月 6ヵ月 1年 3年 設定来
まるごとひふみ50 1.03% 0.46% -0.78% -2.65% - -6.96%

 

まるごと15運用実績

まるごとひふみ15の運用実績

  • 基準価額:9,060円
  • 純資産総額:86.34億円
  • ひふみグローバル債券マザーファンド:84.72%、ひふみ投信マザーファンド:8.90%、ひふみワールドファンド:5.88%、現金等:0.51%

 

まるごとひふみ100、50よりさらに安定運用であるはずのまるごとひふみ15が最も悪いパフォーマンスでした。

安定運用をしたいと考えていた人は踏んだり蹴ったりですよね。

債券が落ちた上に、為替ヘッジで円安を享受できず、悲惨な結果となっています。

 

1ヵ月 3ヵ月 6ヵ月 1年 3年 設定来
まるごとひふみ15 0.21% -0.02% -2.65% -7.01% - -9.40%

 

それでは三つファンドの実績と、シンプルにひふみ投信を購入していたらパフォーマンスはどうだったのでしょうか?

 

各ファンドの比較

ひふみ投信と「まるごとひふみシリーズ」を比較したものが以下となります。

青:ひふみ投信
赤:まるごとひふみ15
緑:まるごとひふみ50
黄:まるごとひふみ100

ひふみ投信と「まるごとひふみシリーズ」を比較したもの

 

全てマイナス運用となっていますが、大元より「まるごとひふみシリーズ」の方がマシすね。

とはいえ、厳しい運用結果ですね。以下の通り過去1年でみてもプラスになっているのは「まるごとひふみ100」と「ひふみ投信」のみです。

 

(トータルリターン) 1ヵ月 3ヵ月 6ヵ月 1年
まるごとひふみ15 0.21% -0.02% -2.65% -7.01%
まるごとひふみ50 1.03% 0.46% -0.78% -2.65%
まるごとひふみ100 2.23% 1.13% 1.91% 3.75%
ひふみ投信 1.49% 0.55% 1.28% 3.01%

 

まるごとひふみの掲示板などでの評判

大きくマイナスを出しているので、良い評判は流石にないですね。

 

 

Yahoo!ファイナンス↓

「ひふみ」の名前で買う時代は終わった。下がるのみ!投資信託はeMAXISが無難。
日経も素晴らしい地合いの中、この投資信託は今だに大幅な元本割れって?
何をどう運用したらこんな詐欺まがいな事になるんでしょうか
不思議でたまりません そもそも今 元本割れのファンドを探す方が難しくないですか
くそ投信
12月中に逃げないと。来年前半痛い目あうかも。ここは、指数以下やった。😅
真面目に最低過ぎる投資信託ですね
下げはインデックス以上に下げ、上げはインデックス以下しか上げない!
この悪くない地合いの中 100万買った老人の資産が85万に(°_°)
資産減らしてる老人が会社へせっせと高い金だけ支払うしかない糞ファンド
託された責任を全く感じてない人種達を相手に・・・・
こんな投資信託をNISA扱いにした責任も大きいですね
今日の相場でも下がるってある意味スゴいですね。

 

まとめと今後の見通し

今後の見通しとしては、ひふみシリーズはワールドが入ってもやはり日本株への投資がメインです。

ひふみ投信の見通しと被るところもありますが、既に資産規模が大きくなってしまった結果、高いリターンは出せなくなっています。

規模の大きい銘柄への投資に限定されていることから高いリターンを出すのは難しいです。

 

また、2022年に関しては大幅な円安で日本株は比較的パフォーマンスが出しやすかった環境でした。

しかし、海外ファンドがリターンを出している中、2022年通年でみるとマイナス運用に沈みました。

アクティブ投信としての魅力は低いといえるでしょう。

 

2023年後半には米FRBが利下げ転換を実施し、円安が是正し円高となっていきます。

すると海外投資化からみると割高になる資金流出が見込まれます。

日本株式市場でインデックスのような投資をしているひふみシリーズのファンドが良いパフォーマンスを出せるイメージが全く湧きません。

 

やはり、景気サイクルや相場次第でパフォーマンスが限定されてしまうファンドよりも、どんな相場でも積極的にリターンを狙っていけるようなファンドを継続的に買っていくべきではないかと筆者は思っています。

 

【最新版】管理人が考える日本のおすすめヘッジファンドランキング!(投資信託・ETFを含む)個人投資家が投資失敗で大損しないための、富裕層が実践する哲学を理解しよう。
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長期で資産を大きく成長させるために必要なこと、それは「毎年プラスの運用リターンを出す」ことです。 言い方を変えると「毎年絶対に運用でマイナスを出さない」ということです。欧米のプロ投資家が口を揃えていう ...

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結び

金融資産2〜3億円で完全リタイアは可能か?安定した生活を送るための運用法(50歳、60歳など年代別ポートフォリオを検討)

 

長期的に資産を形成し老後の安定資産を築くために必要なことは、ただ一つです。それは、どのような市場環境であっても資産を守り「堅実なリターンを複利で積み上げる」ことです。しかし、多くの人は派手なリターンを謳う運用先に虜になり、資産を増やすどころか失ってしまうのです。しかし、この情勢は変わりません。歴史は繰り返すのです。いつの時代も「無知はコスト」です。

 

depression

 

資産運用の極意は「プラスのリターンを複利で積み重ねること」であり富裕層に到達するにはこの方法しかありません。

 

上記を実現するための投資先(ファンド)を選ぶポイントは、非常にシンプルです。以下は大枠ですが、これを外さなければ大きく失敗することもありません。

  1. 相場環境に左右されない明確で確固たる投資理論・哲学を有する
  2. 過去に成果を出し続けているファンドマネージャーによる運用

 

世の中にはあまりにも間違った情報が溢れていると日々感じていました。
そして今回、筆者の証券アナリストとしての知見や、マーケットに関する仕事に従事した経験を基に様々なファンドを分析してきました。

その結果(堅実運用の思考とおすすめと言える投資先)をまとめました。ぜひ参考にしてくださいませ。

 

 

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