(考察シリーズ)東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンの評判と現実に乖離はある?運用実績(利回り)と概要確認

投資信託

高い利回りが評判となった東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンを徹底評価!組み入れ銘柄を含めてわかりやすく紐解く。

考察シリーズを続けていきます。筆者はファンドを分析するのが趣味という変わった人間なのですが、また注目のファンドを見ていきたいと思います。

今回取り上げるのは「東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン」です。

 

東京海上というと、筆者は就職活動をしていた時期を思い出します。

損害保険会社の最大手といったところでしょうか。

 

今回はこの東京海上の名前が冠となっているファンドについて、買うべきなのか、そうではないかを検討していきたいと思います。

 

投資信託銘柄考察シリーズ

 

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンとはどんな投資信託か?

東京海上ジャパンオーナーズの主要投資先は日本株です。

銘柄選定に特徴があります。経営者が実質的に主要な株主である企業を選ぶといった類です。

この選定方法は筆者も非常に正解だと思っており、トレーダーの間でも主要株主がオーナー代表であるかどうか、経営陣がどれくらい株を握って経営しているかは企業の成長に大きくインパクトを与えるものと考えられています。

650億円とそこそこのサイズのファンドです。

 

運用は東京海上アセットマネジメントです。

投資助言は受けていないようですね。自前のアセットマネジメント会社で運用をしています。

運用プロセスはまずオーナー企業をスクリーニングしているところが他にはない特徴だと思います。

リーダーシップ調査も新しい?ですね。

 

ファンドの目的・特色

 

切り口は新しいですが求められるのは結果です。

 

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンのポートフォリオ、構成銘柄

以下が銘柄構成となっています。オーナーの持分が高いのでしょう。

 

No. 銘柄 業種 比率
1 エアトリ サービス業 4.40%
2 SBSホールディングス 陸運業 4.30%
3 朝⽇インテック 精密機器 4.00%
4 セガサミーホールディングス 機械 3.90%
5 ユー・エス・エス サービス業 3.50%
6 リゾートトラスト サービス業 3.20%
7 ソフトバンクグループ 情報・通信業 3.20%
8 ファーストリテイリング ⼩売業 3.10%
9 カシオ計算機 電気機器 3.10%
10 パーク24 不動産業 3.10%

 

例えば、エアトリの株主比率は以下です。取締役会長である大石氏が第一位株主となっています。

 

株主名 持ち株
比率(%) 株式数
大石崇徳 28.79 6,365,000
吉村ホールディングス 12.78 2,826,000
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 7.59 1,679,000
日本カストディ銀行(信託口) 6.47 1,431,000
日本カストディ銀行(証券投資信託口) 3.46 765,000
BNY・GCMクライアントJPRD・ISG・FEAC 2.11 467,000
UBS(ロンドン)アジア・エクイティーズ 1.95 430,000
ノムラPBノミニーズ・オムニバスマージン(キャッシュPB) 1.25 277,000
野村信託銀行(投信口) 1.24 274,000
楽天証券 0.99 219,000
自社(自己株口) 200 0

 

代表取締役社長兼CFOの柴田氏の名前はありませんね。プロ経営者というやつなのでしょうか。

経営するなら株は握りたいですよね。

 

続いてSBSホールディングスは以下となっています。創業者の鎌田氏が36%を握り筆頭株主となっています。

 

株主名 持ち株
比率(%) 株式数
鎌田正彦 36.23 14,388,400
日本カストディ銀行(信託口) 14.54 5,776,600
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 3.64 1,445,000
自社従業員持株会 3.27 1,300,600
SBI証券 3.18 1,263,978
SMBC信託銀行(特定有価証券信託口) 3.02 1,200,000
三井住友信託銀行(信託口甲13号) 2.52 1,000,000
東武不動産 2.48 986,000
ノルウェー政府 2.23 885,000
和佐見勝 1.54 610,600
自社(自己株口) 0 600

 

鎌田正彦社長

留学資金をためるために上京した青年が、「稼げる」を理由に入社したのが、佐川急便だった。半年で辞めるつもりが、物流の面白さに気づき、気が付けば8年を費やしていた。佐川を辞めた鎌田正彦氏は昭和62年12月、東京都江東区に軽貨物事業を手掛ける関東即配を立ち上げる。

将来に大きな夢を描き、その目標にまい進したという同社は平成15年、ジャスダックに念願の上場を果たした後、M&Aで次々と物流子会社をグループ化、企業規模を拡大していく。

 

エアトリの時価総額は700億円ほど、SBSホールディングスは1300億円ほどでした。ポートフォリオ3位の朝⽇インテックは6000億円と比較的大きく、組み込む銘柄は中小型と言えるほどでもありません。

朝日インテックに関しては代表の宮田氏の保有比率は2%程度なので、オーナー企業と言えるのかどうか怪しいところですが・・・。よく調べたら主要株主2位のボウエンホールディングスが宮田一族の資産管理会社でした。

 

運用実績・パフォーマンスから見る東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンの見通し

それでは運用実績を見ていきましょう。

直近1年のリターンがマイナスとなっています。5年で+18%となっていますが、こちらは2020年の異次元金融緩和などがあり、正確にその実力は測れません。

 

1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率)
トータルリターン -9.17% 10.78% 18.73% --
標準偏差 15.09 18 17.95 --
シャープレシオ -0.61 0.6 1.04 --

 

シャープレシオもマイナスです。

 

リスク(標準偏差)1単位当たりの超過リターン(リスクゼロでも得られるリターンを上回った超過収益)を測るもので、この数値が高いほどリスクを取ったことによって得られた超過リターンが高いこと(効率よく収益が得られたこと)を意味します。異なる投資対象を比較する際に、同じリスクならどちらのリターンが高いかを考えるときに役立ちます。
このシャープ・レシオは、リスク調整後のリターンを測るものとして、投資信託の運用実績の評価などにも利用されます。

シャープ・レシオ (シャープ・レシオ)

 

せめて10年ほどの運用実績があると、信頼のおけるファンド査定ができるのですが、東京海上の名前で相当な資金を短期間で集めたという感じですね。

やはり、ひふみ投信と同様、ファンドサイズが大きくなるにつれて、パフォーマンスが下降しています。

 

 

運用資産が大きくなると、分散も広くなり、銘柄数も増え管理が煩雑になり、リターンは薄くなっていきます。

結局は、アクティブファンドもインデックスファンドと同様のリターンに収斂していくことになりますので、それなら最初から手数料の安いインデックスファンドで良いのでは?という話になってきます。

いずれにせよ、成績がほぼ一定で安定しているか、マイナスリターンを出さないか、ブレの少ない運用をしているか、総合的にみて東京海上ジャパンオーナーズは少し買いにくいですね。

 

まとめ

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンについて調べてきました。

筆者は厳しすぎるかもしれないほどの分析をしていますので、一般の人は購入する投信なのかもしれません。

しかし、資産を最大化するには妥協はできないので、複利運用ができる先を真剣に選ぼうと思っています。

 

結び

金融資産2〜3億円で完全リタイアは可能か?安定した生活を送るための運用法(50歳、60歳など年代別ポートフォリオを検討)

 

長期的に資産を形成し老後の安定資産を築くために必要なことは、ただ一つです。それは、どのような市場環境であっても資産を守り「堅実なリターンを複利で積み上げる」ことです。しかし、多くの人は派手なリターンを謳う運用先に虜になり、資産を増やすどころか失ってしまうのです。しかし、この情勢は変わりません。歴史は繰り返すのです。いつの時代も「無知はコスト」です。

 

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資産運用の極意は「プラスのリターンを複利で積み重ねること」であり富裕層に到達するにはこの方法しかありません。

 

上記を実現するための投資先(ファンド)を選ぶポイントは、非常にシンプルです。以下は大枠ですが、これを外さなければ大きく失敗することもありません。

  1. 相場環境に左右されない明確で確固たる投資理論・哲学を有する
  2. 過去に成果を出し続けているファンドマネージャーによる運用

 

世の中にはあまりにも間違った情報が溢れていると日々感じていました。
そして今回、筆者の証券アナリストとしての知見や、マーケットに関する仕事に従事した経験を基に様々なファンドを分析してきました。

その結果(堅実運用の思考とおすすめと言える投資先)をまとめました。ぜひ参考にしてくださいませ。

 

 

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