評判を博したグローバル・プロスペクティブ・ファンドの今後の見通しや掲示板での口コミなどを含め徹底評価!

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評判を博したグローバル・プロスペクティブ・ファンドの今後の見通しや掲示板での口コミなどを含め徹底評価!

2022年11月22日

日本からも海外の様々な株式にアクセスできるようになって久しく時間が経過しています。

特に直近は米国株を中心として世界の株式が堅調に推移したこともあり、外国株式に注目が集まっています。

 

結果として日本でも多くの外国株を投資対象とした投資信託が組成されています。

当ブログでも様々な上記のような投信を分析してきました。

 

 

今回分析していくのはグローバル・プロスペクティブ・ファンドです。

「イノベーティブ・フューチャー」という愛称で親しまれています。

 

グローバル・プロスペクティブ・ファンド(愛称:イノベーティブ・フューチャー)の特徴

まずはグローバル・プロスペクティブ・ファンドの特徴についてお伝えしていきたいと思います。

投資対象は破壊的イノベーション企業

グローバル・プロスペクティブ・ファンドの投資対象は破壊的イノベーションを起こしている企業です。

破壊的イノベーションとは18世紀の蒸気機関や10世紀の鉄道、20世紀のコンピューターの開発などですね。

 

破壊的イノベーションという言葉はグローバル・プロスペクティブ・ファンドが生み出した言葉ではありません。

グローバル・プロスペクティブ・ファンドが助言を求めているアーク社の生み出した造語です。

破壊的イノベーションの定義は以下となります。

 

破壊的イノベーション

  • 劇的に生産性の向上をもたらす
  • 急激なコスト低下をもたらす
  • イノベーションプラットフォームであること

 

最初2の2つはわかりやすいですが3つ目のイノベーション・プラットフォームというのは、他のイノベーションとの融合やイノベーションの創出を促す共通基盤となりやすいイノベーションのことをさします。

 

運用プロセス

運用プロセスは以下の通りとなります。

投資対象は破壊的イノベーションを起こしうる企業だけでなく、イノベーションの恩恵を受ける企業としています。

 

グローバルプロスペクティブファンドの運用プロセス

 

また、上記の図で示されている通り銘柄選択においてはアーク社の助言を受けるとしています。

さきほど、破壊的インーベーションの定義の項目でも出てきましたね。ではアークとはどのような企業なのでしょうか?

 

アーク社とは?

アーク社は2020年からのバブル相場で急速に知名度をあげたファンドです。

アーク社とは

 

アーク社といえばファンドマネージャーのキャシーウッドが有名ですね。

バリキャリウーマンの鑑みたいな顔をしてますね。

キャシーウッド

 

アーク社のなかで最も話題をあつめたETFがARKKです。ARKKはアーク社の旗艦ファンドとなっています。

以下はARKKの基準価額の推移は以下となります。

ARKKの基準価額の推移

 

2022年に4倍以上に急騰した後に、現在は2018年から2019年の水準まで暴落しています。この理由については追ってお伝えします。

実際、ARKKを含めた運用ファンドの暴落によって以下のような記事もでています。

 

キャシー・ウッド氏率いるアーク・インベストメント・マネジメントは今年、米国の主な上場投資信託(ETF)の中で最も急激な資産減少に見舞われている。

ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめた6月1日までのデータによれば、アークのETF9本の運用資産総額は153億ドル(約2兆300億円)で、年初から48%減少。資産規模で上位25位の米ETF発行体のうち、最も大幅な減少となる。

特に目を引くのが、アークの資産減は投資家による資金引き揚げでなく、パフォーマンスの低迷が招いた点だ。アークのETFは今年、バリュエーションが高いテクノロジー株の急落が響いて9本全てで2桁のマイナスを記録。その一方で資金流出入は1億6700万ドルの純流入となっている。

参照:Bloomberg

 

構成上位銘柄

最新の2022年10月時点の構成上位銘柄は以下となります。

銘柄 業種 比率
ズームビデオ 情報技術 9.3%
テスラ 一般消費財・サービス 8.4%
ロク コミュニケーション・サービス 7.5%
CRISPセラピューティクス ヘルスケア 4.8%
ブロック 情報技術 4.8%
イグザクト・サイエンシズ ヘルスケア 4.5%
テラドック・ヘルス ヘルスケア 4.4%
ショッピファイ 情報技術 4.4%
ユーアイパス 情報技術 4.3%
インテリア・セラピューティクス ヘルスケア 4.2%

 

ショッピファイ以外は米国企業です。ショッピファイはカナダ企業です。

以下はARKKの構成上位銘柄です。構成比率は若干違いますが、ほとんど同じ顔ぶれですね。

助言を受けているというより最早、ARKKを模倣しているだけにすぎないというレベルです。

構成銘柄 構成比率
ズームビデオ 9.73%
テスラ 7.63%
ロク 7.16%
イグザクト・サイエンシズ 6.63%
ブロック 5.48%
ユーアイパス 4.71%
テラドック 4.50%
CRISPセラピューティクス 4.46%
インテリアセラピューティクス 4.41%
ショッピファイ 4.41%

 

ちなみに両者でトップのズームビデオはリモートワークのトレンドを支えたテレビ会議の銘柄です。

まさにARKKと同じような値動きとなっています。

ズームの株価推移

 

手数料 (購入手数料/信託手数料)

手数料は以下となります。

購入手数料:税込3.3%
信託手数料:年率税込1.658%

 

グローバル・プロスペクティブ・ファンドの運用実績

では肝心の実績についてみていきましょう。

指数に負ける不甲斐ない成績となっている

グローバル・プロスペクティブ・ファンドの運用実績は以下となります。

2020年に急上昇したものの、その後、大きく暴落していますね。激しいチャートとなっています。

グローバル・プロスペクティブ・ファンドの運用実績

騰落率
1ヶ月 4.90%
3ヶ月 ▲7.55%
6ヶ月 ▲11.58%
1年 ▲58.78%
3年 13.52%
設定来 5.72%

 

同じく米国のナスダック総合指数やS&P500指数と比較したものが以下となります。

青:グローバルプロスペクティブファンド
赤:ナスダック
緑:S&P500指数

グローバルプロスペクティブファンドとS&P500指数とナスダック総合指数のチャートの比較

 

インデックスに対してプラスのリターンをだすことが求められるアクティブファンドとしては不十分な結果といえるでしょう。

→ アクティブ型とパッシブ型(=インデックス型)の投資信託の違いとは?どちらのファンドがおすすめか徹底比較。現実を知っていれば大損地獄も回避可能

 

ARKKと殆ど同様のリターン

グローバルプロスペクティブファンドはアーク社の旗艦ETFであるARKKと同じリターンとなっています。

グローバルプロスペクティブは運用開始してから5年経過していないので完璧に比較できませんが以下の通り殆ど同じ動きとなっています。

橙色:グローバルプロスペクティブファンド
青色:ARKK

グローバルプロスペクティブファンドとARKKの株価推移

 

わかりやすくApple Appleで比較することができる過去1年で比較したものが以下となります。

殆ど一致しているといっても過言ではないのではないでしょうか。

過去1年のグローバルプロスペクティブファンドとARKKの株価推移

 

更に同じくアーク社の助言を受けて運用をおこなっているゼロコンタクトと比較すると以下の通りほぼ同様の運用実績となっています。

 

青:グローバルプロスペクティブファンド
赤:ゼロコンタクト 

グローバルプロスペクティブファンドとゼロコンタクトのチャートを比較

 

日興アセットマネジメントはほぼ同じ投信を名前を変えて販売しているということになります。

 

掲示板での口コミや評判

Yahoo financeでの口コミや評判は以下となります。

 

アーク社が相変わらず投機的な取引を繰り返していることに懸念を述べているコメントが見られます。

アークの助言を受けて運用しているグローバル・プロスペクティブ・ファンドに影響しますからね。

 

口コミ①

なんか嫌な予感。
相変わらずギャンブル好き⁈
関係ないと良いですが。。

米アーク、FTX危機の中でコインベース株を買い増し

Sam Reynolds Sam Reynolds
| Industries
2022年11月9日 06:45

ウッド氏は、コインベース(Coinbase)株を買い増している。
アーク・イベストメント・マネジメントは3つのファンド、「ARK Innovation」「ARK Next Generation Internet」「ARK Fintech Innovation」でコインベースへの出資を増やしていると述べた。現在保有している770万株に、42万949株を追加するという。

 

グローバルプロスペクティブをすすめてきた金融機関に対して不安を述べている口コミも見られます。

 

口コミ②

営業さんってしつこいんだよなあ
要らないと言うと何でだ!どうしてだ!と言って食い下がってくる
下がって文句言うと自己責任ですからと言って知らんぷり

 

イノベーティブ・フューチャーの今後の見通し

重要なのは今後の見通しです。そもそもなぜ2020年に高いリターンを出せたのかという点について考える必要があります。

理由は明確です。パンデミックから経済を救うために中央銀行が大規模な金融緩和を実施したことに起因しています。

 

金利が下落することでグロース株の将来の利益の現時点での価値が上昇して株価は上昇していきます。

2010年代を通じてグロース株が高いリターンをだしたのは低下しつづける金利の影響が最も大きかったのです。

そして2020年に最も大規模な金融緩和を行ったことでARKKが投資しているような銘柄が脚光を浴びました。以下は米国の10年債の金利です。

 

直近金利は急上昇

 

しかし、2021年後半からインフレが発生したことで金利を急激に引き上げて中央銀行は対処しています。

結果として今までの逆回転あおこりグロース株が暴落しているのです。

そして、この傾向はまだまだ今後も続くと考えられています。理由としては二点あります。

 

一点目はまだインフレがおさまってないことです。インフレがおさまっていないので金利を更に高い水準で維持する必要があります。

更に、そのあと景気が悪くなれば今度は業績が悪化します。結果として現在の下落は長引きます。

 

今回と似たようなケースがあります。それが2000年から2002年のITバブルの崩壊です。

当時のナスダックとARKKは以下の通り瓜二つのチャートとなっています。この経過をたどるとすると2024年中盤まで株価は底打ちしないことが見込まれます。

 

現在のARKKとナスダック総合指数のITバブル崩壊時のチャートの類似性

 

今後も非常に厳しい展開が継続することが見込まれます。

 

まとめ

今回のポイントをまとめると以下となります。

ポイント

  • グローバルプロスペクティブファンドは破壊的イノベーションを実施する企業に投資
  • アーク社が助言をおこなっている
  • S&P500指数やナスダックに劣後する成績
  • ARKKやゼロコンタクト と同様のリターンとなっている
  • インフレの継続と不況による業績悪化で今後数年は厳しい可能性が高い

 

このようなテーマ型の投信はブームが終わると売り込まれる傾向にあります。

どのような市場環境でも安定したリターンを得ることが重要となります。安定したリターンが狙えるファンドについては以下で詳しくお伝えしています。

結び

金融資産2〜3億円で完全リタイアは可能か?安定した生活を送るための運用法(50歳、60歳など年代別ポートフォリオを検討)

 

長期的に資産を形成し老後の安定資産を築くために必要なことは、ただ一つです。それは、どのような市場環境であっても資産を守り「堅実なリターンを複利で積み上げる」ことです。しかし、多くの人は派手なリターンを謳う運用先に虜になり、資産を増やすどころか失ってしまうのです。しかし、この情勢は変わりません。歴史は繰り返すのです。いつの時代も「無知はコスト」です。

 

depression

 

資産運用の極意は「プラスのリターンを複利で積み重ねること」であり富裕層に到達するにはこの方法しかありません。

 

上記を実現するための投資先(ファンド)を選ぶポイントは、非常にシンプルです。以下は大枠ですが、これを外さなければ大きく失敗することもありません。

  1. 相場環境に左右されない明確で確固たる投資理論・哲学を有する
  2. 過去に成果を出し続けているファンドマネージャーによる運用

 

世の中にはあまりにも間違った情報が溢れていると日々感じていました。
そして今回、筆者の証券アナリストとしての知見や、マーケットに関する仕事に従事した経験を基に様々なファンドを分析してきました。

その結果(堅実運用の思考とおすすめと言える投資先)をまとめました。ぜひ参考にしてくださいませ。

 

 

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