誰もが夢見る「1億円」という資産。1億円あったらリタイアしたいと考える方もいらっしゃると思います。
もしくは、さらにアグレッシブに資産を増やしたいと考えている方も多いと思います。
筆者は東京近辺で過ごしておりすでに1億円には到達していますが、今後子育て等を考えるとリタイアするには最低でも2億円は欲しいと考えています。
1億円という資産があれば運用の選択肢も増えてきます。また、1億円あれば「スノーボール効果」で資産運用を行うだけで2億円に届くことが容易になります。資産運用はタネ銭が大きくなれば得られる果実も大きくなります。
同じく倍にするにしても100万円が200万円になっても資産は100万円しか増えません。
しかし、1億円が2億円になれば1億円増えます。本日はもし1億円あればどこに預けるのがよいのか?という点について詳しく紐解いていきたいと思います。
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一般的な投資信託も使い方によっては有効-インデックス投資の有効性-
投資信託というと庶民の投資先、最もとっかかりやすい投資先であり、1億円もの資産があれば投資信託よりも更に特別感のある高度な投資を行いたいと考える方も多いのではないでしょうか。
確かに日本で一般的に販売されている投資信託は投資家のためにはならないレバレッジ型や、毎月分配型の投資信託が多く販売されております。
また販売されている形態がわるいだけでなく、日本で販売されている投資信託は米国に比べて、低いリターンとなっていることは金融庁のデータからも明らかとなっております。
しかし、あくまで上記は売れ筋の投資信託です。つまり銀行や証券会社が販売に力を入れている証券会社ということです。
このような投資信託はアクティブ型の投資信託といわれ、銘柄を選択することにより指数より高いリターンを得ることを目的とした投資信託です。
成績はあくまで目的にすぎず、運用成績に関わらず貰える信託報酬を得て金融機関の手数料収入の柱となっています。
一方、世界株指数や米国株指数やTOPIXなどに連動する投資信託をインデックス型の投資信託といいます。
インデックス型の投資信託は指数に連動するポートフォリオを組成するだけなので低い手数料で購入することができます。
また、手数料が低いからアクティブ型投資信託よりも運用成績が低そうですが実態は真逆です。
以下、各種分類のインデックス(=パッシブ)ファンドとアクティブファンドのリターンの比較です。
リターンとシャープレシオ共に全てインデックスファンドの方が高い成績を残しています。
手数料も安いのにリターンも優れているなら正直インデックスファンドでいいですよね。
得られたリターンとリスクから算出されるシャープレシオの値もインデックスファンドの方が高い成績を残しています。
リスク(標準偏差)1単位当たりの超過リターン(リスクゼロでも得られるリターンを上回った超過収益)を測るもので、この数値が高いほどリスクを取ったことによって得られた超過リターンが高いこと(効率よく収益が得られたこと)を意味します。異なる投資対象を比較する際に、同じリスクならどちらのリターンが高いかを考えるときに役立ちます。
このシャープ・レシオは、リスク調整後のリターンを測るものとして、投資信託の運用実績の評価などにも利用されます。参照:SMBC日興証券
インデックス投信も暴落に注意が必要
インデックス投信だから安心かというと、そのような短絡的な話ではありません。
ある程度人生を生きている方だと何度も経験したことがあるかと思いますが、市場は頻繁に暴落を経験します。
21世紀に入ってからでも、ITバブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災、チャイナショック、コロナショックと様々なショックが発生しました。
その度に株価は暴落してしまっています。以下はS&P500指数の年次リターンです。
ご覧いただければ分かる通り、下に長い線が伸びている局面が何度もありますね。場合によっては複数年に渡って下落が継続しています。
1億円を全部インデックス投資を行うと局地的に大きなマイナスを被る可能性があります。
場合によっては資産が半分になることも考えておいた方がよいでしょう。
2022年からインデックス投資を始める人は要注意
特に2022年からインデックス投資をはじめようと考えている人は注意が必要です。
直近インデックスは上昇しすぎている
以下は各年度のリターンをデータとしてプロットしたものです。
堅調な相場が続いた後は大きな下落を被ることが多くなっています。
特に1996年から1999年の大相場の後の2000年から2002年の大暴落は厳しいものがありました。
そして、直近のS&P500指数の推移が以下となっています。バフェットのBerkshire Hathawayの年次レポートからデータを取ってきています。
2019年:31.5%
2020年:18.4%
2021年:28.7%
いかがでしょうか。1990年代末と同じレベルで株価指数が高騰しています。
2022年からはインデックス投信だけで大きなリターンを望むのは難しくなってきています。むしろ暴落に気をつけないといけません。
様々な投資信託については以下のカテゴリーにて分析していますので参考にしてみてください。
↗︎↗︎↗︎ 投資信託銘柄考察シリーズ
ファンダメンタル的にもスタグフレーション懸念が台頭している
過去のデータからだけで注意した方がいいとしているわけではありません。
現在の株式相場は中央銀行が操作しているといっても過言ではありません。
2020年にコロナが発生してから株式市場が大きく跳ね上がったのは米国の中央銀行であるFRBが大規模な金融政策をしたからに他なりません。
FRBは政策金利をゼロにするだけでなくバランスシートを拡大して市場に大量のお金を放出しました。
以下がマネーサプライの推移です。マネーサプライとは市場に流通しているお金の総量です。
一貫して上昇していますが2020年のコロナショック以降に急騰しています。
これが直近2年の大相場をつくりだしました。市場に溢れたお金が株や不動産といった資産に流れ込んで大きく資産価格を引き上げたのです。
しかし、今事態は急変しています。
コロナによるサプライチェーン問題と急速にあがり続ける原油価格の影響を受けインフレ率は40年ぶりの水準にたっしています。
さらに穀物の産地であるウクライナと原油を多く生産しているロシアが開戦したことで穀物と原油価格が上昇してインフレが加速することが見込まれています。
米国の中央銀行のFRBの使命はインフレ率を2%程度に安定させることです。
現在の7.5%というインフレは許容できるものではなく金融引き締めを行う必要があります。
米国のFRBは政策金利を引き締めるだけでなく、さらに市場に放出した資金を回収することまで行おうとしてます。
金融緩和が株価の引き上げ効果があるのであれば、金融引き締めを行うことによって株価が下落するのは自明です。
さらに、インフレが加速していることで人々の購買意欲げ低下して不景気になる可能性があります。
インフレをしているにも関わらず不景気の状態は「スタグフレーション」といいます。
スタグフレーションが発生すると最もインデックスには厳しい環境になるといえるでしょう。
2022年からは危ないので投資を控えておくというのも手ですが、同じく金融引き締めを行なった2015年から2017年は株価が堅調に推移した例もあります。
ただ、限界がきて2018年にクラッシュしましたが・・・。今回の引き締めがどのように株価に働くかは正直不透明ですが、既に年始からS&P500指数は10%以上下げています。
ここから、さらに下落するかは想定が難しいですが、投資をせずに資産価格が上昇していくのも機会損失です。
そこで、私が提案したいのが次の選択肢です。
富裕層だから選択できる下落を抑えながら堅実に増やすヘッジファンドという選択肢
投資をしない機会損失は回避したいけど、暴落はもちろん回避したい。
そんなわがままに答えてくれる投資対象が存在します。それがヘッジファンドです。
ヘッジファンドは以下の通り全世界の株式のリターンを上回り、更に右肩上がりで上昇しています。
リターンは年率9.14%と世界平均の2倍以上で、リスクも世界株式の3分の2程度です。
投資においてリスクというのは株価の変動幅のことを指します。
リスクが小さいということは株価が大きく変動する可能性が低いことを意味します。この変動幅は右肩上がりの場合は低くなります。
しかし、一気に株価が下落する局面も経験すればするほど大きくなります。下落する時のスピードは早いですからね。
2000年からのITバブル崩壊の時は全世界株が40%ほど下落しましたが、ヘッジファンドはむしろ上昇しています。
リーマンショックでも全世界株は50%以上下落しましたが、ヘッジファンドはなんとか20%の下落で耐えています。筆者は国内ヘッジファンドのBMキャピタルに投資をしていますが、実際に下落耐性に強く非常にリターンは安定しています。
資産保全という観点を第一においてしっかりと堅実に利益を積み重ねているのがヘッジファンドなのです。
【2022年】個人投資家がアクセス可能な日本国内のおすすめヘッジファンドをランキング。個人投資家が投資失敗で大損しないための、富裕層が実践する哲学を理解しよう。
ヘッジファンド投資の障壁は敷居の高さ
ヘッジファンドは攻守ともに優れており安全に資産を増やしていくという観点においてはうってつけの投資資産です。
ただ、海外では数億円の資産を保有し、ある程度高い年収の方からでないと出資を受け入れていません。
また、著名ファンドにもなると個人投資家からの出資は受け入れておらず、機関投資家からのみの出資を受け付けるという状況になっています。
ただ、運用資産が大きいファンドが高いリターンを残すわけではありません。例えば世界最大の15兆円の資産を運用するブリッジウォーターは成績不振に見舞われています。
210億ドル(約2兆3000億円)規模を運用する米カリフォルニア州オレンジ郡の年金基金は、資産家レイ・ダリオ氏のヘッジファンドを投資先から外す可能性を検討している。ダリオ氏のファンドは過去16年間の大半において、運用成績がベンチマークを下回っている。
オレンジ郡職員退職年金基金(OCERS)は、ダリオ氏率いるブリッジ・ウォーター・アソシエーツのファンド「ピュア・アルファ」に投資しているが、2005年より後のリターンは年率4.5%と、ベンチマークを約2.5ポイント下回る。同基金のコンサルティング会社メケタ・インベストメント・グループの文書をブルームバーグが確認した。過去5年間にピュア・アルファのリターンがOCERSの目標を上回ったのは一度のみ。過去7年、および過去10年のベースではいずれも目標に届いていない。
参照:Bloomberg
これはヘッジファンドに限ったことではないのですが、投資信託を含めてファンドとして規模が大きくなるとリターンが低下する傾向にあります。
例を出すと「ひふみ投信」もまだ駆け出しの時は高いリターンをだしていますが、カンブリア宮殿に取り上げられた2017年以降リターンが著しく悪化しています。
現在に至っては「ひふみ投信」のパフォーマンスは日経平均に劣後するレベルまで低下しています。
著名ヘッジファンドもなぜ規模が大きくなったかを考えてみましょう。
過去に素晴らしいリターンをあげて有名になったから出資が相次いで大きくなったのです。
運用資産が大きくなると、全体のリターンをあげる投資対象をみつけるのが難しくなります。結果としてリターンが低下するのです。
筆者が投資しているヘッジファンドは100億円規模と小さすぎず、大きくもなく最も期待できるヘッジファンドとなっています。
また出資金も1億円ではなく1000万円と低めに設定されています。
1億円のうちの5000万円をヘッジファンドに2000万円をインデックス投資にというふうに配分することも可能なのです。
筆者が投資をしているファンドについては以下で詳しくまとめていますので参考にしていただければと思います。
不動産投資は十分な資金ができてから行おう
不動産投資で都会のワンルーム投資などは論外です。最終利回り3%-4%しか見込めない上に修繕や空室リスクなどを抱えることになります。
絶対に株式投資を行なった方が労力的にも期待リターン的にも効率がよいです。
しかし、地方の中戸建物件への事業としての不動産投資であれば話は違ってきます。
不動産投資は事業として行えばインカムゲインとキャピタルゲインを狙うことができる投資です。
筆者も実験的に中古の一戸建てを購入して、リノベーションを行い利回り15%を得ています。しかし、あまりにも大変だったので1軒仕込んで終わりました。
いい物件を毎日血眼になって探し、不動産屋と関係を築き融通してもらい何度も足を運んでようやく良い物件を仕入れることができます。
融資の手続きをとっていては本当に良い物件を取得することができません。Cash is Kingなのです。
さらに、そこからリノベーションをして現地の不動産仲介業にお願いをして客付をしてもらいます。
この一連の流れは投資ではありません。むしろ事業の類です。本腰をいれないと利益を得ることはできません。
筆者としては現在資産は7000万円なのですが、2億円に到達した時点で事業としての不動産投資を行なって安定したキャッシュフローを作ろうと考えています。
それまでは株式投資の方が効率よく資金を作ることができると考えています。
まとめ
今回1億円の資産を預ける投資先としてどこがよいのかをお伝えしてきました。まとめると以下となります。
アクティブ投信 | 手数料は高く平均してパフォーマンスはインデックス以下 |
インデックス投信 | 長期的にはよいが短期的に暴落のリスクがあり1億円という大金の多くを預けるには不安 |
ヘッジファンド | ある程度資産がある人のみ投資可能。リスクを抑えながら高いリターンをだす富裕層向けの投資先 |
ワンルーム不動産 | 利回りが低いのにリスクが高く投資する価値はなし |
地方中古不動産 | リターンは高いが労力が多大。最早、事業であり投資といえる代物ではない。 |
まとまった資金があるのであればヘッジファンドを活用しつつ、インデックス投信などで一部を運用するのが良いかもしれませんね。どのヘッジファンド、投信を選ぶかで10年後の景色は大きく変わると思います。