貯金で「5000万円」を蓄えたという方は、基本的にはあまり若い方ではないのではないでしょうか?
それくらい大きな金額です。その水準まで資産を築いた方に、ぜひこの記事は読んでほしいです。
5000万円貯金があるという方を推察すると、以下のような方が多いのではないでしょうか。
- サラリーマンで勤め上げて退職金が入ってきた。
- サラリーマンで駐在が長く手当で貯まった。
- 起業して事業が成功した。(M&A、IPO)
- 急遽遺産が入ってきた。
- 学生時代からの運用や投資で一発当たった。
- コツコツ節約し、2020年以降のバブル相場で資産が急増した。
最近はコロナショック後の金融相場で投資で大きく殖やして5000万円に到達したという方もいらっしゃるでしょう。また暗号通貨のバブルもありました。
しかし、5000万円とは資産をさらに増やす武器になりつつも、方法を間違えればあっという間に溶けてしまう規模の金額でもあります。
規模が大きくなればその遠心力も上がり、衝撃も大きくなります。攻守を兼ね備えた扱いが必要です。
資産は大きくなればなるほど加速すると言われますが、取り扱いを間違えれば一瞬で吹き飛びます。
今回は5000万円以上の資産がある貴方に向けて、5000万円あったら何ができるのか?
恐らく目標とされているセミリタイアは可能なのか?という点に重点をあてて説明していきたいと思います。
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貯金5000万円ある人はどのくらいの割合で存在する?(30代、40代がボリュームゾーンか?)
大前提として、貯金が5000万円あるという人は非常に稀有な存在でしょう。それくらい、到達するには難しい金額です。
以下はゆうちょ財団による「家計と貯蓄に関する調査 結果概要報告書」の抜粋ですが「〜1億円未満」が3.9%となっています。
5000-1億円未満と少し幅はありますが、その枠内に入っている資産家であり、胸を張ってもよい貯金額と言えるでしょう。
よく見る資産階層ピラミッドでは準富裕層に位置します。
準富裕層以上の世帯は全体の8.7%程度です。資産5000万円あれば日本でトップ10%に入る水準です。
上記2つの結果は調査方法により多少の違いはあるものの、5000万円の資産がある場合、上層世帯であることは間違いありません。
また以下は「厚生労働省「2019年国民生活基礎調査の概況」の抜粋ですが、平均貯蓄額は30代は530万円、40代は650万円となっています。世間一般からの乖離がよく分かります。
さて、その5000万円ですが、一体働かずに何年暮らせるのかをシチュエーション別で算出してみました。
5000万円あったら何年暮らせるのか?そこに精神的余裕はあるのか?
5000万円あったらまず考えることは何年暮らせるのかということではないでしょうか?
筆者は地方で暮らしたことも、東京で暮らしたこともあるので算出してみました。
地方で暮らす場合:不動産(住居)を既に保有している場合
地方で暮らしている方の中には父祖伝来の土地に住んでいる方もいらっしゃると思います。
実際に筆者も地方の実家に住み続けた場合、不動産を保有しており、住居に関する費用は一切かかりません。
つまり、1ヶ月に最低限かかるのは電気ガス水道代とインターネットを加えた3万円と食費だけになります。
食費も家族全員で多めに見積もっても10万円で足りるでしょう。更に子供2人いる場合に教育費を1人5万円/月とすれば10万円発生します。
すると、合計で約25万円程度あれば生活を維持することができます。
この金額は総務省により発表されている最新の2人以上の世帯の消費支出292,077円と整合性のある数値です。
住居に関する費用がない分安いのも納得のある数値です。
勿論、交際費を多くとりたいという方はアップサイドで費用がかかりますが、一旦ここでは無視をしましょう。
1月で25万円なので年間では300万円となります。すると5000万円あれば17年は何も稼がなくても生活することができます。
如何でしょうか?
以外に長持ちしないなという印象を持ちますよね。勿論、子供がいなければ更に長い期間を暮らすことができます。
地方で暮らす場合:不動産をこれから所有する場合
まだ不動産を保有していない方もいらっしゃると思います。地方では駐車場付きの一戸建てを買ったとしても2000万円-3000万円となります。
比較的中堅都市の金沢でも2500万円台で購入することができます。
保守的に3000万円で算出しましょう。35年ローンを借りると現在の住宅ローン金利0.5%で換算すると月間支払い額は約8万円となります。
つまり先ほどの月間25万円に8万円を追加して、月間支出は33万円となります。
すると年間約400万円の支出となるので12年〜13年間暮らすことができます。子供が生まれて小学校卒業するまでというレベルですね。
都会で暮らす場合:不動産を既に保有している場合
都会で暮らす場合、仮に不動産を既に保有していたとしても固定資産税や駐車場台がかかります。
更にマンションの場合は管理費や修繕積立費がかかります。
戸建の場合は固定資産税で年間50万円程度、マンションの場合は駐車場台と管理費と固定資産税で年間100万円は発生します。
また、教育費も高くなるので子供二人の養育費を15万円にアップグレードすると生活費も30万円となります。
この数値は東京都が発表している1世帯あたりの消費支出から住居3万円を差し引いた294,853円と近しい金額となっています。
上記はあくまで全世帯の平均です。勤労世帯の場合は子育ての費用も追加で発生しますので実態はプラスで10万円程度を見ておいた方がいいかもしれません。
ただ、今回はあくまで質素に暮らした前提で算出していきたいと思います。
つまり、年間で必要な支出は以下となります。
戸建の場合:約年間400万円
→ 50万円 + 30万円×12ヶ月
マンション保有の場合:約年間450万円
→ 100万円+ 30万円×12ヶ月
つまり稼ぎがなくても5000万円で暮らせる年数は11年-13年という水準になります。
勿論、子供を私立の中学校や高校にいれたり、塾にいれると更に金額は発生するので10年未満となる可能性が高いでしょう。
都会で暮らす場合:不動産を保有していない場合(独身でも厳しい)
不動産を保有していない場合、家族4人が都内で暮らす場合は20万円は最低でも家賃が必要になってきます。
つまり月間50万円が必要な計算になってきます。すると年間600万円が必要となってきます。
5000万円で暮らすことができるのは8年と少しということになります。
意外に5000万円という金額はすぐ溶けてしまうことがご理解いただけたかと思います。精神的余裕を感じられる生活を続けることがそもそも不可能な水準という悲しい結果です。
都内に関しては収入と共に生活水準も上がってしまい、独身でも精神的余裕を感じることはないのではないでしょうか。
資産5000万円で精神的余裕のあるセミリタイア(FIRE)はできるのか?
今まで5000年で何年暮らせるのかという点をみてきました。纏めると以下となります。
不動産所有:17年
不動産所有無し:12年-13年<都会>
不動産所有:11年-13年
不動産所有無し:8年 <都会>
セミリタイアとは大和証券が定義すると以下のようになります。
セミリタイアとは、「人生において最も多くの時間を費やしてきた会社を辞め、自分の自由な時間、生活を大切にしながら必要な分だけ仕事をする」というライフスタイルのことです。仕事による収入が全く得られなくなるということではなく、自分の好きな時間に好きな仕事をして、最低限の収入を得ます。
参照:大和証券
あくまで完全なるリタイアとは異なり、しっかりと収入を得ることを前提としています。そのため、いくら稼ぐかによりますがセミリタイア自体は不可能ではありません。
しかし、結局労働収入に頼っていては自分の好きなことが出来るとは限りません。
5000万円という資本を活用して資本収入を活用した上で、必要分を稼いで自由な生き方(働き方、社会との触れ合い方)を手にすると考えた方がよいでしょう。
メモ
最近は完全リタイアの代わりに「F.I.R.E.」という言葉が流行しています。これは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取っていますが、要するに運用のみで生活を成立させましょう、というもので、完全リタイアと同義になります。
本当の意味で自由のあるセミリタイアを行うために必要な資本収入とは?配当金生活が可能な水準は?
ではもう一度、各ケースで年間に必要な金額を整理してみましょう。
不動産所有:300万円
不動産所有無し:400万円<都会>
不動産所有:400万円-450万円
不動産所有無し:600万円<都会>
地方と都会の不動産を所有されている方の場合は5%のリターンがあれば税前で250万円のリターンを得ることができます。
20.315%の税金を差し引かれた税後で考えても200万円のリターンなので、追加で100万円から250万円を稼げばよいということになります。(これは株式投資でも5%の配当を確実に受け取れるのであれば、問題ありません)
都会で不動産なしの方の場合は10%のリターンは欲しいところですね。10%のリターンでも500万円の税前収益となるので、税後では400万円の資本収益ということになります。
つまり追加で200万円を稼げばよいということになります。
正直、都会で不動産を保有されていない方は1億円を目指して蓄財を続けることをおすすめします。
ただ、200万円以上は余裕で稼ぐことが出来るというのであればセミリタイアを実現することはできますね。
(関連) 1億円あれば何年暮らせる?2億円や3億円保有のケースも含めて検証。結局、何億円あれば一生暮らせるのか?
セミリタイアを行う場合に運用で気をつけるべきこととは?インデックス投資は有効か?
セミリタイアを行うための資本収入で、最も重要なことは資産を減らさないことです。
元本を減らしてしまうと人生の見通しが一気に苦しくなってしまいます。元本が減ってしまうと必要なリターンも高くなりハイリスクな投資をして、さらに資産を失うという悪循環を引き起こします。
かといって債券投資など低利回りでは、現在の世界的な低金利の環境下では最高でも4%程度しか見込むことができません。
例えば米国債であれば米国側と日本側で合計30%の税金がかかってくるのでさらに厳しいです。為替リスクも考慮に入れる必要があります。そもそも為替という変数が増えており、日本人からすると海外債券への投資は少し難易度が上がってしまっています。
この「4%」というリターンも米国の債券を前提としています。当然、ドル建なのでドル円が下落すれば元本は毀損します。
2022年に150円近くまで円安が進んでしまい、2023年の今は少し為替は落ち着いていますが、今後おそらくさらに発生する円高調整によって元本が大きく毀損してしまいます。
また、高いリターンを狙ってインデックス投資を行うのも非常に危険です。ここ数年は株式市場が堅調なので楽観ムードが流れていますが、30%以上のマイナスを出す時期も多々あるのです。
ドットコムバブル、リーマンショック(クレジットバブル)の後に、FRBの低金利政策でその後もS&P500は上昇しました。
しかし、元FRB財務長官やヘッジファンドの帝王であるレイダリオ氏が唱えるように、低金利時代は終わり、インデックスファンドがこれからも右肩上がりであると決めつけるのは非常にリスクが高いです。
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さらにわかりやすく各年度のS&P500のリターンを見ると、以下の通り2000年から2002年の3年間は3年連続で下落していますし、2008年のリーマンショックでも大きく暴落。いずれのCASEも資産を50%以上失うことになってしまっているのです。
インデックス投資は平均7%のリターンといわれますが、あくまで超長期で均した場合のリターンです。それも低金利政策が30年以上続いてしまったことも忘れてはなりません。
以下の図をご覧いただきたいのですが株式市場は停滞期と上昇期が交互に訪れており、現在は2010年台からの拡大期が終焉を迎えて停滞期感に入っています。
先ほどお伝えした通り日本人投資家は米国のインデックスに投資する場合も為替リスクを追っています。今後発生する円高も加味すると株価の下落もともなって深刻な下落になりかねません。
セミリタイアではなく資産を増やす段階では、一つの選択肢にはなります。しかし、極力減らすことができない運用を行うという場合にはインデックス投資は危険であると言わざるを得ません。
セミリタイアを行う上で筆者が妥当と考えるのがヘッジファンドです。ヘッジファンドは下落をミニマイズしながら安定して直線的に資産価格を増加させています。しかもインデックスよりも高いリターンを出しながらです。
そのため、資産を失うことができない年金基金や保険会社、更に欧米の富裕層に愛好されています。
ハーバード大学基金などはポートフォリオの最も大きい部分をヘッジファンドに預けて安定したリターンを出しています。
(ハーバード大学基金の投資ポートフォリオ)
Asset Class | Allocation | Return |
Public Equity | 14% | 50% |
Private Equity | 34% | 77% |
Hedge Funds | 33% | 16% |
Real Estate | 5% | 13% |
Natural Resources | 1% | -1% |
Bonds/TIPS | 4% | 3% |
Other Real Assets | 1% | 1% |
Cash & Other* | 8% | - |
Endowment | 100% | 34% |
Source:米ハーバード大学(Endowment)
ヘッジファンドとは、個人投資家が容易に購入できる投資信託とは異なり、まとまった資金を保有する機関投資家や富裕層向けのファンドとなっています。
公募ファンド(投資信託)はマス層向けの商品であり、大手金融機関が大々的に宣伝していますが、ヘッジファンドは私募ファンドであり宣伝活動はしませんので、情報へのアクセスが非常に困難な先となっています。
公募ファンドと私募ファンドの大きな違いは、運用規制が私募ファンドは緩和的であり、ファンドマネジャーの手腕次第でどんな相場でもリターンを獲得しにいけるという点です。
例えば強気相場では最も株価が伸びる銘柄へ、弱気相場では最も下落耐性が強い株式銘柄へ状況に合わせてポートフォリオを調整できるのです。
世界最大のヘッジファンドであるレイダリオ氏がマネジャーを務めるブリッジウォーターのパフォーマンスはまさにその運用の自由度の高さによる結果であると認識できます。同ファンドは2022年にS&P500指数が-20%程度下落する中、30%以上のリターンを半年で上げています。
[ニューヨーク 5日 ロイター] - レイ・ダリオ氏率いるヘッジファンド運営会社、ブリッジウォーター・アソシエーツの旗艦ファンド「ピュア・アルファ」は、今年上期のリターンがプラス32.2%だった。関係者が明らかにした。
(世界最大のヘッジファンド・ブリッジウォーターの運用リターン)
運用に規制を受けない代わりに、投資信託のように大々的にテレビで宣伝もできませんし、大量の出資者を抱えることもできません。
その結果、最低出資額は1000万円程度からと高く設定され、まとまった資金のある機関投資家と富裕層に投資家は限定されています。
国内ヘッジファンド例:BMキャピタル
ヘッジファンドといえば海外の印象が大きいと思います。しかし、例えば世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーターなどは最低出資金額が1兆円以上となっています。つまり、大型の機関投資家のみの資金を受け入れて運用しているのです。
しかし、もともとブリッジウォーターのようなファンドでも、小さいファンドから成長してきました。むしろ、若いファンドの時の方が高いリターンを叩き出して注目を集めていたのです。
昔のブリッジウォーターのようなファンドとして筆者が投資しているヘッジファンドにBMキャピタルがあります。
BMキャピタルは運用資産額は150億円程度で高いリターンを出すのには丁度良い水準です。
また、最低出資は1000万円から可能と敷居が低くなっており個人投資家でも投資が可能となっています。簡単な特徴は以下となっています。
BMキャピタルの特徴
- 平均年率10%-20%を安定的に継続
- 2012年の運用開始以降マイナスリターンの年なし(35年間無敗だったウォーレン・バフェットの運用を彷彿とさせる)
- 東京大学卒で外資系金融機関(英国バークレイズ証券)出身、上場企業役員も務めるファンドマネージャーが運用
- ファンドの構成メンバーは東大・京大卒の元財務省、外資系投資銀行、コンサル、総合商社出身者など
BMキャピタルは以下の通り数々の調整局面を無傷で乗り切るばかりでなくリターンをあげて順調に資産を形成しています。
運用手法はバフェットの師であるベンジャミングレアムの手法を更に先鋭化させたバリュー株投資を実践しています。
常識的にありえないような安い価格で取引されている銘柄に投資を行い、大株主となり「物言う株主」として能動的に株価を引き上げていきます。
結果として市場環境とは関係なく安定してリターンを出すことができています。
詳しい運用手法や運用実績は公式ページから問い合わせすることができます。
対面での面談やオンライン面談も可能で遠方の方でもパンデミックが不安な方も安心して話を聞くことができます。
ヘッジファンドは運用手法の流出を防ぐという観点からも秘匿性が高くネット上の情報に限りがあるので、興味のある方は気軽に尋ねてみるとよいでしょう。
BMキャピタルについての詳細記事は以下となります。
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【BMキャピタル】日本最大のヘッジファンド「BM CAPITAL」の評判や口コミを紐解く!運用実績・利回り・投資手法の実態とは?
筆者は資産を飛躍的に伸ばすべく、ヘッジファンドとインデックスファンドに重点的に投資を行っています。 今回の記事では、筆者のポートフォリオの核となっている、BMキャピタル(安定して10%程度の利回りを長 ...
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